2024年6月25日火曜日

吉屋信子全集9 女人平家(全)

 吉屋信子全集9 女人平家(全) 吉屋信子

滋子・(時子異母妹)後白河上皇 憲仁親王
郁子・(時子異母妹・宗盛の室)
 
昌子、盛子、徳子、寛子、典子、佑子(冷泉家)、

大江広元、三善康信
藤原信隆、信清、殖子、

 

2024年6月10日月曜日

浮世絵宗次日月抄上 蒼瞳の騎士

 浮世絵宗次日月抄上 蒼瞳の騎士 門田泰明

 命を賭した決闘で鉄砲玉を打ち込まれた宗次は、西洋人女性医師・アリシアに救われた。
その間に「井華塾」が爆発炎上、妻・美雪や菊乃らが犠牲になった。悲嘆する宗次が塾跡へ行く途中、覆面侍に襲われる。アリシアはサーベルで次々と刺客を倒す。

 宗次が襲った者の正体を探る中、アリシアが拉致された。宗次は東海道を下る。

 美雪の父・西條山城守と大目付彦坂壱岐守は、井華塾を爆破した者を見たと言う者に会いに行く。彼は殺されていた。二人は銃で狙われる。壱岐守は撃たれ、山城守は対戦するが巨漢の男に逃げられる。

2024年6月8日土曜日

風烈廻り与力・青柳剣一郎 妖刀

風烈廻り与力・青柳剣一郎 妖刀 小杉健治 

 腕の立つ武士ばかりを狙う辻斬りが出た。亡骸の状態から妖刀雲斬丸だと考えられた。ある旗本からから盗まれ密かに探索を命じられていた。

 盗んだ者、盗ませた者、使っている者、順に判って来た時、盗ませた商家の主がと店者が殺される。
 辻斬りに息子を殺された安本が、復讐しようとしている。安本は青柳の若い頃の道場仲間だった。安本は刀を持つ御家人を殺した。剣一郎は、辻斬りに殺されたように見せ、殺したのは父親安本だ。犯人を殺してしまえば判らないと考えたと思った。盗み出した者を調べ聞き出す。安本にぶつける。安本は、青柳が見逃してくれるものと思い込んでいた。それによって、清廉潔白の青柳に染みを付けられると思っていた。剣一郎は見逃さなかった。剣一郎は刀を抜かなかったが、安本も剣一郎を斬れなかった。安本家は廃絶になる。
 養子になった善一郎は、言い様がないほどの悪だった。そんな息子に安本家を渡せないと考えた行いだった。

2024年6月6日木曜日

あきない世傳金と銀特別巻下 幾世の鈴

あきない世傳金と銀特別巻下 幾世の鈴 高田郁

暖簾 明和九年 1772年 
 桔梗屋の番頭から五鈴屋高島店の支配人になり、今は五鈴屋八代目徳兵衛となって十八年になる周助。九代目を考える時期になった。 周助は、元桔梗屋の旦さん95才を看ている。
 六代目の智蔵の息子が、紙屋伊吹屋の息子・貫太として生きていることが判った。紙屋三つ峰で手代をしている。五鈴屋縁の者だけが持つ小風呂敷を持つ貫太だか、伊吹屋を継ぐ、自分の父親は伊吹屋文伍だという貫太。周助は、九代目は賢輔にと思うが、賢輔は、幸と一緒になると言ってきた。周助は、九代目に譲ったあと、桔梗屋の暖簾を揚げ、太物商いをしようと思っている。

 菊日和 行人坂の大火で、「菊栄」も五鈴屋江戸店も、惣次こと保晴の井筒屋も蔵だけを残して被災した。菊栄も井筒屋も再建した。蔵の中の物を売って売り上げた。菊栄は、惣次から助言を受けている。今の惣次には情があった。菊栄はまた新しい物を考え出す。五鈴屋も協力し、売り出す。
 五鈴屋の再建をせず、御救小屋の施しをする五鈴屋に、隣の商家から値引きされた土地を提供された。店は大きく再建された。
 幸と賢輔は大阪へ旅立った。菊栄の実家・大阪の紅屋が潰れた。

 行合の空 播磨の国、赤穂郡の東端、揖西との堺に、結と忠兵衛と、桂・姉・十、と茜・妹・七が、旅籠「千種屋」を営んでいた。忠兵衛が重追放になって十年。子宝に恵まれたため生き抜いた。忠兵衛は病気から立ち直った時、執着を手放していた。結は、姉・幸にそっくりな桂を見ながら姉への嫉妬や憎しみに捕らわれ続ける。
 桂は泊まり客にお守りを作る。桔梗屋の白地に藍の浴衣地の話が聞こえてくる。結は唯一の財産・型染の枠を持ち出し見せる。仲買人は一笑に。やってきた忠兵衛は、貶めた限りは制裁をと昔の顔を覗かせる。商いの息の根を止めることなぞ、案外、造作ないことだと言った。
 茜と桂が麻疹に掛かった。生き長らえるのは難しいと言われる桂。桂と茜を、自分に照らし合わせて考える。桂は助かった。結は姉さん幸せでと願う。

 幾世の鈴 天明五年 1785年
 三兄弟に嫁いだことを意に介さず幸を慈しむ賢輔。九代目徳兵衛。 開店から百年。
 御上からの御用金の話は無くなった。しかし、賢輔は、尼崎藩に五百両を貸し付けることにした。手代や番頭が集まった時、何故出すのかという話になった。一人が、色々な縁が結ばれ商いは成り立つ。人さんに手貸せる時は貸して、借りる時は借りる。「万里一空」と言った。
 背負い売りをしている者が、伊勢に行く賢輔と幸に、播磨で手に入れた泊まり客のために作られたお守りを出した。良く守ってくれると噂で泊まり客が絶えないと言う。ひとつ鈴がついた可愛いお守りだった。
 伊勢での旅で、賢輔は百年後の店のために百年の店の来し方を書き残そうと話す。
「商い世傳」
 

2024年6月4日火曜日

神田職人えにし譚 相槌

 神田職人えにし譚 相槌 知野みさき

 雪の果て 仕立屋の参太郎の妹の守り袋を作った。妹・朔が無くした守り袋を一緒に探した。岡っ引きに拾われ朔の手元に戻った。咲は、昔妹・雪のお守りのことを思い出した。咲は熱を出し倒れた。やってきた修次に寝床に運ばれたようだが咲の記憶にはない。修次を父親と勘違いし、夢の中で父親の亡くなってからのことを話す。
 咲の熱のために雪の祝言は日延べになった。雪は大工・小太郎と一緒になる。祝言は、小太郎の兄・源太郎と一緒にする。源太郎は大工。祝言と同時に独立する。

  友誼 咲はしろとましろを友達と紹介する。しろとましろは、人と人の縁を結ぶのが仕事か。知り合った駕籠かき、典馬を紹介して欲しいと歳永が亥太郎を連れてくる。亥太郎は、典馬の父親・典正の友達だった。昔の恩を返すという。典馬は、新しい仕事を始めるので借りることにした。
 咲は昔馴染み、素と駿と合った。素とは、話があった。駿は、気楽な生活をしていて、人の噂話をし廻っていた。

 相槌 咲は典馬を通じて壱と出合う。壱は寺子屋の師匠、吉原の師匠もしている。咲は、修次と一緒に吉原の秋海の小物を作ることになっていた。壱は、読み書きは勿論、算盤、詩歌、将棋、囲碁、算術、本草学を教える。
 咲は修業先の親方の頼みで仕事場に通い、「小鍛冶」の童子の能装束の縫箔をすることになった。意匠も自分で考える。しろとましろは、小鍛冶の話を修次にする。意匠も咲のですることになり最後までやり遂げた。啓吾の嫁・千紗は、咲の駕籠かきやら錺師やらとの付き合いをみだりがましい仲と吹聴する駿に、下品な世間話は、店やおかみさんの評判を貶めやしませんかと言ったと伝えた。
 壱と一緒に吉原へ行った咲は、秋海に会った。秋海のはなしを聞き、秋海の簪を頼んでいる杏輔にはなす。秋海には身請けの話があった。杏輔は身請けすることにした。簪の注文を櫛に変え、秋海堂のまま櫛と櫛入れを作ることになった。二人でどんどん話が進む。杏輔は、秋海を身請けし、祝言を挙げた。

2024年6月2日日曜日

新・秋山久蔵御用控〈十八〉 流人船

 新・秋山久蔵御用控〈十八〉 流人船 藤井邦夫 
 
 真似事 常磐津の師匠が殺された。出入りの小間物屋・巳之吉が疑われる。巳之吉が姿を消し疑いが濃くなるが、巳之吉は浪人に監禁されていた。犯人は小間物屋の主・吉五郎だった。吉五郎は小間物の行商をしていた頃、殺人犯にされかけ死罪になるところ秋山に助けられたことがあった。

 流人船 十年前、博打打ちの貸元や用心棒を斬ったため遠島になった高岡又四郎が、島で死んだことが伝えられた。秋山は、妻・そのの不穏な動きを見張る。水野が欲しがる「五石散」を手に入れたそのは、水野に逢う。十年前、貸元を殺すよう金を出したのは水野だった。そのは水野に突きつける。現れた秋山に捕まる。水野は切腹、そのは高岡が死んだ島に流される。

 由松命 女郎を経て、隠居の妾の後、自由になり料理屋の仲居をしているすみが殺された。すみの左腕に「由松命」と彫られた古い入れ墨があった。由松はすみの由松を探す。子供の頃年季奉公に出され小女として扱き使われていた頃、腹を空かせたすみに、近くの豆腐屋の小僧が、自分で握った塩結びを分けてくれた。小僧さんとは会えなくなったが、由松命と彫り、いつも一緒だと励ましていたと聞いた。由松は豆腐屋を逃げていた。由松命は由松自信だった。
 すみは、盗賊の万蔵から逃げた長吉が、昔の馴染すみの所に逃げ、追ってきた万蔵に殺されていた。秋山は夜桜の万蔵を捕まえた。
 由松はすみの遺体を引き取り、秋山のつてで墓を建てた。

 茶番劇 呉服屋の主人から若旦那を殺されたくなければ百両用意せよと書かれた手紙を見せられた。百両を持ち渡しにいく喜多八を憑ける。喜多八が殺されそうになる。最期に行き着いたのは、若旦那の遊び仲間のところだった。そこに若旦那が来る。
 呉服屋の主人は・重過料の刑。若旦那と仲間は遠島、犯人に仕立てられそうになり、命を取り止めた喜多八は放免された。