2018年8月31日金曜日

神の時空 厳島の烈風

神の時空 厳島の烈風 高田崇史
 華岡歳太・警視庁捜査一課警部補はまた辻曲家に行く。どこかおかしい兄妹だち。
 広島の宮島で何かが起きていることを知った辻曲彩音は、また、磯笛たちが何か事を起こしているのではないかと考え、ヌリカベの福来陽一と広島に行く。
 観音崎栞22才、実家は宮島で旅館を経営していた。しかし、栞は何も知らないで宮島に遊びに来る観光客が嫌いだった。
 殺人が三件、首つりが一件、鳥居や社殿が壊されてゆく。
彩音に高村皇が声を掛けてきた。何故、この国を破壊しようとするのかと言う彩音の質問に、本来の厳島の姿だと言う。
 彩音は了と巳雨に火地晋の所に行き、厳島神社について話しを聞いてきてもらう。火地に厳島は全てが怨霊封じの結界を形作っていると言う話しを聞き、仕掛けを聞き、見事な封印だと納得する。彩音に連絡。
 彩音は栞を探し出し、六つの神社と大鳥居が壊されその後にもっと恐ろしいことが起る。食い止めるために協力して欲しいというが、栞に拒否される。不明門は山から下りてくる神の立ち入りを禁止している門、厳島神社のことは何でも知っていると思っている栞に、彩音は二重に本殿を封じ込めている話しをする。一緒に市杵嶋姫命を鎮魂して元の場所に納まって貰うよう協力を要請する。見ている間に厳島神社が壊されて行く。武彦がボートを出し、大鳥居の下に行く。彩音は御魂を斎戸に鎭むる祭を唱え、栞は巫女であったお祖母を思い浮かべながら祈る。栞は大鳥居の中央で本殿と対峙し、市杵嶋姫命に語りかけ気を失った。病院で気がついた。天気は回復していた。栞は元々島に住んでいた鬼や天狗の子孫。栞の祖母・夕が陽一に教えたこと。防ぐことが出来るのは自分たちの子孫しかいないと。
 殺人犯は巡査部長の松田と守島ゆかりだった。二人は高村の仲間だった。ミツは結界が壊れると騒ぐ為自殺に見せかけて殺した。孝さんはミツを手伝うと言っていたから。源蔵は松田とゆかりの打ち合わせ現場を見たから。観光客は長濱神社を壊していたゆかりを見たから。
 栞は何も知らなかった。もっと厳島のことを勉強しようと思った。栞は島へ帰って来ることにした。
 了と巳雨が京都に来ていた。伏見稲荷が危ない。

2018年8月30日木曜日

喜連川の風 明星の巻〔一〕

喜連川の風 明星の巻〔一〕 稲葉稔
 弘化二年 1845年
 天野一角43才は同心・小島久五郎の娘・雪乃31才と昨年再婚した。息子・清助15才は母と呼ばず拒否していた。
 江戸屋敷が火事になった。二年前に近習頭・町奉行から家老職に昇進した伊豆守が、天野一角に作事頭と江戸に行くように言う。一角は息子・清助を連れて行く許可を貰う。
 江戸で清助は、人を殺して逃げている助五郎に勾引かされる。助五郎は清助の刀が欲しかった。助五郎が相談した昔の仲間は一角の長屋に金銭を要求する投げ文を入れた。一角は、清助を助け出す。清助は捕まっている間母のことを考えた。
 留守居役・金崎忠蔵と添役・中原酉三郎に挨拶し普請の手伝いをする。中原は尊大で苦虫を噛みつぶしたような顔を清助に向けた。
 中原の懇意にしている職人が賂を使っていることが発覚。職人に過分の金を払い後で職人から戻させている。他家との会合と料理屋に行くが、相手がいないことがしばしばある。金崎は国許での吟味を口にするが、一角は4人しか知らないこと、ここで決着をつけようとする。優秀な子息の将来に影響する。金崎は心を入れ替え政務に励むこと、使った費えは月々藩費に足すこと、を言い渡した。
 清助は一角にお金を借りる。雪乃に簪のお土産を買った。家に帰りすぐ母上と呼びお土産を渡した。

2018年8月28日火曜日

地に滾る 

地に滾る あさのあつこ
 単行本を読む。
 雑誌NONを読んでいたため新しい場面は少しだった。
 天羽藩下屋敷の情報を得るために近付いた石田は、利用され殺された。左京が選んだ料理屋は天羽藩が使っている料理屋だった。石田は大切に思っている側室が側用人・四谷半兵衛にひどい目にあっていると吹き込まれ、四谷に刃を向けた。四谷たちは狙われたと言う事実が欲しかった。石田は殺された。四谷たちは藩改革に立ち上がった。
 伊吹籐士郎と柘植左京は、下屋敷に入り込み、反改革派に命を狙われたと言う四谷に「人の命を虫けらのように扱う者に清新な政などできるはずがない」と言い切る。
明後日、天羽に帰る殿に同行を命じられる。

2018年8月27日月曜日

警視庁特別取締官③

警視庁特別取締官③ デラシネの真実 六道慧
 かいぼり作業中の池で発見された道具箱に納められた白骨、ヤドリギ、テナガエビ。特別取締官の美咲と晴人は周辺地域の身寄り無き老人の相次ぐ失踪に気付く。
 戸籍の無い若者と老人との生活。亡くなった老人を亡くなったと届けられない若者の取った行動だった。
 ②から引き継いだ窃盗団・ルーフトッパー団の取り調べが行われ、昆虫・動物の密輸が浮かびあげる。捕まえていた犯人グループの一人・山根行雄を、囮のようにし、殺されてしまう。犯人を挙げる為の現場検証、生物博士の肩書きを持つ晴人の父・乙彦のお陰で動物ブローカーが出頭し、密輸相手が一緒に窃盗団を追いかけていた警察の課長・菅沼だった。窃盗団にも家宅捜査の日時を漏らしていた。山根行雄を殺したのも菅沼かと思われたが、逃がすつもりだったが山根は落ちたと言う。動物ブローカーは山根の父親だった。逮捕覚悟で現れたのだった。
 戸籍のない若者・土橋和真は戸籍取得できることになった。母は前夫のDVから逃れ、土橋と出会い和真が生まれ、三人で前夫から逃げ回り父がいなくなり母がいなくなった。和真は二人とも殺されたと思っていた。前夫は土橋殺人容疑で捕まった。監禁状態で母は生きていた。和真は死体損壊と遺棄の罪に問われるが、執行猶予されるだろう。

2018年8月26日日曜日

警視庁特別取締官② 

警視庁特別取締官② ブルーブラッド 六道慧
 特別取締班に制服警官が一人増えた。加藤蝶子54才 十年前に離婚が配属された。
 指定暴力団員の家宅捜査で有毒な絶滅危惧生物が多数発見された。特別取締官・星野美咲と生物学者・獣医・鷹木晴人は販売ルートを探る。家宅捜査を受けた社長・伊丹晋作は毒によって死んだ。三ヶ月前にも明石組の若頭・藤井典明も毒で死んでいた。犯人だと思われた小室慎吾が自死しようとした。
 藤井の遺品の指紋の付いていないハンカチの血液に注目する。カブトガニの血液、どうやっていつ付いたか。それによって犯人が判明する。犯人は伊丹の妻・友子だった。毒はフグ毒だった。友子は調理師であった藤井に近付きフグ料理をさせ、毒を手に入れた。夫を殺す前に試しを藤井で行った。伊丹の痩せ衰えを見ていられなかったから。すべてを片付けて自分も死のうと毒を冷蔵庫に保管していた。

2018年8月25日土曜日

おらんだ忍者医師了潤② 

おらんだ忍者医師了潤② 秘めおくべし 浮穴みみ
 伊賀忍者の末裔であり医者であり郷田久秀の抱え忍び・笹川了潤は久秀の命で松浦武四郎を見張っていた。手記を書いた物の中に「秘めおくもの」の表題を見た。
 松浦武四郎は手記を奪おうとする二人の侍に襲われるが、二人の侍は毒矢を使う正体不明の一団に襲われる。
 町奉行所同心が商家の蔵で死んでいた。了潤は窒息死と判断した。水の無い所で溺れ死んだ。
 了潤は蝦夷地を支配したいと考えている久秀の命令で蝦夷へ行く。アイヌの忍者集団「モモンガ」と松前藩の草の集団が争いながら公儀隠密の進入を阻止していた。アイヌの忍者集団は多国籍だった。頭はレナ。松前藩の草の集団は資金が必要ということでアヘンを作り、いろんな機械を作る。窒息死させる機械も。頭は蠣崎膳蔵。レナと膳蔵は協力して蝦夷地を北の理想郷にしようと密約していた。
 了潤たちが江戸へ帰った後、毒矢を射られたレナは姿を消した。忍者集団がいなくなった。膳蔵たちの芥子畑も無くなり、膳蔵は裏切り者として殺された。
 了潤は二人を繋いだのは松浦武四郎だったのではないかと思った。
 了潤は長崎へ行くことになった。

2018年8月24日金曜日

京都三条のホームズ3

京都三条のホームズ3 望月麻衣
 〜浮世に秘めた想い〜
 忍ぶ想い 家頭清貴・ホームズの父親・小説家・蔵の店長・武史に、友達・西田が見合い話を持ってくるが、亡くなった奥さんを愛しているからと断る。蔵のオーナー・家頭誠司は店に平兼盛のしのぶれど・・・人の問ふまでの和歌の書を掲げた。
 歌舞伎美人の恋慕 真城葵とホームズは知り合いになった歌舞伎役者・市片喜助の出演する顔見せを見に行く。夜の部では襲名披露が行なわれる。二人は喜助が元宝ジェンヌ・朝宮麗と付き合っているのを知っている。週刊誌ではグラビアアイドルと噂になっている。喜助は別の女性と婚約発表した。喜助がワイヤーアクション中に舞台へ落下した。楽屋でホームズは、事故と脅迫の犯人が喜助の師匠・藤三郎の妻・あやめだと見抜く。喜助とあやめの関係が暴れ、藤三郎は誤る喜助に歌舞伎界に身を捧げよと言い、あやめ行くぞの一言で控室を出る。
 二人は先斗町で食事をする。葵はホームズに勉強を見てもらっている。成績が下がりアルバイトを辞めるように言われた葵のために。
 聖夜と涙とアリバイ崩し 葵の定期試験の点数が上がり、順位も過去最高になった。アルバイト先・蔵のオーナーの孫・現役京大院生に勉強を見てもらったことを話す。お礼のためホームズを葵の家に呼ぶ。
 ホームズは西田が北山通りに出すカフェの客寄せパンダをすることになった。西田の店でホームズは元彼女・和泉と会う。ホームズが高校時代大事に扱った彼女だった。大学に入った途端合コンで知り合った大阪の男に靡く。婚約まで行ったが彼が浮気性のため破談んいした。見合相手と婚約したが、元彼女が現れ、婚約パーティの日に抜け出して来てくれたと和泉に告げた。和泉は本当かどうか暴いて欲しいという。
 上田の店は盛況だった。閉店後、和泉と婚約者・橘、葵とホームズが集まる。ホームズが仮説を並べる。が、橘は認めない、終わったことだと言う。葵は不誠実だ、大好きな人でも誤魔化されたら信じられない。何もかも嘘に感じる。そんな人と結婚生活は送れないと力説する。和泉も出会った時に惹かれたが、信用出来ない方と人生を共に出来ないと言った。橘は始めから彼女との関係を話す。ホームズと葵は席を外す。
 ホームズは葵にクリスマスプレゼントを渡す。京都植物園の年間パスポートと京都市美術館友の会のカードだった。
 祇園に響く鐘の音は 葵はホームズと新京極八社寺詣りをして家頭邸の大晦日パーティに行く。俳優として人気の出てきた梶原秋人も一緒に。ホームズの企画は暗号文を解いて宝探しゲームだった。見付かる間際に現れたのは円生だった。円生はホームズに真贋判定ゲームをさせる。終わると出て行く。二人は過剰反応する。
 三人は除夜の鐘を聞きながら八坂さんに行く。
 

2018年8月23日木曜日

わが家は祇園の拝み屋さん4

わが家は祇園の拝み屋さん4 望月麻衣
 椿の花が落ちるころ
 年末年始、小春の両親が京都へ来た。始めて正月を過ごし両親は二日に東京へ帰った。
 三日、小春の元に元管狐今は狐神になった白狐が来る。コウメと名付ける。
 吉乃の実家・賀茂家の新年会に行く。コウメも付いてくる。庭で吉乃の昔を見た。
 宴会場で三人は上座に着き紹介される。庭の椿を見、玉椿の夢を見る。前世を見る。
現世に現れた若宮は、前世を思い出す小春に、自分を見失わないで下さい。「今」が大事です。と言う。そして吉田山の大元宮に澪人と一緒に運んで欲しいと頼む。
 4組の三善朔也が小春に近付く。
 ネットで仕事を請け負い無料でお祓いをする祓い屋が跋扈する。
 「オカルト研究会」改め、「ミステリー研究会」が中庭の塔の奥に部室を移動した。
 澪人がまた一緒に住み始めた。
 澪人と小春は若宮を大元宮に連れて行く。若宮は天に登る。里帰りらしい。
 小春はバレンタインチョコを澪人に渡しながら告白するが、澪人は、「偽物」の気持ちだと否定した。小春は泣いた。
 小春は玉椿の夢を見た。玉椿は順調に斎王の仕事をこなしていたが、中秋の名月の日が土砂降りになり引退させられた。山荘に戻され、左近衛大将と結婚させられる。穢れた人思う玉椿は宮様に会えないと泣くばかりだった。左近衛大将は澪人の兄・和人だった。
 小春は人の心を読む力が無くなった?若宮やコウメの姿を見ることは出来ない?疎ましかった力だったがどう仕様もない喪失感が襲う。
 澪人の白昼夢、待ち望んだ喜びの日、彼女はただ泣き続けた。左近衛大将は澪人?

2018年8月22日水曜日

わが家は祇園の拝み屋さん3

わが家は祇園の拝み屋さん3 望月麻衣
 秘密の調べと狐の金平糖
 小春は祖母・吉乃のような拝み屋さんになりたいと決意表明をする。
 澪人は助かった命、「今までの自分が絶対にしないことをやってみよう」と思っていた。澪人は身体の芯が無くなったような気がしていた。澪人は宗次朗によって立直って行く。
 学校の文化祭で小春のクラスは甘味処いちのくみを出した。
 拝み屋になりたいという小春の気持ちを知った澪人は、祇園のさくら園に下宿し、小春の指南役になる。
 図書館で四十年以上前の吉乃の卒業記念作品の観覧車のオルゴールを見た。吉乃の初恋と失恋を知った。吉乃から祖父・茂のことを聞く。祖父は護りだった。茂の先祖に龍神の血が入っている。祖父の四十九日が過ぎ、護りが無くなり小春の力が表に出た。
 吉乃の昔からの友人・大谷の家の孫だけに見えるワンワンを調べに行った。白い狐だった。住人の幸せを願う守護している狐だった。インターネットで頼める祓い屋によって爆破されたと思ったが、若宮に助けられた。祇園の辰巳稲荷の狐の仲間に入れてもらった。
 小春は夢でりりゅうの夢をみる。宮様・りりゅう様は若宮の成長した姿だった。
 年末、澪人は家に帰った。
 

2018年8月20日月曜日

闇の用心棒⑧ 地獄の沙汰

闇の用心棒⑧ 地獄の沙汰 鳥羽亮
 深川の一膳飯屋「極楽屋」、刺客・安田平兵衛・片桐右京の元締めの店の常連客が襲われる。殺し屋が極楽屋を襲う。三年前に縄張りを奪うべく襲ってきた品川弥左衛門を始末した。弥左衛門の縄張りを継いだ団蔵が敵討ちと縄張りを奪う為だった。
 菊次郎を失ったが、殺し屋は壊滅させた。

2018年8月19日日曜日

「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす

「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす 佐光紀子

2018年8月18日土曜日

風の市兵衛①②③ 

風の市兵衛①②③ 
 雷神 帰り船 2014年4月参照
 テレビドラマ化によりもう一度

2018年8月15日水曜日

おとなりの晴明さん 第〈二〉集

おとなりの晴明さん 第〈二〉集 仲町六絵
 〜陰陽師は初夏に縁を導く〜
 知るも知らぬも逢坂の関 滋賀の幼馴染み・里奈から鼠に困っていると連絡が来る。桃花は晴明に相談する。晴明は瘴気を感じ、桃花が描いた桃の花の絵で呪符を作り、蝉丸神社に行く。フクロウに変身した桃花は破邪の呪符を神使いに渡す。琵琶と太鼓の精は元気の元の姿に戻り蝉丸の元へ帰った。琵琶と太鼓がかき鳴らしていたひっかいたように音は無くなった。
 手つくり市 月に一度の「平安京サル会議」に晴明に連れられて桃花も行く。からくさ図書館の篁と時子、一言主神が来る。
 百万遍の手つくり市の茜が出す「かんざし六花」に桃花と友達の絵はがきを置いてもらえることになった。片付け要員をする。桃花のホタルの絵ハガキが売れた。茜のヒマワリの簪を買った人から受け取った封筒の中身は何枚かの葉っぱだった。お代は青花紙のレシピ、ハガキノキの葉に書いてあった。からくさ図書館で百物語をする時の行灯を作るらしい。
 蛍ほろほろ 山縣有朋の別荘・無鄰庵に蛍を見に行く。草木有情丁の大羽根に合う。動物の魂の回収をしていた。
 とうふ小僧の初夏 とうふカフェでとうふ小僧と会う。元気が無い。とうふ小僧は豆腐の漢字を使うな、珈琲を出すと香りが沁みると言うが相手にしてもらえない。晴明は山野家の双子を呼ぶ。直史とまどか20才にとうふ小僧のことを「ふたごの京都妖怪日記」に書いてもらい元気にした。一冊本にして店に持って行く。珈琲のことはすぐに考えてくれるそうだ。
 恋と七夕 冥界の三位安倍晴明が二位の大師に頼まれ七夕の日に地主神社に行く。人から発散された想いが泡魂になる。淡魂を吸い込んだぐい飲みを鎮めるために哲学の道へ行く。晴明は今様の綾藺笠を謡い鎮めた。

2018年8月14日火曜日

長屋道場騒動記〈一〉

長屋道場騒動記〈一〉 迷い熊帰る 芝村凉也
  神田の老舗菓子店「恵比壽屋」の裏の道場に旅姿の浪人が現れた。浪人は十年前に武者修行に出た一人息子・間野生馬と名乗る。髭面の熊のような大男だった。道場は焼け出された長屋の住民の住み家になっていた。
 昔、恵比壽屋は夜烏の喜平次一味に襲われた。生馬の父・源心が喜平次一味を捕らえた。恵比壽屋は道場を建て恵比壽屋を護ってもらった。源心は三年前に亡くなった。
 生馬も恵比壽屋を見張る普請な者の存在に気付き、留守になることを言いふらし盗賊を待っていた。夜中に起きた恵比壽屋の娘・君が現れ、盗賊が店に押込んでから捕らえるつもりが、まだ戸が開けられた時に出て行かなければならなくなった。二人を捕まえ、一人は仲間に殺された。重要人物は逃げた。押し入ったのは二代目喜平次一味だった。
 道場の住人の子供二人が勾引かされ、君と生馬が呼び出される。生馬は怪我を負うが子供を助け、君も無事帰った。頭目の喜平次、浪人二人は生馬が斬り、二,三人は捕まり夜烏一味はほぼ壊滅した。が、喜平次の右腕・喜平次を崇めていた銀次の行方が判らなかった。
 恵比壽屋・与惣兵衛は道場を再開し、恵比壽屋を護ることを願った。生馬は道場に住む人たちを追い出さないよう願い、受けた。

2018年8月13日月曜日

口入れ屋用心棒㊶ 群青色の波

口入れ屋用心棒㊶ 群青色の波 鈴木英治
 湯瀬直之進は庄之助の影に呵まれ、精彩を欠く。倉田佐之助は直之進のために庄之助の正体を探る。本名・雪谷鈴太郎、妹・蔦代。御家人だったが島流しになったことが分かった。
 商家が強請りに合い、二千両取られていることが分かった。樺山は庄之助が仲間と強請っているのだと思った。強請に屈しなかった材木商は娘を誘拐され、一万両取られた。
 一万両を寺に運び込む所を、倉田は見た。

2018年8月12日日曜日

口入れ屋用心棒㊵ 赤銅色の士

口入れ屋用心棒㊵ 赤銅色の士 鈴木英治
 米田屋琢ノ介が木刀で襲われた。瓦版屋かわせみの若い者の強請を止めたいしゅがえしだと思った。
樺山富士太郎に繋ぎをとって、かわせみの若主人・庄之助を調べていると言っていた岡っ引き・金之丞がころされる。富士太郎は庄之助を調べる。
 琢ノ介のことでかわせみ屋に行った直之進は、庄之助と木刀で試合をし、完敗する。

2018年8月11日土曜日

蔦屋重三郎事件帖二 謎の殺し屋

蔦屋重三郎事件帖二 謎の殺し屋 鈴木英治
 老中・松平定信は贅沢を禁じた。公儀をおもしろおかしく批判する読物を禁じ始めた。
 蔦屋重三郎が襲われた。重三郎は平沢平格・朋誠堂喜三二・月成に用心棒をしてもらいながら襲撃者を探す。薬の匂いが頼りだった。洛東周五郎という浪人だった。妻の病気の薬代のために殺人を請け負っていた。でも殺したくなくて逃げた。絵の上手さを見込んで生活費を蔦屋が見ることになった。名前を東洲斎写楽と付けた。
 周五郎に殺しを頼んだのは、重三郎が厳しくなった取り締まりに手心を加えて貰おうと賄賂を贈った役人・桜井外記だった。周五郎は貰った金を返した。平格は髷を切った。命を狙わないことを約束させた。
 倉橋寿平・恋川春町が松平定信に屋敷に呼びつけられた。寿平は行かないと言っていた。寿平が亡くなったという知らせが来た。

2018年8月10日金曜日

京都寺町三条のホームズ

京都寺町三条のホームズ① 望月麻衣
 真城葵 17才 大宮市から京都に引っ越して七ヶ月「蔵」でアルバイトをすることになった。
 前の高校で付き合っていた恋人がすぐ葵の友達と付き合うようになっていた。埼玉までの交通費を貯める為にアルバイトを始めたが、行く気が無くなったころ就学旅行でみんなが京都に来た。私のことは気にせず仲良くしてね。と泣きそうになりながら言った時、家頭清貴が迎えに来てくれる。葵は救われる。
 家頭清貴 22才 京都大学大学院1回生。通称ホームズ。京都三条河原町にある骨董品の店「蔵」の店主の孫。
  
 ホームズと白隠禅師
 願わくば桜の下にて
 葵の頃に
 百万遍の願い
 鞍馬山荘遺品事件簿
 祭りのあとに

2018年8月9日木曜日

孤独なバッタがむれるとき

孤独なバッタがむれるとき 前野ウルド浩太郎
 サバクトビバッタの相変異と大発生
 孤独相 群生相 
 色 緑と黒、身体の大きさ、卵の個数と大きさ

2018年8月6日月曜日

わが家は祇園の拝み屋さん2

わが家は祇園の拝み屋さん2 涙と月と砂糖菓子 望月麻衣
 甘酸っぱい涼菓と、想いの裏側 櫻井小春は京都の高校に行くことを決め、両親に話しに東京に帰った。両親の声を聞き、話し出せない。友達の本当の声を聞いてしまいがっかりする。
 両親に目を合わせると人の心の声が分かるようになったことを話した。お祖母ちゃんも宗次朗も普通に接してくれるから京都の高校に行きたいと話す。
 弟・澪人に頼まれた杏から誘いがあり食事をする。小春は杏に何があったか話す。小春は杏の力・人を元気にさせる力を感じる。
 小春は父の少年時代に会う。
 宗次朗の作った涼菓を食べる。父は弟・宗次朗を理解したようだ。小春が京都の高校に行くことも了承された。
 塔の上の少女と栗茶巾 二学期から小春は高校に行き始めた。高校の元寮の塔に少女の幽霊が出る。噂は小春の同級生・水原愛衣が塔で自殺した母のことを知りたくて母の同級生・担任の早乙女典子に仕掛けたものだった。母のことを何も知らない愛衣が典子と澪人から妊娠、出産、自殺と聞かされる。小春は龍の若宮に頼み、愛衣が母・葉子の霊が見えるようにする。小春は葉子の言葉を愛衣と典子に伝える。
 涙と決意と砂糖菓子 十月 澪人から特別な力の仕組みを習う。澪人の家・賀茂家に行く。小春は澪人を好きになっていたが、澪人は小春が妹になってくれたら良いと言い。結婚は好みや感情は後回しだと言い切られた。
 澪人は陰陽師仲間と妖し退治に行くが、妖しではなく神の先槍だった。気付くのが遅く、他の人を守り、澪人が一身に受け、障りを受けた。誰にもどうしようもないようだ。小春は若宮に縋る。澪人は生まれた時、二十歳までに死ぬを言われた。だから人の為、賀茂家のために生きてきた。若宮は澪人自信の力が無くなってもいい自分は生きたいと言う言葉を引き出し、宗次朗の力を借りて神の怒りを鎮めた。二日眠り続け回復した。力を無くなっていない。小春と神泉苑に行く。澪人は生まれ変わり自分を大切にどう生きて行くか考える。小春はお祖母ちゃんのような拝み屋さんになろうと思った。

2018年8月5日日曜日

大江戸女医なぞとき譚 お悦さん 

大江戸女医なぞとき譚 お悦さん 和田はつ子
 妊婦と赤子を一流の医術で救う女医・悦。助産に限らず蔓延する流行病も治す。
 間違った腹帯の巻き方、麻疹に対する間違った考えを正そうとする。
 亡くなった父が医者だった佐伯賢作は、遠縁の典薬頭今大路親信に悦の清悦庵で働くよう紹介される。賢作は頭になるつもりでいた。
 蕎麦屋での突然の悦のお産を目にして、賢作は弟子入りを志願した。
 悦と今大路親信とは、昔、身分違いで結婚しなかった二人のようだ。
 サナダムシの駆除をする。
 同門の者・久里が殺され、賢作に嫌疑がかかる。殺したという同門の者・杉浦が切腹しかけた。悦は杉浦が刺す前に久里が死んでいたことを証明し、杉浦の命を救った。
 蜂蜜に含まれたトリカブトの毒を見抜き、酢で毒消しをする。
 仲が悪い海産物問屋中島屋の一人娘と向いの海産物問屋南海屋の惣領息子が恋仲で、近所のもう1軒の海産物問屋北斗屋の息子が仲良しを装って二人に阿芙蓉を飲ませて殺そうとしている陰謀を、賢作と悦は阻止する。中島屋の娘の所に南海屋の息子が養子に入り、次男が南海屋を継いだ。
 悦の患者で見せ物小屋に奇病を持った者がいた。相方・蝶が殺された。蝶は孤児を育てるため、強請をしていた。賢作は強請られていた人を廻る。蝶を殺した犯人・遊行好きなやぶ医者は毒を盛られて殺されていた。孤児たちの働き口を見付ける。
 悦が看ていた臨月の妊婦が産婆を替えて亡くなった。双子だった。悦と間違えてみ乃が勾引かされる。み乃と交換で悦が行く。大奥だった。双子の女児を出産後、出世を目論む付添人は殺し合いを始める。止めに入った悦も刺される。二人の女児と側室は祖母の元に行き、殺し合いを始めた医者は死んだ。将軍も承知で悦は部屋を与えられ三日三晩生死の境を彷徨った。親信と賢作が治療と看病をした。
 賢作は梅毒の患者を知る。梅毒の子への伝染を知る。
 梅毒持ちの坂本屋利兵衛が毒だ殺されそうになる。新しい定町回り・小沢輝助が、大番頭の多吉を捕まえる。輝助は利兵衛の息子だった。大店の娘だった希代に取り入り子供ができた。店を広げる為に借金をしたところで、利兵衛は蔵の宝を盗んで逃げた。両親は亡くなり、母子は復讐だけを糧にして生きてきた。利兵衛は未だ死んではいない。二人は爆発物を使う。母子は亡くなったが利兵衛は生きている。利兵衛は懺悔している。懺悔して命乞いをする。賢作に十七、八年前の医者の身重の新造を手込めにしたことを話した。賢作は父が母から死んでいる赤子をとり出したことを思い出した。母は自害した。父は大名の側室の堕胎を命じられ断ったために闇討ちされた。
 年の暮れ、利兵衛は死んだ。
 医者の兄から戻って来るように言われるが、賢作はみ乃にみ乃と一緒に生きて行きたいと思うと言う。正木敬斉医師よし娘婿にと言われたが断る。親信も将来、典薬頭を賢作に継いで貰おうと考えていることを悦に話す。

2018年8月3日金曜日

鎌倉河岸捕物控三十二の巻

鎌倉河岸捕物控三十二の巻 流れの勘蔵  佐伯泰英
 亮吉の怪我は治りつつあり、九代目宗五郎が江戸に着くまでに金座裏に帰ることが出来た。菊と一緒になることが決まった。
 板橋の十手持ち仁左親分が板橋で子供の勾引かしが、知らないうちに三軒金銭と引き換えに成功し、江戸に入ったことを知らせに来た。
 同心・寺坂毅一郎が、八州方の影同心から捕まった流れの勘蔵の娘・熊、その娘二人を中心に元子分が江戸に入ったと知らせてきたという情報をもたらした。
 誰かに見られてるような気がするという京屋の娘・香保に政次は弥一を付け、回りを調べる。熊の娘の影が見える。亮吉が舟で移動しる熊を見付け、宿にしている弁罪船をはる。香保を船に連れ去った時、流れの勘蔵一味を捕まえる。捕まえたのは八州隠密回りで、仁左も加わる。
 宗五郎等が帰って来た。宗五郎は長火鉢の前の席を政次に譲った。
 

2018年8月2日木曜日

あきない世傳金と銀〈五〉 転流篇

あきない世傳金と銀〈五〉 転流篇 高田郁
 桔梗屋を五鈴屋に取り入れる。卒中で倒れた桔梗屋は親旦那さんと呼ばれ桔梗屋の奥で養生している。手代と丁稚が店を行き来している。
 幸の母・房が亡くなり、妹・結が店に住むようになる。
 幸は流産する。
 智蔵が亀三に反物を送り、浄瑠璃の忠臣蔵の人形の衣装に仕立てられた。
 幸の思いつきで帯地を集め、着物に合わせて帯を売る。真澄屋が帯の真澄屋で引き札を出す。
 鈴の模様を刺繍した布を使い、裏表が使える帯を考案した。五鈴帯と名付ける。
 忠臣蔵を歌舞伎ですることになった。五鈴屋が衣装を頼まれる。お軽が「五鈴帯に表と裏があるように」という台詞を言う。
 佐七と賢吉を江戸の調査に出す。
 智蔵が幸に、江戸では女でも主になれる。江戸にでてみないかと言う。
 智蔵が倒れた。

2018年8月1日水曜日

孫連れ侍裏稼業③ 脱藩

孫連れ侍裏稼業③ 脱藩 鳥羽亮
 伊丹茂兵衛は、辻斬りに遭い殺された薬種問屋太田屋の息子から犯人を殺して欲しいと、口入れ屋福多屋の主人・富蔵を通して頼まれた。
 茂兵衛は、出羽国亀沢藩士だったが、息子夫婦を殺され、孫・松之助10と共に敵を追っていた。敵は元亀沢藩士、岸崎虎之助と小柴重四郎の二人だった。亀沢藩の目付けが茂兵衛に、二人の雲仙流の遣い手が脱藩し岸崎たちと合流するかも知れないと知らせてきた。雲仙流を江戸で広め、剣で身を立てたいと思ってのことだった。増沢剛蔵は自ら工夫した首薙ぎの太刀を遣う。
 斬り口から辻斬りの犯人が、増沢と笹野と判明した。亀沢藩では犯人が捕まる前に始末したいと考えた。亀沢藩の大目付は茂兵衛に協力を要請した。
 茂兵衛の仲間・柳村錬三郎と弥助、亀沢藩の目付けたちで増沢等を探す。岸崎たちと行動を共にしていた。増沢と笹野は斬った。敵の一人・小柴重四郎も斬られ松之助が敵を討った。小柴は国許の誰かに茂兵衛の息子夫婦を殺せば、ほとぼりが醒めれば徒士頭になれると言われていた。岸崎は逃げた。
 松之助は稽古をする。