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2021年3月23日火曜日

足利の血脈

足利の血脈

嘉吉の狐 古河公方誕生 早見俊
 鎌倉公方足利持氏の息子・万寿。忍びさくらに助けられ信濃に匿われる。室町幕府の力を広めようとする義教が赤松満祐に殺され、義政により成氏となった万寿は鎌倉公方となる。本拠を古賀に移し、古河公方となる。
 
清き流れのん源へ 堀越公方滅亡 川越宗一
 義政により鎌倉公方政知が任命され、古賀、堀越に並立することになった。1491年政知死去。長男・茶々丸が次男を殺し家督を強奪。政知の三男が将軍になり伊勢盛時に攻められ滅亡。
 
天の定め 国府台合戦 鈴木英治
 古河公方・よし宇治

宿縁 河越夜合戦 荒山徹

螺旋の龍 足利義輝弑逆 木下昌輝

大禍時  織田信長謀殺 秋山加乃

凪の世 吉連川藩誕生 谷津矢車

2019年5月1日水曜日

闇御庭番〈一〉 裏切老中

闇御庭番〈一〉 裏切老中 早見俊
 「闇御庭番江戸城御駕籠台」改題
 菅沼外記(青山重蔵) 家慶に仕える公儀御庭番 菅沼流気送術の使い手
 家慶と水野忠邦の命令で、中野石翁を罠にはめ追いやることに成功したが、口封じのため命を狙われる。死んだことにして葬儀も終わらせるが、直接家慶に会い、水野と御目付け・鳥居耀蔵の悪政に立ち向かう闇の御庭番になる。

2017年10月30日月曜日

大江戸人情見立て帖 濡れ衣の女

大江戸人情見立て帖 濡れ衣の女 早見俊
 関口平九郎32 旗本二百五十石小普請。刀研ぎと刀の目利きを仕事にする。妻・郁恵33。兄平四郎の許嫁だったが、婚礼の直前病死した。家督を相続した平九郎に嫁いだ。息子・千松5才 母親に内緒で三味線を教える。
 卯之吉24才 湯島天神門前町質屋「万寿屋」の主。母・梅と二人暮らし。
 深尾左門三十半ば 南町奉行所臨時廻同心。
 三人は同じ常磐津の稽古所に通っている。 
 呪いの妖刀 平九郎は卯之吉に目利きを頼まれる。南方権十郎が持ってきたのは相州
伝左文字行平だった。次の日、権十郎は五十両借りたいとやって来る。卯之助は刀を見ないで五十両を貸す。出雲屋三五郎が斬り殺された。南方は刀を受け出しにきていた。南方は出雲屋を殺していた。卯之助に預けた刀は偽物だった。南方は出雲屋の賂を貰ったという濡れ衣で藩を追われていた。出雲屋の手代が南方に賄賂を贈ったと遺書を残し自死したのだった。納戸頭大泉又右衛門が賄賂を貰っていた。噂になり調べが入りそうになったので南方に押し付けていた。今回、藩への帰参と金銭を餌に出雲屋殺しを頼まれた。南方は切腹した。平九郎は 刀の目利きのために大泉に会う。出雲屋殺しの話をする。大泉が刀を抜く。平九郎は大泉の髷を切るり、左文字を斬り折る。大泉は調べられ、切腹した。
人情の真贋 二十年振りに卯之助の父・猪之吉に一両借りた権蔵が返しにきた。猪之吉は暮らしに困っている人に一両を貸していた。一両を返し、利子だと十両を置いて行った。一両は本物だが十両は贋金だった。左門が雲の佐助一味の人相書きを出す。権蔵の顔があった。権蔵が万寿屋に来る。十両が贋金だった。知らなかった。博打で稼いだものだった。自分は泥棒一味だと言う。奉行所に自首した。雲の佐助一味と賭場に出入していた贋金作りの一味も打ち首になった。権蔵は遠島になった。
 濡れ衣の女 三年前、匕首を持って暴れ回る紋次郎を左門は斬った。紋次郎の嫁が衣だった。衣は柳橋の炭問屋駿河屋の主人・徳次郎の妾になっていた。徳次郎が殺され、家に入ったのは衣だけということで衣が犯人だと思われた。左門は納得がいかない。
 二年前、与力と米問屋の不正を摘発しようとしたが、叶わなかった。上役に疎まれ首になりかけたが、与力同心の弱みを握っていたため定町廻を外されただけで済んだ。しかし奉行所の中では浮いた存在だった。また鼻摘み者になるかもしれない。妻・房枝は正しいと思うことをしなされと言ってくれる。
 徳次郎の女房・道と関係を持っている男・短刀投げの曲芸師・団右衛門だった。道は百両を団右衛門に渡す。左門が現れ、団右衛門は捕まった。左門はまた余計なことをしたと見られた。
 武士の矜持 武家屋敷に泥棒が入る、閻魔の籐兵衛がいる。平九郎は刀の目利きのため書院番組頭木島陣十郎宅に行った。盗賊が遁げてきたら斬捨ててやる。と言っていたが、籐兵衛は何もできなかった。前の御前試合の決勝で相手を木刀で敲いてしまい相手は亡くなっていた。そのため足がすくんで打ち込めなかくなっていた。

2017年9月26日火曜日

居眠り同心影御用23 炎剣が奔る

居眠り同心影御用23 炎剣が奔る 早見俊
 蔵間源之助は松平定信から、妾詐欺の横行を知らされ口入れ屋に出向き、注意する。口入れ屋「千手屋」の主・彦次郎が旗本・上柳右兵衛督の隠居所の奉公人の行方不明の相談をされた。源之助は調べ始める。
 上柳家は隣の妙法寺と古井戸で繋がり、寺で開かれる賭場から逃れる道になっていた。朝霧の久兵衛一味の隠れ家であり金の隠し場所でもあった。行方不明の奉公人の死体も見付かった。
 久兵衛の捕縛と内定のため、火盗改め同心・矢野正三郎が久兵衛一味に入り込んでいるという。上柳家で火盗改めに久兵衛一味は殺された。上柳家の用人・前畑がかってにしたこと隠居には関係がないことで終わらせようとした。
 妙法寺の穴蔵にお金が隠されていた。矢野は火盗改めと久兵衛を出し抜き独り占めにするつもりだ。穴蔵の出入口は鉄扉で閉められ、寺に火を付けた。矢野は源之助等を殺そうとしたが矢野はどんでん返しの壁の裏に消え寺は燃え落ちた。
 上柳右兵衛督は評定所に召喚されることになった。
 火盗改め・大井川正蔵は部下が潜入捜査にかこつけて久兵衛の金を懐に入れようとしたことで辞任した。
 源太郎の妻・美津の妊娠を祝った。

2017年8月26日土曜日

小伝馬町牢日誌③ 秋声のうつろい

小伝馬町牢日誌③ 秋声のうつろい 速水俊
 文政十年 1827年 大賀弥四郎 40才
 朴訥の罪 中間・助蔵が主人・旗本宮本太一郎を殺し牢に入った。弟・兵藤正次郎が兄が助蔵に殺されたことに納得がいかないと弥四郎に言う。
 太一郎は、家斉上覧の御前試合において、見事優勝を果たした。相手向井の顔面に怪我を負わせたことを悔やみ、木刀を持てなくなっていた。妻に暴力を振るった。助蔵の奥様を助ける気持ちと太一郎の足がすくむことが相まって助蔵が主人を殺すことになったなったようだ。助蔵は打ち首になった。妻は自害した。
 幽霊力士 元喜多方藩お抱えの相撲取りだった寅五郎が、客を殴り廃業に追い込まれ、商家に押し入り盗みを働くようになり捕まり処刑された。寅五郎の手形を残す盗人が現れた。
寅五郎がやじを飛ばされ殴った男・彦三郎の財産と命を狙うという手紙が届く。寅五郎に用心棒と浄土坊という修験者が付いた。彦五郎は誰も出入しなかったお堂で殺された。犯人は浄土坊だった。彦三郎は一旦殺された真似をし、生き返って寅五郎と戦う手はずになっていたが、死んだ真似をしている時に浄土坊に殺された。浄土坊は寅五郎の手下だった。
 毒婦 四人の男を次々と殺した女・陽が牢に入ってくる。浮田金五郎は陽に取り込まれてしまう。陽は市中引き回しの上小塚原の露と消えた。浮田は十日の出仕停止になった。
陽は嘘を重ね自分の中で真実になってしまっていたのかもしれない。
 狙われた牢名主 牢名主長兵衛が命を狙われた。命を狙った男・亥之吉を調べると、水茶屋の香が浮かんだ。香の実家・酒問屋尾張屋は長兵衛に押し入られ千両盗まれ店が潰れたと言う。長兵衛を殺したいという香の言葉を聞き、亥之吉は長兵衛を殺そうとした。長兵衛は尾張屋は知らないと言う。博徒・甚五郎は香から長兵衛の隠し財産のことを聞き、長兵衛の命を狙う噂を広げ長兵衛を強請り財産を奪うつもりだった。甚五郎と牢から出た長兵衛は壺振り勝負になったがいかさまだったことが分かり、甚五郎は短筒を出す。弥四郎の「立花陽明流居合道奥伝正座逆手斬り」でやられた甚五郎は観念した。
 亥之吉は騙されていたことを知り、香を刺し、自分も死んだ。
 

2016年7月6日水曜日

若さま十兵衛 天下無双の居候4

若さま十兵衛 天下無双の居候4 御前試合 早見俊
 若い娘が殺され、お腹を切り裂かれる事件が三件起こった。三人とも信濃諏訪藩主・福山石見守義里の屋敷奉公を終えた者たちだった。義里の妻・鶴姫は駿河大納言忠長の養女だった。忠長が御前試合を催すというので推挙願いに行く。鶴姫と共に大納言家から供侍として入り、剣術指南役をしている河野新十郎と手合わせする。十兵衛は三人の娘を斬ったのは新十郎だと思う。もう一人辞めた女中がいた。福山家勘定吟味役三百石の鈴鹿籐三郎の娘・君江だった。千両の使途不明金のため河野を糾弾仕様としたやさき、鈴鹿は無実の罪を着せられ娘も一緒にお役御免にされていた。鶴姫は石見守の身の回りのお世話そしていた女中に悋気を起こし、順に殺して子供がいないか見たようだ。君江が狙われた時、籐三郎と十兵衛が守り、十兵衛は新十郎を倒した。
 従三位権中納言八坂小路基経卿が江戸見物のため堅苦しい接待を抜け出して十兵衛の所に来る。浅草で唐人服で力自慢の大道芸を見た。基経が睨み、虎を大人しくさせた。鬼一法眼が開いた、鞍馬流法眼流を使う。
 平戸屋が襲われ、店の者と奉行所の捕り方が殺された。大道芸をしていた者が犯人だった。平戸屋は海賊団「蛇牙」に加担していた。隠してあった略奪品を略奪してきていた。海賊一味が復讐と略奪品の奪還にやってきたのだった。平戸屋の手代・善次郎が一人生き残った証言だった。基経と十兵衛で海賊一味を片づけた。基経は善次郎を殺した。
 助蔵が風吉爺さんと出会う。宮本武蔵に敗れた吉岡憲法・清十郎だった。遅れて来て後ろから狙うという卑怯な手に負けても負けは負けと剣を捨て欲を捨てた自然な剣になっていた。宮本武蔵が剣道指導をしている明石藩小笠原の家来・飯尾源之進が清十郎を倒そうと挑んで来る。飯尾は敗れた。
 家光と十兵衛の父・宗矩がお忍びで富士見湯の二階にやってきた。忠長の御前試合に出て、忠長の様子を探って来いという。家光と手合わせをしているのを巴が見て、家光に基本が出来ていないと指導した。将軍とは知らない。
 御前試合に出るために東海道を下る。忠長の側室・麻衣の方を護ることになった。真剣の部は柳生十兵衛が優勝し、木刀の部では鈴鹿籐三郎が優勝した。
 終わる寸前、柳生但馬が馬で乗りつけ、駿府城下に逃げてきた盗賊たちの捕縛の助勢を頼みに来た。遠藤出羽守雅盛が、盗賊たちを出場者に見せかけ道中手形を発行し江戸から逃す代わりに、盗んだ金子と財宝の半分を自分の物にしようとした。旅の途中やたら出場者が多かったのと麻衣の方も盗賊だった。麻衣の方と言う側室はいなかった。
 

2016年6月21日火曜日

道具侍隠密帳【四】

道具侍隠密帳【四】 天空の御用 早見俊
天保十年 1839
能登川清兵衛は非役の小普請組だから将軍御側衆・上野権十郎久唯から報償金を餌に便利に使われている。上野は御側衆から御側御用取次への出世を狙っている。
 武蔵国多摩郡菊里村の五千石上月家が改易になった。上月家は南朝の末裔だったが血筋が途絶えた。隠し財産があると専らの評判で、隠密が三人行方不明になったようだ。隠密行方不明の件の探索をすることになった。清兵衛は菊里村で地下蔵を見付け宝物を見付けた。それは盗人たちが盗んだ物だった。菊里村は盗人が盗んだ物を預かってお金を儲けていた。上月家は三千五百石しかなく、百姓から税を徴収したこともないようなところだった。
 清兵衛は徒目付になった。役高百俵五人扶持、上野には上月家の所領のうちの五百石が加増になった。

2016年3月11日金曜日

若さま十兵衛 天下無双の居候3

若さま十兵衛 天下無双の居候3 謀叛 早見俊
 寛永七年 1630年
 山本勘助の弟子を自称する石動玄道斎の兵法指南所が流行る。
 豊臣の残党米山三津五郎が現れ、伊達政宗や柳生但馬守宗矩の命を狙っているという。
 十兵衛は政宗と組み政宗を囮に米山三津五郎をおびき出す。石動玄道斎が米山を打ち取ったりと現れる。十兵衛は玄道斎が米山であることを見抜く。騙されていた玄道斎の弟子湯川健太郎が玄道斎を倒す。湯川は由井正雪と名乗り学びの旅に出る。
 

三日徹夜をしてしまった。

2015年12月5日土曜日

道具侍隠密帳(三)

道具侍隠密帳(三) 獣の涙 早見俊
 能登川清兵衛は木暮十四郎と出会う。十四郎は御家人大下道場の師範代をしている。大下道場の門弟たちは、京塚長門守に騙され、火付けの犯人にされそうになる。屋敷で虎や熊、大蛇や鰐を飼う京塚は人を獣のエサにしている。清兵衛は熊の小屋にほり込まれる。
 大下道場の門下生を付け火の犯人にしようとしている時、町奉行所が出張る。逃げた京塚を追いかけ屋敷に行った清兵衛は、峰助が作った戦車で乗り込む。京塚は鰐のいる堀にはまる。
 大下が亡くなり十四郎は大下の娘・由紀と祝言をあげ道場を継ぐ事になった。

2015年10月31日土曜日

若さま十兵衛  若さま十兵衛・天下無双の居候2

若さま十兵衛・天下無双の居候 早見俊
 十兵衛・幕府総目付、将軍家兵法指南役・柳生但馬守宗矩の嫡男 柳生十兵衛
 関ヶ原の戦いから29年、寛永六年 1629年 徳川家光
 三年前、家光の勘気を被り蟄居になった。回国修業の後、江戸に戻り、日本橋の湯屋『富士の湯』に居候している。
 家光ではないかと言われる辻斬り退治をしたり、天狗になったように強くなって奥方を見返そうとした婿養子の旗本の事件を解決する。
 下野鹿沼藩・米倉備前守正影が毒殺され、旗本になっていた。犯人は医師戸と思われていたが奥様だったことを十兵衛が暴く。
 贋宮本武蔵が現れる。十兵衛と対決し剣士として死ぬ。

若さま十兵衛・天下無双の居候2 暗殺 早見俊
 柳生但馬守が命を狙われ、勾引かされる。十兵衛は父親を返して欲しければ、老中木崎備前守正行を暗殺するように言われる。
 木崎の息子と御前試合をし、息子を負かしたために、難癖をつけられ隠居に追い込まれた旗本の娘がやったっことだった。父親は切腹しそれで納めようとした但馬守だったが、木崎の用人南方九十郎が現れそれだけでは済まされなかった。娘も自害する。
 鼠と称する泥棒事件、商家の自作自演の泥棒劇を暴く。
 養子に行った弟が、実家の兄を化け猫騒動で狂わし、死に追い詰め自分の息子を旗本の跡継ぎにしようとした事件。
 薬種問屋筑後屋の息子を勾引かし、五百両を奪い、子供を殺された事件が起きた。薬種問屋の組合を作り、肝煎りになるために木崎への賄賂のための五百両だった。木崎は駿河屋から八百両貰い、あと二百両要求する。筑後屋は五百両を要求されたため、老中の土井大炊頭に訴えるといい、殺される。
 江戸湾に海賊船が現れる。十兵衛は木崎に海賊船を退治するために作る、所司代の束ねになって欲しいと頼まれる。所司代には浪人が集められる。十兵衛たち数人が残り、海賊をやっつけた時、駿河屋と南方が現れ、十兵衛を殺そうとする。十兵衛は生き残り、木崎は切腹する。
 

2015年9月20日日曜日

婿同心捕物控え3

婿同心捕物控え3 踊る女狐 早見俊
 文化九年 1826年
 先手弓組み同心・火付け盗賊改方同心・桐生直次郎26才は、商家に入り稲荷から油揚げ一枚を盗み『女狐のお陽参上』の書き付けを残すお陽を捕まえることになった。
直次郎は箱根で捕まった、地蔵の権太を引き取りに行くが、逃がしてしまう。
 南町奉行所定町廻り同心・向井庄之助・直次郎の道場仲間は、足をくじいたお久美と知りあう。お久美はお陽だった。捕まえる。お久美に油揚げの盗みをさせていたのは権太だった。権太を取り逃がし行方不明になる。
 凶悪犯の悪鬼の兵五郎一味を追いかけいる。兵五郎の情報が投げ文で知らされ、手下が捕まる。直次郎の実家・布袋屋に兵五郎が押し入ると知らされ、火盗改が兵五郎を捕まえる。
 権太は兵五郎に押し入られ皆殺しにされた大阪の商家の息子だった。兵五郎の仲間に入り捕縛されるように火盗に情報を流した。仲間に入るために大金を隠してある稲荷を探している風を装ったのだった。
 

2015年9月13日日曜日

見習い同心如月右京3

見習い同心如月右京3 かなしみ観音 早見俊
 文政六年 1823年 八月
 幻の女 佐々木信吾は苦しんでいる女を出会い茶屋で休ませた。信吾は寝てしまい、目を覚ますと信吾の脇差しで男が死んでいた。信吾は目付に捕まる。信吾が女と思ったのは男だった。出会い茶屋の主人と一緒に美人局をするつもりだった。出会い茶屋の主人が邪魔になり男を殺したのだった。
 あの世からの文 五年前に亡くなった娘・お雪から手紙が来たという。高級料亭の双子の娘・お幸が、死んだお雪のことばかり考えてる両親に、こちらを向いて欲しいためにやったことだった。
 お隅登場 後妻に入った商家の主人が吝嗇化でまるで女中に来たみたいなものと思い、主人を殺してしまう。右京が見破る。
 七体の観音像 盗賊の引き込みがコッソリ作った鍵を、仏師に頼んで観音像の台座に引き出しを作ってもらい納めた。仏師は七体作り、自分のところに鍵を置いておく。盗賊は観音像を盗み、右京が調べることになる。盗賊は贋鍵を持って盗みに入る所を捕まる。仏師は自分が商家に入り千両盗み出すが、右京に見付かり、右京の剣に倒れる。
仏師は元侍だった。上司が賄賂を受け取っているのを知ったため、両替商と上司に罠に嵌められ藩を出た。その両替商の鍵だった。

2015年9月12日土曜日

見習い同心如月右京1

見習い同心如月右京1 予言殺人 早見俊
 文政五年 1822年 師走
 予言殺人 金貸しをしている商家の主が、右京やお美弥が信吾が張り込んでいたにも関わらず、予言通りに死んだ。予言が大丈夫だったと朝湯に入り心臓発作でなくなった。氷室の氷が運び出されていたのを見て右京は犯人を下働きの兄妹と見破る。主が入ったのは水風呂だった。兄妹はお金を借りたため死ぬ嵌めになった親の敵討ちだった。
 毒は剣より強し 道場で我が物顔の師範代を道場主の妻が毒殺した。妻は前から少しづつ毒を飲み、正月の席で同じ大杯の酒を飲んだ。師範代は亡くなり、妻は大丈夫だった。右京が暴いた時、妻は自死した。
 白髪頭に悪人無し 盗賊になり三千両を寮に埋め亡くなった息子を盗賊社会に引きずり込んだ盗賊の首領をおびき出すために、写経をしてくれる、白髪頭の男を募集する。
やって来た男の首を締め首つりに見せ殺す。右京が訪ねると自供した。
 隠密には向かない男 仕事熱心な隠密。おまえは隠密に向かない。と言われ、町人の中で暮らすことを命じられる。長屋の者を見張れと言うことだと思い、手習い塾の浪人を見張る。みなで由井正雪のお芝居の練習を謀反の相談をしていると勘違いし、忍び込む。出てきたところを長屋の女に見られ、女を殺してしまう。右京は決闘で隠密を倒す。

2015年9月4日金曜日

見習い同心如月右京2

見習い同心如月右京2 宿命剣 早見俊
 文化六年 1823年5月
 如月右京26才 半年前兄・右門が亡くなり蘭学者になるつもりで長崎留学より帰ったばかりの右京は見習い同心になった。如月家の長屋に住む小者矢吉の娘18才を小者にする。右京は南町奉行所筆頭同心佐々木信吾に付く。
 八才の子供が次々に殺される。蘭学者工藤伊織の息子三四郎は下総船橋城主松林伊勢守の息子だった。側室雪が、正室から命を狙われ、お腹の子供共々伊織と一緒になり、隠れていた。
今また、三四郎の命を狙われ、同じ産婆により出産した子供が二人殺された。三人目は商家の主が実の子供可愛さに実子でない長男を殺していた。産婆が自殺し、二人の子供を殺したように見せかけていたが、三四郎を殺しそこねたため、松林家の家老の放った隠密の正体が露見した。奥山の花村一座が隠密の隠れ蓑、桔梗は桐生一族の七代目だった。
 右京は西洋剣の名手だった。

2015年8月17日月曜日

せっこの平蔵道場ごよみ2

せっこの平蔵道場ごよみ2 ちぎりの渡し 早見俊
 盛岡藩南部家から上覧試合にでる四人を預かり手ほどきをする。優勝する。決勝戦の相手の津軽藩士・峰山は、千葉周作に付いていた。峰山から試合前に相手・菱沼源吾を襲い、手傷を負わせたと聞いた周作は峰山の腕を木刀で打ち据えていた。周作は津軽藩の剣術指南を辞める。
 峰山は浪人を集め、平蔵と周作と津軽藩士を襲おうとした下斗米秀之進を殺そうとする。門人を人質にし、三人を呼び出す。三人が浪人たちを叩きのめした後、町方が来る。浪人たちは盗賊もしていた。
 江戸川千斎と言う学者と知り合い、四十年前に悔恨を残した女に対し千斎の思いに一肌脱ぐ、お由は千斎から貰った二百両で同郷の女を身請けし、一緒に郷里に帰る。
 徳三郎の恋の相手・お貞の行方不明の旦那を探し出し、良くない仲間から救い出す。奉行所に出頭する。そして盗みをする浪人集団が捕まった。

2015年8月10日月曜日

せっこの平蔵道場ごよみ

せっこの平蔵道場ごよみ 早見俊
 文化13年 1816
 久松平蔵23は盛岡藩南部家の若君・吉次郎の剣術指南をするが、嫌われてしまう。父は国許で寺社御町奉行、兄は御目付、平蔵も寺社御町奉行与力だったが、藩を離れる。千葉周作と手合わせしたいと思っている。
 文政4年 1821年 平蔵28才 妻・春菜24
 三年前に深川今川町の中西派一刀流十時道場に婿入りして十時平蔵になる。
 叔父に呼ばれ盛岡藩の上屋敷に行き、新しく藩主になった利用(としもち)15に家斉に拝謁時に鉄瓶割りをみせなければならなくなったから剣術指南を依頼される。
 商家の若旦那が勘当され唐茄子売りをしているのに手を貸す。長屋のもめ事に巻き込まれれ、やくざが家主を脅し、仲間を大家にし、同心にも袖の下を渡していたことが明らかになった。
 春菜が叔父さんと呼ぶ杉田伝九郎が道場を訪れ、遠州磐田の松山家の剣術指南役の仕官の話しを持って来た。十両いるという。詐欺だった。平蔵は伝九郎と試合をし手首の骨を折り、十両渡し、道場に近づかないように言い、春菜の夢を壊すなと言う。春菜に解らないようにしたが、春菜は見ていた。
 浮世亭珍朝は兄弟子・珍助に美人局の芝居をうたれ、克服し一段高みに上った。
 段階を踏み鉄瓶を斬ることが出来た。半蔵は5年前の若殿では無いことに気がついた。若殿は亡くなり、南部一族の信浄の三男善太郎だった。
 道場に千葉周作が訪れた。平蔵は留守だった。
 

2015年6月19日金曜日

道具侍隠密帳二

道具侍隠密帳二 囮の御用 早見俊
 天保八年 1837年
 能登川清兵衛27は将軍御側衆・上野権十郎久唯から、誰が抜け荷で処刑された濱田藩松平周防守康任と廻船問屋会津屋の抜け荷を継承しているかを調べるように言われる。
 清兵衛は会津屋の残党・隠岐の万次郎が探している、金のマリア像を仕込みおびき出すが失敗する。マリア像の中に会津屋が隠した抜け荷の品を隠した場所の地図が隠してあるようだ。
 万次郎と手を組む幕閣の者が解らない。老中水野忠邦は益田藩片岡備前守だと思っている。片岡は上野を自分の代わりにしようと思い、万次郎に相談し、清兵衛と上野を罠に嵌め、二人は浦賀奉行に捕まる。切腹になるような噂を流し、安心している所にマリア像の罠を仕掛ける。清兵衛は万次郎が益田藩の藩船へ乗り込んだ所で捕らえる。
 片岡は永蟄居、万次郎は打ち首になった。
 今回使った道具はブーメランと手首から飛び出す針、空を飛ぶ大凧

2015年4月28日火曜日

闇御庭番始末帖

闇御庭番始末帖 遠山追放 早見俊
 天保十三年 1843年
 元公儀御庭番・菅沼外記 将軍の密命で動く。
 11月 近江大一揆の百姓の生の声を聞く。裁判のために江戸に送られた首謀者のなかの一人が逃げた。捕まるまでの間で意見を聞くことが出来た。
 12月 老中・井上正春を水野と鳥居から助けよ。26年前正春の父・正甫が、村の女房に狼藉を働いた事で、正甫は隠居、井上家は、棚倉に領地替えになっていた。老中水野越前守忠邦は邪魔な正春を取り除くため26年前のことを蒸し返す。外記は狼藉を働いたのは鳥居だったことを調べ出すが、遅く、正春は罷免されるが切腹は免れた。
 天保十四年 1月 水野と鳥居の専横を止めるため遠山を助けること。鳥居が、高島秋帆の護送される途中を襲い、江川太郎左衛門が救い出そうとしたように見せかけ、どさくさに紛れて秋帆を殺そうと計画していることがわかった。高島が死に、江川は罪に問われることが狙いだ。外記は真中正助とともに阻止する。
 2月 遠山左衛門丞が江川の吟味をすることになったのが気に入らない鳥居は、自分が吟味をするために遠山の追い落としを画策する。蛮社の獄で御咎めを受けた者と、遠山との書き付けが鳥居の手に渡る。書き付けは奪い返したが、親交があったことで町奉行を辞めさせられ、大目付になった。
 
 

2015年4月24日金曜日

大江戸『町』物語

大江戸『町』物語
 八丁堀 八丁堀の刃 小杉健治
 隠密同心の罠に嵌まりお頭が捕まったと思っていた長太は同じ同心を殺そうと、八丁堀の学者下男をしていた。同心からお頭の話を聞いた。お頭と同心は組んだ。お頭は手下が人を殺すことに躊躇いがなくなっていたので足を洗うことを考えていた。手下は拒んだ。長太は入ったばかりで何もしていないので同心にかたぎになるよう頼んでいた。
 湯島 介錯人別所龍玄始末 辻堂魁
 出戻った百合25才と15年振りに会った五日後、別所龍玄20才は、母親の兄に結婚の申し込みに行ってもらった。父親・家禄200俵の旗本・丸山織之助には断わられたが、本人・百合は受け入れ、三ヶ月後に嫁に来た。
 旗本村越家へ介錯に行く。次男、村越小六は切腹間際に暴れ、家族に手傷を負わせる。龍玄も傷付けられるが、、小六の首を討つ。小六は戯作者だった。稼ぎは家のために使い、支配役より喚問状が届くと、長男夫婦は家を守るために切腹させようとしたのだった。
 内藤新宿 とぼけた男 中谷航太郎
 享保三年 1718年 隠密同心美津田と吉原の牛太郎が組んで、内藤新宿を牛耳る源蔵を潰した。
 浅草 香り路地 倉坂鬼一郎
 看板もないが、おいしい鰻屋の主の妻と娘は一ヶ月に一日店を手伝う幽霊だった。主は病気で先がない。三代続いたたれを桜村の弟子・料理屋を開く杏に教えてなくなった。幽霊になってしまった娘の許嫁だった・白玉は娘の所に行くために自殺する。
 両国 やっておくれな 早見俊
 両国広小路で、根岸宗之助は「あの人のことやっておくれな」と言う声を聞く。三河屋の主が殺される。後添えが怪しいと宗之助は調べて行く。後添えの元情夫も殺されていた。犯人は宗之助たちが行くめし屋の女中だった。三河屋の主が刺し殺されたと言うことを知っていたことで宗之助が気がついた。後添えを犯人に仕立てようとした。
 

2015年4月18日土曜日

大江戸「町」物語4 光(あかり)

大江戸「町」物語4 光(あかり)
 宿場の光 千住宿 上田秀人
 奥州棚倉内藤家六万石 国許対江戸のお家騒動があった。国替えの為の賄賂を要請する江戸側と借金返済をしようとする国許。殿様の意向で国許の勝ち。両派の融和のため、国許の勘定奉行の嫡子安積新之介を江戸家老・順性寺内膳の一人娘・香保の婿にすることになった。新之介は婿として扱って貰えず、国許からは江戸派と見られ、脱藩した。
 廻り橋 芝 倉坂鬼一郎
 羽二重布を摘んで形を作る、つまみ簪の職人・巳之助。祝言を挙げるはずだった幼馴染みの糸が事故で亡くなり七年が経った。毎日、神明宮に糸に会わせて欲しいと願っている。夢でここに行くように言われた。とやって来た娘・さとが簪作りの弟子になり、妻になることになった。巳之助は事故現場で糸に会えた、さとに会わせてくれてありがとうと礼をいう。巳之助が作る寂しそうな簪が明るくなった。
 介錯人別所龍玄始末 悲恋 板橋宿・志村 辻堂魁
 別所龍玄 首打ち役三代目 22才 二年前に幼馴染みの5才年上の旗本の娘・百合と結婚、娘・杏子が生まれる。8ヶ月
 男と駆落ちし、今は一人で暮らす、夫婦の幼馴染みの峰26に家に帰るよう言う。母親一人で八百屋を切り盛りし頑張っている。
 24才の勘定方を務める原田準の介錯をする。錯乱した侍が最後を迎えた。
 仇でござる 両国 早見俊
 両国広小路で大道芸人をしている根岸宗之助は、紗代・兵太郎姉弟から仇と間違えられた。紗代の許嫁・近松から助太刀を頼まれる。仇・大宮を見付ける。紗代が会いに来る。悪い事をしたのは父であることを知っている。自分が好きなのは大宮であることを告白する。
 対決の時、大宮は討たれるつもりだったが、話しをしている最中に背後から近松にいきなり斬り付けられ思わず斬ってしまう。
 宗之助は、大宮の髷を切り落とし、兵太郎に渡し、紗代と大宮を逃がす。