2021年2月27日土曜日

脳科学捜査官真田夏希⑤ 

脳科学捜査官真田夏希⑤ ドラスティック・イエロー 鳴神響一 

 十二月十四日 真田夏希は友達に誘われて行った船上婚活パーティー終わり頃、埠頭で爆発が起こったのを見た。
 十二月十五日 犯人と思われるレッド・シューズを名乗る者から、横浜のカジノ誘致を撤回せよ。撤回しなければまた爆発する。というメッセージがSNSで届いた。
 夏希はかもめ*百合の名で犯人との接触を図る。
 昼、マリーナのテトラポットで爆発が起こる。
 横浜カジノ推進する会社の専務・石川が誘拐される。
 ホテルの庭で爆発があり、怪我人一人出る。
 織田理事官が現れる。

 夏希は電話で犯人と話す。犯人は石川の自動車にはねられ亡くなった娘の親・平塚だと思われた。夏希は平塚とレッドシューズの印象が違い過ぎると思う。

 真田は犯人の要請によりアルバムと石川の身柄交換に臨む。アリシアと共にボートでクルーザーに近づく。アリシアは爆発物を探知し、ボートはクルーザーから離れる。クルーザーは爆発した。石川と平塚の遺体が見つかる。

 二十一日 婚活パーティーで知りあった脇坂とデート中、レッド・シューズが脇坂であることを確信する。アリシアを連れた小川と上杉に助けられる。



織田理事官 小早川秀明管理官 佐竹義男刑事部管理官 黒田友孝刑事部長 福島正一刑事部捜査第一課長 京極高子横浜市長 加藤巡査部長 石田三夫巡査長 島津冴美特殊犯捜査四係主任

2021年2月25日木曜日

吟味方与力望月城之進(二)

 吟味方与力望月城之進(二)翻りの訴  小杉賢治
    細腕仇討ち哀歌

 骨董屋「清和堂」の主人・七兵衛が殺された。七兵衛の後添い・そのが下手人として捕らわれた。そのは七兵衛が亡くなった夫・増吉の仇だったと言う。城之進は二年前の増吉の死を調べる。

 二度目の吟味ではそのが自分は無実だと言う。犯人は鼻の横にほくろがある半治だと言う。

 半治は首を吊って死んだように見せかけて殺されそうになるが、舞阪源三郎に助けられ、保護される。七兵衛が増吉殺しを頼んだという実行犯と思われた安蔵も殺される。そのを逮捕した同心・会田新次郎は、そのが自分がやったと言ったために現場の調べを怠っていた。後の調べも手札を渡している岡っ引き・権九郎任せだった。城之進は十年前に遡って七兵衛のことを調べる。
 
 半治の次に疑いがかかった増吉の友人・伊太郎が殺されそうになる。殺そうとしたのは権九郎だった。助けたのは源三郎だった。番屋で話を進めても会田新次郎は源三郎の言うことを信用しない。現れた城之進が、七兵衛が盗賊だったこと。権九郎も知っていたこと。を明らかにする。権九郎は七兵衛を脅しながら金を貰い、手下のように使われるようになっていたことを白状する。権九郎がほくろを付けた安蔵に七兵衛を殺させていた。安蔵も殺させていた。

 清和堂は七兵衛の前妻の弟が継ぐことになった。

 

2021年2月23日火曜日

新酔いどれ小籐次〈十九〉 青田波

新酔いどれ小籐次〈十九〉 青田波 佐伯泰英 
  
 父と兄の行状を考えると同心になっていいのか迷いがある木津勇太郎に、小籐次は岩代荘吾の行動と覚悟を話す。勇太郎が御用を務めることで償うしかない決意を固めた。
 
 懐剣の研ぎを頼んできた子次郎が現れ、懐剣の持ち主盲目の姫君の話をする。姫は父親が官位を望むため高家肝煎の側室にされるという。姫はその後、懐剣で自死する覚悟だ。高家肝煎・大沢基秌は「幼女好み」と噂がある。京から江戸に帰り自邸に寄らず、姫・三枝薫子の元に来る大沢を待ち伏せした小籐次と子次郎は、小籐次が用心棒を倒し、子次郎は大沢の目を潰した。小籐次は事前にこのことを知らせた青山老中に、大沢を殺すことを止められた。
 大沢家は息子に世代交代した。三枝家は家禄半分に減らされ、三河の所領に引きこもることで家名の存続が許された。薫子は三河に旅立った。

 子次郎は元鼠小僧だった。この頃は偽鼠小僧が出没している。子次郎は悪党大名、大店から盗んだお金のほとんどを貧しい人にばらまいた。偽鼠小僧は、人を殺し盗んだ金の一部をまいている。薫子を望外川荘に連れ出した時、大沢家の用心棒につけられ望外川荘を襲われたとき、駿太郎と岩代荘吾が守ったこともあり、子次郎は今盗みをしている鼠小僧の情報を岩代に教える。北町奉行所は捕まえた。

 久慈屋の新兵衛長屋の差配をする錺職人の桂三郎は金春屋敷近くの久慈屋の家作に、「錺師芝口屋桂三郎」の工房兼店を持った。

  
 
 

 

 

2021年2月21日日曜日

九頭竜覚山浮世綴〈四〉 

九頭竜覚山浮世綴〈四〉 小名木川 荒崎一海 

 元柳橋の芸者ばかりが住んでいる店子の貸家を営む信兵衛が、若い囲い女と死んでいた。相対死か殺しか、北町奉行所定町廻りの喜平次は覚山に疑念を持ちかける。

 信兵衛の遺体の引き取りを、恵比寿屋の当代が断った。信兵衛は両替商・大江屋から入り婿だった。子供が無く、信兵衛の義理の妹・四女と、次女の嫁ぎ先・住吉屋の次男が縁組みして継いでいる。信兵衛とは行き来が途絶えていた。

 松吉が大好きな芸者の友助が住吉屋に落籍された。信兵衛の持参金と土地が目当ての住吉屋の犯行ではないかと思われた。信兵衛だけでなく、女が二人殺され、行き来があったと思われる男も一人殺されている。落籍された友助に住吉屋が居たか聞きに行く。居たと言った友助だが、嘘を言ったことを気に病んで自殺した。

 犯人は吉次郎だった。宗兵衛が信兵衛のことを調べるように頼んでいた。殺した後住吉屋宗兵衛に二人を殺した。二十両出せ。出さないと住吉屋が殺したと訴えると脅された。三十両要求され吉次郎を殺した。信兵衛の残したものは恵比寿屋の物になると思っていた。

 

2021年2月19日金曜日

江戸美人捕物帳

江戸美人捕物帳 入船長屋のおみわ 山本巧次 

北森下町の長屋の大家の娘・美羽は、容姿端麗でしっかり者。勝ち気すぎるのか二十一歳で独り者、父親に代わり、店賃の取り立て、住人の世話をしている。

 近所の小間物屋「松葉屋」の悪い噂を聞いた。調べようとしたところ、松葉屋の主人が殺され、長屋の職人・栄吉が犯人として捕まる。美羽は恋心を寄せる長屋の浪人・山際と真相を探る。犯人と思った人物が次々に死んでいく。追い込まれた自殺なのか?月日が経ち、誰が一番得をしたか。店のことは何も知らないので店を売ることにした妻・登世だった。

 夫・修太郎が亡くなり、修太郎の友達・役者の竹乃丞と手を組んだ。松葉屋の内儀に収まり、昇之助の腰巾着・銀藏を引き込み昇之助の持っている六百両をやることで殺した。竹乃丞が怖じ気づいたため自殺にみせて殺した。
 
 美羽は「何をしても何も言わないけど、うちの店子に手ぇ出す奴はただじゃおかない。」と言い放つ。

 山際はようやく妻女が江戸に来ると喜んでいた。

2021年2月17日水曜日

料理人季蔵捕物控㊵ 天下一の粥 

料理人季蔵捕物控㊵ 天下一の粥 和田はつ子 

 江戸で質の悪い風邪が流行る。一膳飯屋「塩梅屋」も滋養があって美味しい粥を持ち帰り用に売ることになった。

 奉行の烏谷から老中首座に長寿膳を作って欲しいと頼まれる。

 瑠璃によく似た十九才の里奈が手伝いに来てくれる。料理が上手だ。よく知っている。

 医師の師・竹部正悦を殺したとして捕まっている直江幸順を解き放さないと火を付けると脅し文が届く。季蔵は事件を調べる。疾風小僧が平吉と名乗り手伝ってくれる。

 直江幸順と竹部正悦を調べる途中、万平寺万能丹という風邪によく効く藥の取り合いがあることが判った。

 豪助が殺しの犯人にされてしまうと泣きついて来た。殺されている男は蓬屋剛造だった。昔大泥棒が商人に身を隠し、殺し屋を作りあげていたところ、先代塩梅屋長次郎に見つかり潰された。が強闘金人参丸を隠し売る梅干し屋になって十年隠れ住んでいた。という日記が見つかった。

 竹部正悦の殺された現場で、村の者から話を聞き、竹部の弟が、特別な藥の調合を盗むために殺したことが判った。本を探す季蔵を殺そうとしたため季蔵は捕まえた。直江の疑いは晴れた。牢が火事になり逃げた直江は行方不明のまま探されなかった。里奈も消えた。疾風小僧も消えた。

2021年2月15日月曜日

大河の剣〈二〉

 大河の剣〈二〉 稲葉稔

 嘉永六年 1853年 

 大河は品川に黒船を見に行く。坂本龍馬と武市に会う。佐久間象山と吉田松陰とも会う。

 高柳又四郎と立合い音無しの剣を破る。石山孫六との仕合に勝。

 大河の父親死す。妹が養子を取っていた。

 大河は同門の僻みに遇い、事前に右手を傷付けられるが、練兵間の斉藤歓之助に左手で二対一で試合に勝った。斉藤の側に桂小五郎がいた。

 大河に負け、廻国修業に出た山南敬助は島崎勇に会った。

2021年2月13日土曜日

向島箱屋の新吉② 謎の客

向島箱屋の新吉② 謎の客 小杉健治 

 向島の人気芸者・葉の箱屋をしている新吉は、本郷で薪炭問屋を営んでいるという信濃屋弥太郎に声を掛けられた。葉も座敷に呼ばれる。しかし本郷に薪炭問屋・信濃屋は無かった。

 同心の梶井扇太郎は火事のお解き放ちで外に出たまま帰らない銀次郎を追っていた。銀次郎は「田所屋」の主人を殺して捕まった。調べの途中で牢脱けしていた。

 葉の馴染客・山西屋が命を狙われていた。狙っているのは銀次郎だった。新吉は山西屋を助けるが、山西屋は、銀次郎を殺そうとする。新吉は銀次郎と田所屋と山西屋の関係を調べる。

 銀次郎の父親は小間物屋をしていた。十年前、妾を殺した罪で死罪になっていた。山西屋と田所屋と一緒にいたと言ったが、二人は否定したため死罪となった。妻は首を括り、店は潰れた。息子は行方不明になり銀次郎と名乗り帰ってきた。銀次郎は嘘を言った二人を殺そうとしていた。

 新吉が信濃屋に呼ばれている時、銀次郎は山西屋を襲っていた。山西屋を襲う男から銀次郎が山西屋を救った。新吉は銀次郎に「殺すな。証人になってもらい、父親の濡衣を払え」と言う。山西屋を襲ったのは、信濃屋弥太郎が雇っていた。弥太郎は山西屋の後妻と手を組み山西屋の主人に納まるつもりだった。

 新吉を訪ねて平岡伊一郎が来る。

2021年2月11日木曜日

満月珈琲店の星詠み

 満月珈琲店の星詠み 望月麻衣

 水瓶座のトライフル 芹沢瑞希は有名シナリオライターだったが、今はソーシャルゲームのシナリオ、脇役のキャラクターのシナリオを書いている。テレビ制作会社のディレクターに企画書を送るが、会議にかけても通らなかったと言われた。そんな時、満月珈琲店が現れる。トレーラーカフェだった。西洋占星術を使って過去から現在に向けアドバイスを受ける。気分も新たに猫が店員のカフェを夢を見たかな?と考えて帰る。

 芹川瑞希はシナリオライターになる前小学校の臨時先生だった。ヒットメーカーから数字が取れなくなったころのディレクターが山中明里だった。瑞希はSERIKAと言うネームでソーシャルゲームのシナリオを書いている。

 満月アイスのフォンダンショコラ 中山明里は芹沢に会ったことを悔いた。通らなかったことを聞いても食いついて来るものがなかった。スタイリストの次郎と話す。おねえ言葉で話す優しく人当たりが良く、空気が読める四十代の男性。明里は不倫が知られどんどん仕事が無くなる女優・鮎川沙月と満月珈琲店で出されたスイーツを食べる。二人は占星術でアドバイスを受け、明里は自分を解放することを考え、沙月は自分の何が悪いことだったかを考える。  

 明里と沙月は瑞希が付添をする小学校への登校班の小学生だった。

 水星逆行の再開 水本隆はIT会社を二人で経営している。基本的にはサーバー・セキュリティエンジニアだが、今はソーシャルゲームも作っている。その脇役のシナリオの人気があがっていた。シナリオの担当が芹川瑞希だと分かり驚いた。隆は偶然出会った小学時代の後輩・早川恵美のホームページ作成の相談にのるために電車に乗って占星術でアドバイスされる夢をみた。

 早川恵美は梅田の美容室に務めていた。あまりカットが巧くない自分に美容室があってないと思っていた。そんな時、西洋占星術の夢をみてアドバイスを受け店を辞めた。フリーになると髪のセット、スタイリスト仕事が入った。

 隆も恵美も芹川先生の登校班だった。猫を飼っている老人が家で倒れているのを見付けた。一ヶ月で老人は亡くなり、殺されようとしていた猫たちを登校班の小学生が引き取りてを探し助けたことがあった。亡くなった老人の願いで猫仲間が、アドバイスをして助けたのだった。

 

2021年2月9日火曜日

新吉原裏同心【三】乱癒えず

新吉原裏同心【三】乱癒えず  佐伯泰英

 神守幹次郎が、禁裏の刺客・不善院三十三坊を斬ってから、禁裏と西国の雄藩の影が祇園の町にちらつく。入江同心に誘われ火事の後そのままになっている函谷鉾の地下蔵に潜入する。そこは阿片窟になっていた。函谷鉾の蔵の土地の持ち主・猪俣屋は去年不善院に殺されていた。猪俣屋の大番頭宮蔵から情報を得、仲源寺の地下蔵で、禁裏御料方副頭・綾小路秀麿卿と薩摩藩京屋敷用人頭南郷皇左衛門のやりとりが「天明大火復興録」に書かれていた。祇園の自治に関わる、この内容を知ったことで猪俣屋は殺されたのだろう。幹次郎は記録のあったことは誰にも言わなかった。

 江戸吉原では澄乃と佐吉が俵屋の乗っ取りの取っ掛かりになった色事師の小太郎をさがしていた。汀女が住む柘榴の家の女中あきが勾引かしされそうになったことで小太郎の居所を突き止めた二人は乗り込むが、小太郎は殺されていた。あきの勾引かしに関係した男を調べ、奥山の見世物小屋を突き止め、吉原の五丁町の名主池田屋が浮上した。池田屋も見世物小屋で殺された。

 

2021年2月7日日曜日

居酒屋ぜんや⑦ 

居酒屋ぜんや⑦ ふうふうつみれ鍋  坂井希久子

 春告げ鳥 武家の次男坊・林只次郎は飼っている当代一の美声を誇る鴬・ルリオの雛が成長し美しい声で鳴き始めたことを喜ぶ。一羽は只次郎がハリオと名付け、一羽を勘定奉行久世丹後守の用人・柏木に譲る。タマオと名付けられた。只次郎は姪・栄を奥御殿に上げる口利きを頼んだ。後一羽は、ぜんやの常連客が集まり鴬に対する思いを語り、俵屋の小僧をしている熊吉に決まった。熊吉はヒビキと名付けた。俵屋が一両を払った。

重蔵は近江屋を見張る目的で、近江屋の用心棒に戻った。近江屋は月に一度ぜんやに食事に来ることになっている。鴬の譲渡会は重蔵の送り会も兼ねた。

 授かり物 升川屋の志乃が二人目を身ごもった。何も食べられない志乃にぜんやの妙は千寿の分も食事を作る。千寿が何も食べないことを志乃が心配していた。妙は只次郎の言葉を参考にして千寿の分を作った。母親志乃が美味しく食べるのを見て千寿が欲しがった。志乃は升川屋との噛み合わない会話の苛立ちを吐き出して帰った。

長屋のおえんさんも身ごもったようだ。

 半夏生 端午の節句、甥の乙松の祝いに柏が来て、栄を見て帰った。八才の栄には早いと言われるが、女に学問はいらないという兄・重正の元で、時間を無駄にするより知賢を持つ女性がいるところで磨かれるほうがいいと只次郎は考えた。

只次郎は吟味方与力・兄嫁の父・柳井に、妙との中が進んでいないことで嗾けられる。

只次郎は蛍見物の夕涼みの客のため出店をしようと提案する。白瓜の冷汁一杯十文で出店をすることになった。只次郎は町人の格好で手伝う。去年町人のタダさんに一目ぼれした三河屋の娘・浜に見つかる。三河屋は商才のある只次郎に養子に来て三河屋の分家を任したいと願う。只次郎はしばらく考えさせてください。と返事する。

 遠雷 えんは亭主の浮気を疑う。亭主は誰にも知られないように安産祈願をしていた。只次郎は疑いを捨てないえんを連れて寺社参りの亭主を見せる。

只次郎が妙のことを好きなことを知って、浜が妙に会いに来る。妙は只次郎は浜と一緒になると思っている。自分は町人で、後家で年上でと。

 秋の風 三河屋に言われて二ヶ月が経った。分家する店を見に行ったりするものだから、只次郎は三河屋だったらと店の商品を考えたりするがやはり断ろうと決心した。言う前に三河屋が浜は番頭と一緒になることになったと言いに来る。みんなにはからかわれるが浜を傷つけなくてすんで良かったと思った。

近江屋を使って父親や友人を見張っていたと思われた、近江屋があの人と呼ぶ人と思っていた松平越中守が老中筆頭の任を解かれた。

2021年2月5日金曜日

浪人奉行 十丿巻

浪人奉行 十丿巻 稲葉稔 

 いろは屋の常連客・寿々が、自分が営む料理屋・扇屋を売れと強引に言って来る菊屋のことで相談に来る。板前等に謎の災いが続いている。八雲兼四郎が調べようとした時、親友倉持春之助が道場を構える八王子で道場破りと言いながら殺し持ち逃げする賊が暴れ回っていると言う凶報が入る。兼四郎は菊屋の調べを、橘官兵衛と定次に頼み八王子へ行く。

 倉持春之助は、知りあいの道場主と家族が殺されたことを知り賊を追っていた。兼四郎は府中宿で賊・不動の仁五郎一味を探している春之助と会えた。仁五郎は自分たちを追ってくる春之助を探していた。仁五郎一味の浪人・小野寺の助けもあり兼四郎たちは、不動の仁五郎一味を斬った。小野寺は命を助けて貰った恩があり仁五郎の仲間になっていたが、あまりにも殺生がひどく抜けたいと思っていた。小野寺は仁五郎に殺される。仁五郎たちの盗んだ金は隠し場所から取り出し、兼四郎は宿の主人と春之助に託して江戸に帰る。

 江戸に帰った兼四郎は菊屋の後に、役高一千石・公儀御使番・村瀬四郎左衛門がいることを知る。村瀬が扇屋を買い店を持ちたいために菊屋に頼んだようだ。菊屋では巧くいかないようなので、仕官を餌に浪人に扇屋の番頭の命を狙わす計画をたてたことを知った兼四郎は、定次に番頭役を頼み網を張り、計画を潰す。村瀬のことを調べた兼四郎は村瀬を浪人の名で呼び出し斬る。

 寿々には、菊屋はもう来ないと告げた。

 

2021年2月3日水曜日

絶局 本能寺異聞 

 絶局 本能寺異聞 坂岡真

 本因坊算砂・日海の目を通しての1571年から1582年まで。

天正十年六月二日 本能寺で日海と信長は碁を打つ。影に最後の命令を出し、納戸の奥の抜け道から安土に逃れた。安土城の裏の高台の平屋で続きの碁を打つ。真葛が信長の眉間を打ち抜く。信長は安土に眠る。知っているのは二人だけ。真葛は時代が変わっても主を変えながら間諜の仕事をしている。

 近衛前久の命令で雑賀の真葛は信長を狙う。

 

また、山岡宗八の徳川家康が読みたくなった。