2015年6月30日火曜日

八州廻り桑山十兵衛8

八州廻り桑山十兵衛8 私闘なり、敵討ちにあらず 佐藤雅美
 関八州はおれが縄張り 蕨宿 見沼通船 次々と騙し、国学者におさまり差配の裏で糸を引く。腹が立つが何も出来ない。元の船頭を首にして集めたいい加減な船頭を故郷に帰し、村方百姓から掠め取った増船賃を返させる。これぐらいしか出来ない。
 怨讐ははるか彼方に 上尾宿 宿場で倒れた旅人・九蔵を泊めている。実家に連絡するが引き取らない。十兵衛が栃木に連れて行く。三十年前に裏切った親分・辰五郎が島から帰って来るので討たれに帰るという九蔵。帰って来た辰五郎は弱りきった九蔵を見て討つ気がなくなった。十兵衛が顔役三人と話を付け縄張りの一部を辰五郎に譲ってもらった。
 私闘なり、敵討ちにあらず 鳥居丹波守忠挙三万石の城下町・壬生 十兵衛の知り人吉村兵太左衛門がいる。三年前、兵太左衛門が町奉行に任じられ、悪行の壬生清四郎を永牢にするつもりだったが、上役たちに反対にあい、清士郎は三年の江戸暮らしになっていた。清四郎が壬生に帰り、兵太左衛門を呼び出し斬った。清四郎はお咎め無し、斬られた吉村家は改易。十兵衛は清四郎を呼び出し私闘として清四郎を斬る。十兵衛は兵太左衛門の遺言により息子・小太郎を江戸へ連れて帰り、三年間は八重の夫の学塾に入れ、直心影流の道場にかよわすことにした。
 公方様の手抜かり 境河岸 悪態を付く女房を殺しても夫は罪にはならない。と言う吉宗の指図があった。嘉兵衛がきちを殺したが罪にならないと言う。十兵衛が調べる。きちが貯めていた百両を自分の物にするため嘉兵衛が友蔵にきちを殺させていた。友蔵に五十両とられたことが判り、友蔵と嘉兵衛は死罪になった。
 長命寺当住女犯の後始末 冷山村 かよの夫・又五郎は木更津で働いている。長命寺の当住・昌哲は宗判を付かないと脅し、かよを情婦にする。そのことを又五郎が知り、かよは離縁された。村民は本寺に訴えていた。木更津 又五郎は仲間と湊で質屋を襲い、皆殺しにしていたが、お金が無かった。又五郎は長命寺を襲うことにした。十兵衛は又五郎は冷山に行くだろうと追いかけた。長命寺に村民が集まっている所に押し込み又五郎は殺され、みんな捕まった。
 笹倉村、手柄の横取り安房勝浦 笹倉 笹倉出身の平吉が心学講釈師・柴田織部と名乗り、寺に寄進をし、村人に大盤振る舞いをする。火盗改役の樋口新三郎は調べに江戸へ行った。隠れた平吉は盗賊だった。十兵衛が捕らえた。
 篝火に浮かぶ顔 岩殿村 岩殿村の小屋掛けを撤去させるため十兵衛は岩殿に来た。松山で岩殿の定吉が殺され、松山に行く。五年前に取り逃がした巳之助を捕まえる。白州のため庭先を借りた家の女中頭と言った女が樋口新三郎とそっくりだった。
 足掛け二十六年の絶望 松山 樋口が松山に来ている事を知った十兵衛はこっそり見ていた。
 樋口は五才の時、一緒に遊んでいた妹・千代3がいなくなり、新三郎は探した。14才から16才毎日江戸中を歩いた。17才賂方 御春屋御蔵役に付いた。外回りをするため加役方本役の組下同心と株の交換をした。22才新しい頭の組下同心に話を付けた。26才在をまわるようになった。29才新しい頭の下に入った。30才になっていた。
 樋口が来た。女中頭ではなく、主の娘が応対した。樋口は千代だと判った。千代は何も知らず名前を変えて養女になっていた。女中頭・登喜が出てきた。新三郎は全て解った。26年千代を探し回った。どうして連れて行くと一言言ってくれなかったのか。惨い。離縁された母が娘を連れ出していたのだ。

2015年6月29日月曜日

照降町自身番書役日誌4

照降町自身番書役日誌4 夜半の春 今井絵美子

2015年6月28日日曜日

照降町自身番書役日誌3

照降町自身番書役日誌3 虎落笛 今井絵美子

2015年6月27日土曜日

照降町自身番書役日誌1 照降町自身番書役日誌2

照降町自身番書役日誌1 雁渡り 今井絵美子
照降町自身番書役日誌2 寒雀 今井絵美子

2015年6月26日金曜日

浪人・岩城籐次5

浪人・岩城籐次5 江戸裏日月抄 小杉健治
 人を殺して江戸から逃げていた菊三郎が江戸に戻っていた。同心・稲瀬新之助を手伝い籐次も探す。東海道で助けられた若い医者になりすまし江戸に入っていた。姿を見られた元情婦を殺し、見破った元中間を殺し、世話になっている医者家族を殺し、一人暮らしの小間物屋を殺し、大名の中間になっていた所を捕まえる。
 曰くあり気な道場の師範代に籐次は雇われる。甲府勤番を一年で抜け出し盗賊になっていた元直参・大坪恒太郎が息子・恒吉を探し出し、道を踏み外しそうなところを剣を通じて基に戻そうとしていたのだった。籐次のおかげで恒吉は真面目になり、父の友達と名乗る大貫源太夫と孤児のお救い小屋を作ることになった。
 五年前に道場破りに負け、道場を飛び出した脇谷伝一郎と道場破りをした野末市次郎の試合が行なわれた。相打ちのような試合後、脇谷伝一郎は肥前平戸藩松浦家の剣術指南役に仕官が決まった。野末市太郎は自首し、人を殺した事は首謀者に逆らえなかったということで遠島になった。

2015年6月25日木曜日

仕舞屋侍2

仕舞屋侍2 狼 辻堂魁
 仕舞屋の仕事を頼んできた旗本の次男・大城鏡之助が殺された。話しを付けた相手・加島秋介が疑われ、捕まる。
 九十九九十郎は加島の為に真犯人を探す。
 加島はアリバイが立証され、解き放たれる。
 犯人は銭屋の番頭・欣次だった。欣次は二十年前に育ての親を殺して逃げていた。一緒に逃げた男が六部になり番頭になった伊助・欣次を強請ってきた。店の娘の子供が欣次の子供であることを知っていたために殺した。六部殺しが欣次だと知った鏡之助が強請ってきたので鏡之助を殺していた。店の主人も知っていた。足の悪い娘の面倒をみた欣次だった。主人は養子だったので元の店の持ち主の縁者に店を売り、田舎に越していた。九十郎はきっちり話しを聞いてきた。

2015年6月24日水曜日

剣客旗本奮闘記8

剣客旗本奮闘記8 白狐を斬る 鳥羽亮
 白狐の面を付けた盗賊が押し入る。武士が含まれるようなので御徒目付・糸川等が動く。
叔父御目付・大草主計に頼まれ、青井市之介も手伝う。
 頭領は二百五十石の旗本 旗本の家士、八十石の御家人 浪人、町人二人の六人組みだった。

2015年6月23日火曜日

八州廻り桑山十兵衛4

八州廻り桑山十兵衛4 江戸からの恋飛脚 佐藤雅美
 高原新田笹の沢の霊風 人が殺されたという噂を聞き、鬼怒川の高原新田に行く。お姫さまと腰元と侍、五人の一行が四人になり、侍の死骸をかたずけ黙っていろと一両貰った村人が、そのことを知り分けろといってきた中附・馬借を殺してしまった。という話し
 白旗村への誘い 十兵衛は熱海で戸田信濃守の奥方に会った。自称信濃守の奥方が般若院から五百両騙りとった。偽物の奥方を捕まえるよう命令される。十兵衛は足取りを追って白旗村へ行く。戸田家の男の子を産んだ娘・さよが宿下がりを命じられ帰って来ていた。安房里見氏の流れを汲む郷士・白旗の登勢がさよのためにやったことだった。さよの産んだ子は跡継ぎとなり登勢のやったことは戸田家が五百両を返し、揉み消された。登勢は十兵衛にあなたに追って来てもらいたかった。と言った。
 五つで売られた飯盛女 銚子でお姫さま一行の噂を聞く。十兵衛は江戸の左官の姪・きよが飯盛奉公を何故しているか調べに来た。きよ5才時は伊平次→10才時・半三郎→15才時水戸の惣兵衛→現在・利右衛門と移る。半三郎は飯盛りに出されても文句はありません。という証文を出す。伊平次は里子に出すため預けたという。伊平次は手首から先が無い。半三郎は証文を偽造していた。百両を出させきよを自由にした。
 白旗村に寄ると登勢に縁談があり江戸へ行ったと言われる。二階にあげて階段を外された気分になる。
 江戸からの恋飛脚 賭場争いで一人が殺された。殺した方が三十両を出しはなしが付いたはずが、殺された男の姉がお金を要求する。十兵衛は裏で賭場からお金を吸い上げている役人の帳簿を抑え、役人から三十両を出させ姉に渡し、帳簿は返した。
 江戸から登勢の手紙が着く。江戸に逗留している屋敷を知らせてきた。
 十と一つの花嫁の涙  江戸で、登勢に縁談が持ち上げっていた。千八百石の御遣奉行堀主水だった。見合いをしていた。そういうことでしたら、思いきります。どうかお幸せにと十兵衛は言う。
 登勢の甥・格之進が養子に入った先で女郎・ちせを殺したと捕まっている。嫌疑を晴らして欲しい。と頼まれる。十兵衛は犯人は格之進が厠に行っている間にちせがため込んでいるお金が目的で忍び込み気付かれて殺した、鍛冶屋の19才の吉次だと判った。離縁だという義父に対して、11才の花嫁が私と添い遂げて欲しいと訴えた。
 隠すより現る 会津に行く途中で、助蔵に女房を勾引かされたと藍染め職人が言う。助蔵に連れて来るように命じた、岩槻丿友五郎がバレるのを恐れて心中に見せかけ殺した。十兵衛は友五郎を斬り捨てた。
 勢至堂宿の馬泥棒 会津若松に水戸家の血を入れ、水戸家が乗っ取ろうとしている。と家斉は疑い、調べることになった。絵師を装い会津に入る。当主の母親が江戸にいる事を突き止める。元御庭番に出会い話をした。会津を出る時、囲まれてしまった。馬に飛び乗り逃げ、宿に飛び込み戦闘用意をする。馬泥棒と追いかけてくる。火をかけるという。
 思い立ったが吉日 粂蔵と五兵衛の機転のおかげで五十人の助っ人がきて助かった。
十兵衛は格之進から登勢のことで話がある。と手紙をもらった。
 会津若松の当主肥後守は水戸から美濃高須松平に養子に入った恭之丞の子供だった。会津の先先代の隠し子として届け出た。母親共々会津に引き取られた。もう一人の子が時々姿を現す姫様だった。母に会いたいと言う願いを持っていた。水戸の殿様が亡くなり、乗っ取りもなくなった。
 戸田信濃守が会津若松之江戸家老に桑山十兵衛が領内に行くことを洩らしたことが家斉の耳に入り、戸田がお役御免になった。
 登勢が家に来る。登勢は桑山十兵衛と言い交わしていると縁談を断わった。
 思い立ったが吉日、祝言をあげる気になる。

2015年6月22日月曜日

八州廻り桑山十兵衛2

八州廻り桑山十兵衛2 殺された道案内 佐藤雅美
 木崎の色地蔵 例幣使一行の中で強請りをする者を捕まえた。
 小幡に七蔵なければいい 嫌われ者が殺された。情婦と父親が話しを作っていたが、父親が殺していた。
 順休さんの変死 旗本の借金の尻拭いを何故百姓がするのかと言う訴状を出そうとした順休が死んだ。殺されたかと思われたが、病死だった。
 三筋立結城縞の子供着 三百両を持ち逃げした両替屋の手代の足が途切れた。手代が着ていた結城の着物が子供着になって干されていたため殺した者がわかった。
 殺された道案内 道案内・権蔵が殺された。三方領地替えで浮く足立っている忍十万石の阿部家にかかわりあるかと思ったが、金貸しに使われていた権蔵が立場を逆転された金貸しが浪人を雇って殺さしていた。
 公方様の気まぐれ 公方直で頼まれた仕事で、調べると、真面目に働いている商人を五十年前の旧悪で捕まえなければならなくなった。捕まえて帰ると、もう良いという事になっていた。
 途方に暮れた顔 十兵衛は初恋の初枝が離縁されたので一緒に江戸で暮らすことにした。仕事が忙しく、川止めにも会い待ち合わせの場所に行けない。

  初枝は元の夫・森本勘兵衛の許に戻ってしまった。千葉周作と馬庭念流門下との諍いを止め、周作に江戸の清蔵を紹介し、江戸で北辰一刀流の道場を持つように薦める。

2015年6月21日日曜日

切り絵図屋清七3

切り絵図屋清七3 飛び梅 藤原緋沙子
 2013年 8月3日 再読
 長谷清七郎は勘定組頭・長谷半左衛門の次男だが、切り絵図を出版している紀の字屋で働き町人として生きている。紀の字屋の籐兵衛はゆりと一緒になって清七に継いで欲しいと思っている。
 清七は襲われている武家を助けた。父だった。襲われている兄・市之進も助ける。父は清七を次男として届け、帰って来て欲しいと思っている。清七は父親の用心棒をする。
 売り子として働いている・忠吉の父親が大阪の籠細工の職人だと判る。が、父親・銀作は殺された。同僚の竹蔵も命を狙われている。
 坪井平次郎が殺された。
 富之助が誰かに狙われている。富之助は牢に入るために団子を盗む。

2015年6月20日土曜日

妾屋昼兵衛女帳面(八)

妾屋昼兵衛女帳面八 閨之陰謀  上田秀人
 怪我をした  と八重は吉原に匿って貰う。仙台藩の家来に狙われる。話しは付いているはずなのに。用人が切腹。
 吉原から追い出された西田屋の隠居が山城屋を狙う。手を出せば、吉原が動いた。
 山城屋の帳面を寛永寺の別当になろうとした宮家の兄弟の僧に狙われる。僧を護衛を殺したために昼兵衛は林出羽守に助けを求め、軍門に下るしかなかった。大名の妾に隠密を入れるために手を貸せということだが、昼兵衛はそのまま言うことを効く気は無い。

2015年6月19日金曜日

道具侍隠密帳二

道具侍隠密帳二 囮の御用 早見俊
 天保八年 1837年
 能登川清兵衛27は将軍御側衆・上野権十郎久唯から、誰が抜け荷で処刑された濱田藩松平周防守康任と廻船問屋会津屋の抜け荷を継承しているかを調べるように言われる。
 清兵衛は会津屋の残党・隠岐の万次郎が探している、金のマリア像を仕込みおびき出すが失敗する。マリア像の中に会津屋が隠した抜け荷の品を隠した場所の地図が隠してあるようだ。
 万次郎と手を組む幕閣の者が解らない。老中水野忠邦は益田藩片岡備前守だと思っている。片岡は上野を自分の代わりにしようと思い、万次郎に相談し、清兵衛と上野を罠に嵌め、二人は浦賀奉行に捕まる。切腹になるような噂を流し、安心している所にマリア像の罠を仕掛ける。清兵衛は万次郎が益田藩の藩船へ乗り込んだ所で捕らえる。
 片岡は永蟄居、万次郎は打ち首になった。
 今回使った道具はブーメランと手首から飛び出す針、空を飛ぶ大凧

2015年6月18日木曜日

犯罪心理捜査官セバスチャン

犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯下 M・ヨート&H・ローセンフェルト
 次はヴァニヤの母親・アンナ・エリクソンが狙われる。全てを知ったセバスチャンの元同僚トロッレが阻止するが、トロッレは殺されてしまう。次に狙われたのはエリノール、セバスチャンに付きまとう女だった。エリノールはセバスチャンの家に来る。
 服役中のヒンデはパソコンで繋がり、ラルフとローランドを動かしていた。ヒンデはヴァニヤがセバスチャンの娘だと気付き狙いを変える。ラルフが犯人であることをヴァニヤに教え、自分は脱獄する。ヴァニヤを誘拐し、セバスチャンを待ち、殺そうとするがビリーに助けられる。ヒンデは撃ち殺され、身を挺しヴァニヤを助けようとしたセバスチャンはヴァニヤに優しい言葉を掛けられる。
 ビリーはヴァニヤとセバスチャンの関係に気がつく。
 エリノールはトロッレが探り出したヴァニヤの父親の法律に違反している証拠の書類をどうしようとしているのか。

2015年6月17日水曜日

花川戸町自身番日記2

花川戸町自身番日記2 女房を娶らば 辻堂魁
 花川戸町に住む志奈は旗本の用人に連れていかれた亭主・三太郎を助けるために、町奉行の妻・瑞江を連れ出し、三太郎を船に乗せ解き放つように交渉してもらう。屋形船で解き放たれた
三太郎に出会えた志奈だったが、鉄砲十丁以上で打ちまくられる。三太郎が身を挺したおかげで命が助かった志奈は可一と同心羽曳に依って助けられ、瑞江に匿われる。
 瑞江は町中で出会った、夫、子どもを捨てて小田切常敏と逃げた須磨も志奈と一緒に匿った。
 旗本安佐野家は用人本庄虎右衛門が勝手に賭場を開き船頭を殺したとし、引き渡すつもりが切腹してしまったということで事を納めた。


2015年6月16日火曜日

新・剣客太平記一

新・剣客太平記一 血脈 岡本さとる
 文化年 1809年 新春 団野源之進と狭竜蔵が試合をしてから4
 竜蔵は綾と一緒になり数え歳3の鹿之助がうまれていた。
 内弟子雷太17は竹中庄太夫の養子になり竹中雷太になった。
 桑野益五郎の兄弟弟子・谷川作兵衛は頼まれ剣道場の師範をしたところ、道場は盗賊の隠れ家だった。竜蔵が見抜き同心が捕まえた。谷川は息子がいる小田原に行った。
 谷川の弟子が日光街道の野木宿で番太をしている。五年前に追い出したヤクザが帰って来て仕返しをするかもしれないと噂が入る。竜蔵と網結の半次は日光へ行く。野木では、土井家の役人が、ヤクザと手を組、問屋総代に七百両を要求していた。谷川の弟子・猪太郎と弟がヤクザをやっつけた。竜蔵は知り合いの土井家の大番頭・笛木右近に顛末を話す。
 七年ぶりに猫田犬之助に会う。猫田は御先手診組の出稽古に行っていた。元の藩の侍に敵討ちの果たし状をもらっていた。仇討ちをしたくない野田門之助は叔父の姑息な手を竜蔵に話す。弓を用意していた果たし合いは無くなった。門之助は脇坂藩を出て女の元に走り浪人になった。
 

2015年6月15日月曜日

新・問答無用1

新・問答無用1 凄腕見参! 稲葉稔
 佐久間音次郎は江戸へ帰って来た。町年寄・喜多村彦右衛門は音次郎の過去を知っているようだが、町方が調べてくれないような事件を調べる調査員として雇った。
 川の中での事故か殺人かわからないような死亡事件を調べた。調べる途中で八百屋の勾引かしに遭遇する。陰富をしようとする侍くずれのヤクザの一家の仕業だった。八百屋を助け出し、死んだ男は心臓の発作だったことにした。
 音次郎は柏木宗十郎と名前を変えた。
 宗十郎ときぬはかっ払いをした少年永吉15を自分の子どものように面倒みることにした。

2015年6月14日日曜日

用心棒血戦記3

用心棒血戦記3 奥羽密殺街道 鳥羽亮
 葵十三郎と神林弥五郎は出羽国谷垣藩の江戸留守居役に密使を届ける藩士の護衛を頼まれ、出羽まで行く。家老の屋敷に入るにも、家老に渡った書類を城に届けるのにも力を貸す。
殿から出された切腹の沙汰も聞く気がない中老と郡代を追い詰める。

2015年6月13日土曜日

髪ゆい猫字屋繁盛記1

髪ゆい猫字屋繁盛記1 忘れ扇 今井絵美子
 猫字屋のおよしが嫁に行き お腹に子どもがいる。猫字屋に通っている。
 喜三次が、魚竹の養子に入り 書き役を続けている。
 金貸しおきんが、昔の同僚・おはつ夫婦に殺された。
 得次郎が二年前に家を出た女房お阿木に殺された。得次郎は誰に刺されたかを言わないで死んだ。三人の子どもは木戸番屋で育てることになった。

 前話があるらしい。自身番の書き役喜三次が中心のようだ。

2015年6月12日金曜日

春雷 

春雷 葉室麟
 羽根藩藩主・兼清の乗った馬に蹴られ、娘とお腹の中の子どもを亡くした多聞隼人は十五年後、羽根藩の家老になり、鬼多聞と呼ばれていた。
 多聞は黒菱沼の干拓工事が始まり起こった百姓一揆を鎮めるために一人の領民を殺した罪で切腹の沙汰が出た。
 多聞が失敗することを見込んだ干拓であり、一人の家老・塩川が一人の領民と手を組みやらせた百姓一揆だった。
 公儀より、多聞を討ったことで、兼清は隠居させられ、塩川も咎めを受けた。
 干拓は再開された。
 

2015年6月11日木曜日

切り絵図屋清七(4)

切り絵図屋清七(4) 栗めし 藤原緋沙子
 話しを聞いたがために命を狙われる富之助は逃げるために小伝馬町の牢に入る。一ヶ月後牢を出た富之助に間違えられて民蔵が殺される。
 民蔵殺しから追いかけ同心・野尻が捕まり容疑をみとめるが、勘定奉行・谷田部には届かない。谷田部の用人・黒沢の影もある。勘定方・坪井平次郎殺害、四年前の三国屋追放事件、山中代官所のこと、伊豆の別荘等、谷田部に近づきつつある。父・長谷半左衛門の仕事にも関係してくるようだ。父の仕事関係、友人関係の人々に清七は理解され迎えられている。

札差高田屋繁昌記一

札差高田屋繁昌記一 若旦那の覚悟 千野隆司
 寛永5年 1793
 新五郎は突然の兄の死により、札差高田屋の手代から若旦那になる。お金を借りに来る人たちに兄・惣太郎のように接しようとする。元兄嫁・鶴に聞く。鶴は実家・家禄二百五十俵旗本都・築貞右衛門に返されていた。貞右衛門に刀の柄巻の内職を斡旋していた。
功刀には店の看板書きを斡旋していた。
 宇梶彦之助が娘の病のための金を借りに来る。貸せなかった。盗みでもと言う宇梶が気になり、調べる。新五郎は宇梶が赤蠍の巌七と配下の勝三郎と三人で常州屋の寮を襲うところを阻止し、宇梶が新五郎と巌七を取り押さえるようにする。宇梶は押し込みに誘われ仲間になった振りをし賊を捕らえるために力を貸したことになった。新五郎の道場仲間徒目付・門伝丞之助がいた。
 新五郎に縁談が持ち上がる。相手・峯山佳世には好きな人・添田瀬次郎がいた。瀬次郎には昔からの許嫁・佐土原花帆がいた。花帆には大垣家との縁談があった。佐土原は浪人を雇い、瀬次郎に公金二十両を横流しするよう強請りを掛けていた。それらを宇梶に調べてもらった。
門伝から、情報を得る。添田家と佐土原家が息子と娘を許嫁にした時は同じ御勘定組頭だった。佐土原が先に勘定吟味役に昇進し、今、両家は西の丸御小姓番組頭を争っている。佐土原には三千石大垣弾正が付いていた。
 瀬次郎が浪人と会った時一緒にいた佐土原家の用人杉野も捕まえ口書きを取り、添田の当主に全てを話す。
 峯山家との縁談がなかったことになり、添田家共々お礼をということになり、調べ挙げた宇梶に何か役を付けて欲しいと頼む。宇梶に三百俵高の日光御奉行支配組頭と言う役が付いた。引っ越し料五十両が付いた。
 商人だけが儲かるのではなく、客と共に栄えることが大切をもっとうに札差しとして一人前になる覚悟を決めた。

2015年6月9日火曜日

わたしの蜻蛉日記 

わたしの蜻蛉日記 瀬戸内寂聴

町医北村宗哲

町医北村宗哲 佐藤雅美
 宗哲の父・野村道玄は奥医師だった。宗哲は庶子で、11才で母が亡くなり父に引き取られる。15才で医学館に通い、16才で寄宿寮に入る。18才で父が亡くなり医学館をやめる。江戸一番の顔役青竜松の息子を殺してしまい逃げまわる。十六年後、宗哲と黒門が手を組み青竜松を隠居させた。十六年間の渡世人としての逃げる生活が終わった。35才芝神明前に医院を開く。妻・きぬ 7,8才時に宗哲と結婚の約束をしたと言い、宗哲の帰りを待っていた。36才できぬと結婚
 欠落女みつの錯乱 宗哲の所に通っていた商家の女房が宗哲のところで出会った侍といい仲になり病気が治った。欠落しようとしたが、侍は逃げた。侍は寺に盗みに入っていた。
 小塚原の蝉時雨 黒門と宗哲を助けてくれた半五郎が胸を患って江戸に来た。半五郎を殺しにきた者を殺してしまい処刑される。
 お向かいさんの鬼瓦 昔馴染みの法印多紀楽真院が紹介された。商家の女房が病が治らないで困っていた。宗哲が養子主に覇気を出し、店の鬼瓦を向かいの鬼瓦を睨むように返ることを進言する。治った。
 ひょっとこの亀 岡っ引きの和助が青竜松の元子分・蛇陰のお蝶に人質にとられている下っ引きを取り返して欲しいと頼みに来る。宗哲が中に入っても無駄だった。宗哲はひょっとこの入墨の男・亀蔵の病を治していた。亀蔵はお蝶を殺した。宗哲への恩返しと龍の入墨がひょっとこになってしまった、復讐だった。
 跡をゆるりと尋ね三省 多紀楽真院の紹介で三省を知る。三省の実家は下総佐倉十一万石の堀田家の領内にある。三省は断わりも無く杉や桧を二百本伐られ、墓を荒らされたと訴えた。正しいが、堀田家に言えないので借り牢にいた三省は逃げた。甲府にいると手紙をもらう。
 御医師村田宕庵の逆襲 元奥医師・村田宕庵は河内山宗俊ばり。宕庵が揚り屋に入り、宗哲が人を殺したことを言うぞという。元奥医師が横領で訴えられたり、悪事が次々に出てきたり、出雲松平の当主の名が出ては困る。牢でコッソリ殺された。
 縫物ぎらい 宗哲の妻・きぬの兄・空曇の医院が困っていた。娘が借金のために寺に妾奉公に行かされる。宗哲は借金を払う。空曇は縫い物嫌いで頭が痛くなる娘の病を直し、また患者が来るようになる。
 泡と消えた巨万の富 労症に鰹の頭の黒焼きが効く。という風聞を広め金儲けを企んだ半兵衛と池田新右衛門。仕込んだことがバレて大目玉。


2015年6月8日月曜日

夜叉萬同心4

夜叉萬同心4 藍より出でて 辻堂魁
 永代橋が落ちた次の年 文化5年  1808年 7月
 北町奉行所隠密廻り同心・萬七蔵は、千住で押し込みがあったようだという噂を調べに行く。無かった。ということになった。
 勘定方公認、売り上げが勘定方に入る大商人ばかりの賭博が行なわれていた。表に出せない押し込みがあった。胴元になっている船運仲間行事役の川路屋九右衛門は裏家業の者に押し込み三人の始末を頼む。勘定方・角丸京之進が掃除屋・白闇の連に殺される。
 白闇の連は七蔵の幼馴染みであり妻・妙の兄である元医者の桃木連太郎だった。二十年ぶりに会った。七蔵は連太郎を斬り、全て隠して、桃木の墓に葬る。白闇の連は取り逃がしたことになっている。
 川路屋と勘定組頭・谷町徳之助は入牢、川路屋は斬首、店はとり潰し、谷町も斬首、家は改易だろう。
 鏡音三郎は五ヶ月前の春、綾と一緒になり永生に帰っていた。

2015年6月7日日曜日

夜叉萬同心3

夜叉萬同心3 親子坂 辻堂魁
 文化四年 1807年 師走 萬七蔵 北町奉行所隠密廻り同心
 7才の少年・健太が妹・美濃のために楊弓場で賭弓で生活している。辰に利用され、中丸屋康太夫の店の乗っ取りに利用される。寺奉行同心殺しで辰を捕まえる。
 吉原の寒椿・椿に頼まれ父親の死について調べる。十年前、椿の父親は、椿を次男の嫁にし妻と二人の妹も屋敷内で面倒をみると言う約束で、次男の殺人の罪を被って島流しになっていた。十年で御赦免で帰ってくると話しが違うと掛け合って殺されていた。殺した者は捕らえたが、旗本から大名・戸田家の留守居役の養子になっている次男には手出しが出来ない。椿は姉妹で仇を打った。妹たちは戸田家の奥女中になり家臣と結婚した。
 永生藩の国許から自然の中で育った草・西山幻影がきた。国家老に言い含められ中丸屋康太夫のいいように使われる。永生藩御用達を狙う、康太夫は現御用達商家の主を殺して行く。最後に大樽屋に押し込みに入った時、萬や鏡音次郎が阻止する。音次郎は幻影を倒し、国許の父親に土産を持ち全てを話しに行く。

2015年6月6日土曜日

犯罪心理捜査官セバスチャン

犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯上 M・ヨート
 セバスチャンは娘とわかったヴァニヤをつけ回していた。元同僚・トレットに頼み家族を調べたりしていた。
 ヴァニヤの側にいるには国家刑事警察の仲間になるのが良いと思い、トルケルを訪ねる。連続殺人事件に遭遇する。殺された4人ともセバスチャンの関係した女子であり、手口は14年前に逮捕されている連続殺人犯ヒンデとそっくりだった。
 ヒンデに会いに行く。
 セバスチャンを付けている者がいる。5人目になる者を探している。

2015年6月5日金曜日

栄次郎江戸暦13

栄次郎江戸暦13 老剣客 小杉健治
 矢内栄次郎は、旗本の次男、三男の無法に腹を立てる。勾引かし殺人の犯人と見るが、証拠が無く、町奉行所も目付けも動かない。栄次郎と見合い話しがある娘の道場の師範代をするような男だった。三人が順に殺される。犯人は道場主・大園主膳だったが、三人供、病死で届けが出される。
 寺の物置きで暮らす老剣士・小野川十兵衛がいた。25,6才の若者・村尾精一郎に剣術を教えている。精一郎は仇を探していた。精一郎の仇が、小野川十兵衛こと向田市十郎だった。
 三十年前の対戦相手大園主膳と向田市十郎との勝負が、大園主膳と村尾精一郎の対決になった。主膳の勝ちとなる。村尾親子は十兵衛との敵討ちをする意志はない。村尾親子は大園道場の門弟となり、将来綾乃と結婚して道場を継ぐかもしれない。全ては岩井文兵衛の仕込んだものだった。

2015年6月4日木曜日

料理人季蔵捕物控27 

料理人季蔵捕物控27 あんず花菓子 第一幕完 和田はつ子
 季蔵とおき玖は出帳料理先で人質になる。
 松代藩と松笠藩のあんず加工の藩外禁止とあんず村の過酷なはなし
 おき玖の出生の秘密・おき玖の母親・ひめ乃は二十年前、母親が何人もの男と不倫するのを許せなく男を殺した。同心だったおき玖の父・先代塩梅屋長次郎はひめ乃と一緒になり店を出した。おき玖が生まれひめ乃は死んだ。
 おき玖を狙ったのは、知らないで育っていた息子をひめ乃に殺された隠居だった。
 同心井沢蔵之進と一緒になる。

2015年6月3日水曜日

剣客春秋親子草3

剣客春秋親子草 面影に立つ 鳥羽亮
 出羽の国島中藩7万石の若様の指南役に千坂道場がなったことで、鬼斎流の者に千坂道場の島中藩の侍が殺される。鬼斎流の意趣返しだが、出世を願う側用人・田代の命による江戸家老暗殺も計画される。
 千坂彦四郎も警護に加わる。
 鬼斎流の使い手・渋沢を倒し、田代も捕らえた。


2015年6月2日火曜日

入り婿侍商い帖(三)

入り婿侍商い帖(三) 女房の声 千野隆司
 関宿藩の飛び地の米も横流しされていることがわかる。藩士の朽木は顔を知られているので、角太郎が調べに行く。検見前に代官所へ運ばれず、直接どこかに運ばれていた。酒になりもうすぐ出荷されるようだ。代官の息が罹らないもので船の荷物改をする。陸地を使った抜け道がある。一歩違いで江戸まで行ってしまう。江戸の町を探索していた嶋津はからの倉庫を知っていた。倉庫前に船があり、佐柄木屋も代官所手代も捕まり、検問を受けていない酒樽と帳簿外の酒樽三百樽の受け取り証、関宿藩江戸家老監物兵庫之助の署名入りの書類、横流し米の利益配分の綴りが押収された。
 「大黒屋は藩領都賀郡内下神村年貢の仕入れを許す」の書状を受け取る。一村分だが、藩御用達になった。
 お万季は少し声がでるようになった。

刀剣目利き神楽坂咲花堂

刀剣目利き神楽坂咲花堂 鬼神の一刀  井川香四郎
 前は上条家に在った三種の神器・掛け軸・刀剣・茶器を探し出し綸太郎は京都へ帰る。いい桃路も玉八も付いて行く。
 松平定信が三種を集め将軍に成りたがった。
 尾張家にあった、幽霊の掛け軸、紀州家にあった、赤楽茶碗、水戸家にあった小烏丸の太刀の三種 綸太郎の息子と言われる龍雅まで登場、偽物だった。
 利休庵清右衛門も死ぬ。

2015年6月1日月曜日

鬼役14

鬼役14 気骨 坂岡真
 加賀の忠臣 矢背蔵人介が一年に一回会う友・杉内が娘を妹夫婦に託したまま亡くなる。
 加賀藩の玉薬役だったが、公儀目付け配下の患者を斬り、役を解かれた。江戸で娘を質にとられ加賀藩の間者として硝石小屋の番人になった。野呂も同じ役目で入り込んでいた。野呂が爆破した後、野呂も杉内も刺客に襲われ、殺された。大目付側の加賀に入り込んだ間者が大目付を裏切り秘密に作られた火薬を横流ししていた。加賀では裏目付け公儀大目付からは信頼を得ていた佐佐部を蔵人介は倒す。
 末期養子 矢背家に居候している卯木卯三郎に養子の話しが持ち上がる。御闕所物奉行・棚田六兵衛の末期養子だった。六兵衛が斬られてなくなった事を知り、蔵人介は調べる。
 大目付・南條壱岐守は賄賂を貰っていた。それを知った四千石の旗本・仙崎家の次男が強請ってきた。壱岐守は仙崎家を潰し、大目付の裏帳簿を付けていた棚田を殺した。証拠を片付けて行く。棚田家は妻が潰した。蔵人介は卯三郎に評定所の控室で南條に最後の決着をつけるのを見せる。
 別れの坂道 御小人目付小頭・浦西正吾は密航を企て蘭学者たちを罠に嵌める。矢背家の長男・鐡太郎も参加しようとする。集まり場所で見たのは集まった五人のうち三人が斬り殺され、二人が捕まったところだった。矢背家にも鐡太郎を捕まえに鳥居の配下が押し寄せる。その前で浦西が町方吟味与力と裏で通じ密造酒の抜け荷で儲けていることを暴露する。その場を納める。吟味方与力は捕まえた二人から渡辺崋山と高野長英の名前を引き出し捕らえた。
 鐡太郎は大阪の緒方洪庵の所へ行った。

隠密家族8

隠密家族8 御落胤 喜安幸夫
 宝永七年 1710年 源六が紀州け五十五万五千石の藩主・吉宗27才になり、妹・佳奈25を藩邸に入るよう迎えに来た。佳奈は断わる。
 吉宗の正室の葬儀に出るよう言われるが、断わる。
 霧生院で針治療と産婆を続ける。
 正徳六年 享保元年 1716年 吉宗33将軍になる。
 享保十三年 1728年 吉宗45才 佳奈43才 冴71才 吉宗の御落胤が現れる。
東海道を江戸に向かう途中、佳奈たち潜みが天一坊・半之助を連れ出した時、毒を塗られた手裏剣を受け、半之助は亡くなる。替え玉を置き東海道を下った天一坊は品川で騙りとして捕縛される。
 佳奈は吉宗に遺髪を渡す。霧生院に帰る。ロクジュは死んだ。トビタとヤクシは隠居し和歌山に帰る。