2015年11月30日月曜日

よい豊

よい豊 梶よう子
 安政五年 1858年 九月六日 初代歌川広重没 62才
 文久元年 1861年 三月五日 歌川国芳没 65才
 元治元年 1864年 十二月十五日 三代歌川豊国(初代国貞)没 79才
  
 清太郎・三代豊国の娘婿・二代国貞は三代豊国は何も言い残さず、亡くなり、弟弟子にすごいのがいるため四代を継ぐと言い切れない。明治になってしまう。豊国を名乗るが卒中で右手が利かなくなる。印刷機が入り、手摺りや彫師がいなくなる。

2015年11月29日日曜日

風の市兵衛16

風の市兵衛16 秋しぐれ 辻堂魁
 唐木市兵衛は御徒組旗本竹崎伊之助の百両の借金返済をどうするか相談される。養子の伊之助は妾に使った借金を家とは別で考えているらしい。伊之助は両国の無頼の徒・観音の吉五郎と杯を交わした仲だ。市兵衛は札差し・橋本屋に利子を年6分で計算し直し、遊び人の三男・順吉に御家人との養子話しを持って行く。
 市兵衛は、札差し・橋本屋から、順吉の馴染みの茶屋の茶汲み女・お秀のお腹に子供ができ、元相撲取りの父親・鬼一がお金を要求しているようだから話しを付けるように頼まれる。
 市兵衛はお秀と鬼一に会い話しを聴く。鬼一は15年前、観音の吉五郎の父親たちに命を狙われた。突いた拍子に川にはまり襲った方が亡くなっていた。鬼一は江戸所払いになっていたが、妻と娘に会いに帰ってきたのだった。
 尾張家で鬼一は関脇又右衛門と最後の相撲をとった。吉五郎が仇討ちだと鬼一を殺しに来る。市兵衛は駆け付け、その場にいた竹崎伊之助を斬る。鬼一は亡くなる。お秀が納骨する時、相撲取りが集まってくれる。市兵衛は鬼一から預かった50両をお秀に渡す。
 橋本屋はお秀を気に入り、順吉と二人で御家人の養子になる話しを進めてくれるよう頼む。
 

2015年11月28日土曜日

浪人榊市之助

浪人榊市之助 宝剣始末 小杉健治
 文政六年 1823年
 信州高尾藩上松家七万石
 市之助は江戸屋敷で盗まれた「白鷺の短剣」を取り返すという密命を受けた。世継ぎの証明に与えられた物だった。盗賊白波郷太夫が盗んだと置き文があった。
 市之助は上司の妻と密通し、逃げたことになっていた。市之助は浪人になって江戸深川に潜伏する。深川芸者・小よしを介して連絡が来る。小よしも知らない事だったが、市之助に密命を下した国家老・平木主水は小よしの父親だった。
 市之助が白波郷太夫だと思っていた、献残屋・加賀屋清兵衛の店に泥棒が入り、二人が殺され短剣が奪われた。もともと白波に盗まれたとして次席家老・国枝甚左衛門一派の江戸留守居役・大島龍之介が加賀屋に預けていた。名を騙られた白波郷太夫が加賀屋から盗み出していた。全てを知っている加賀屋が邪魔になった大島は加賀屋を殺そうとする。市之介に助けられ、全てを話す。
 自分の正体を知られた下駄屋の隠居・白波郷太夫は小よしを殺しにかかる。父親から小太刀と柔術を習った小よしは白波一派五人を捕まえる。白波から短剣の隠し場所を聞きだしていた小よしは市之助に知らせ、市之助は短剣を上屋敷に届け、信州に旅立った。
 一ヶ月が経った。榊市之助は今度のことで武士がいやになった。と暇を取って江戸に帰って来た。

2015年11月27日金曜日

冷飯食い小熊十兵衛

冷飯食い小熊十兵衛 開運指南 小早川涼
 十兵衛に抱かれると心願がかなう。そんな裏商売をしている小熊十兵衛。貧乏旗本の末っ子の六男、生家を飛び出し長屋で生活している。
 奉公先の田沼龍介を老中にして欲しいと千代が来る。一年後、龍介が他家に奉公に出た千代が自死し、幽霊になって現れると言いに来る。龍介は千代は自死する筈がない。という。二人で幽霊払いになって西目家に乗り込む。
 幽霊は西目家の奥様・琴絵だった。幽霊琴絵は十兵衛に憑いて長屋にくる。琴絵はしゃべれない。離婚することが心願だという。
 用人は土蔵から琴絵の髪飾り等を持ち出しお金に替えていた。長屋に労咳の妻がいた。琴絵は妻から労咳を引き受ける。
 千代は琴絵に似ていたことと主が福寿草の根から毒を抽出しているのを見たために正妻になるよう言われていた。千代は断わっていたが、妾が知り、千代を殺していた。
全てが明るみに出た。千代を呼んで来てもらう代わりにもう少し琴絵がこの世にいることを許可したため、琴絵は十兵衛に憑いたままだ。

2015年11月26日木曜日

雇われ師範・豊之助2

雇われ師範・豊之助2 ぬか喜び 千野隆司
 永田豊之助 家禄三千石 父は永田備前守正直・北町奉行 三男で養子に行くのが嫌で下谷練塀小路の中西道場の師範代受託を伝えると、町道場の立て直しを言われた。門弟がいない町道場の師範代になった。子供三人、線香屋の隠居61、軽業師・千代丸25が門弟だ。千代丸は売られた姉・たえを探していた。
 金貸し・若 若の孫・稲荷鮨を屋台で商う文太郎の娘・美代19 豊之助は若の用心棒をしながら若の家に住み込み師範代をする。
 海産物問屋・越中屋が二人組の賊に襲われているところを助けた。越中屋が声掛けしてくれたおかげで14人もの門弟が入った。
 越中屋が何故襲われたか。誰が襲ったか調べていく。二年前に海産物問屋・相模屋の主が海産物問屋・安房屋の息子・彦太郎に殺されていた。その後のし上がったのが越中屋だった。越中屋を襲った二人組の賊は安房屋の元主と次男だった。長男が相模屋の主を殺したために闕所、十里四方追放になっていた。相模屋の主を殺したのは越中屋で、彦太郎は殺人現場に運ばれ匕首を握らされていたことが分かった。安房屋の二人の命が狙われ、襲ってきた所を捕まえ、二年前の事件も明るみに出た。
 越中屋のお声がかりで来た門弟はまたいなくなった。
 
 

2015年11月25日水曜日

ふるさと銀河線

ふるさと銀河線 軌道春秋 高田郁
 お弁当ふたつ いつもと同じように出かける夫が二ヶ月前にリストラされていることが分かった。一日夫を付ける。夫は房総半島を一周していた。自分のお弁当を持ち同じ電車に乗り、お弁当の時間隣に座って一緒に食べる。
 車窓家族 古びた文化住宅の二階の部屋、電車の窓から見える一室に暮らす老夫婦。部屋に明かりをつけてもカーテンを引かず、電車からそれぞれが老夫婦を見ていた。電車はいつも信号待ちで停車する。点検のため停車が長くなった日も、前日も部屋に電気がつかなかった事を気にする乗客が、いつも温かく見ていた事を話す。新しい照明が付く。
 ムシヤシナイ 大阪の駅そばの店長の所へ、東京の孫・中三が来る。東京の大学へ行き、就職し結婚し、親の所に寄りつかなくなった息子の子供だ。小学校の頃に勉強に追いまくられていた。一緒にいると父親を殺したくなる。と言う孫。ネギの小口切りをいっぱいする。包丁はネギを切る物、使い方が解ったからもう親を殺そうとは思わないよというおじいちゃん。孫は帰って行った。
 ふるさと銀河線 両親を亡くし兄と二人きりの星子、兄はふるさと銀河線の運転士をしている。高校を選ぶにあたって陸別を離れる決心がつかない星子。羽ばたく勇気・・・。帯広の高校を受験した。
 返信 陸別に来ている。という、15年前の息子からのはがきを持って陸別に来た老夫婦。息子は三年前に亡くなっていた。陸別は息子が来た15年前とは全然違っていた。月のない夜に、無数の星を見た時、息子を感じた。徹へ 二人で陸別に来ています。ここはお前に会える町です。と返信を書いた。
 雨を聴く午後 就職して証券会社に勤める忠。バブルがはじけてやり切れない。気が付いたら八年前、大学生の時に住んでいたアパートがあった。合い鍵を持っている忠は不法侵入する。ダイジョウブというインコ、安らぎを得られた忠は何度も侵入する。文章を読んでしまう。断酒に失敗して傷つけた夫への贖罪、孤独に耐え、弱さを自覚して必死でいきようとしていた。忠は鍵を川に棄てる。
 あなたへの伝言 みゆきは結婚し夫しか頼る人の無い生活をしていた。夫が仕事が忙しく寂しさをお酒で紛らわせていた。バブルが崩壊して家に帰った夫が見たのはみゆきの泥酔する姿だった。別居した。夫の乗る電車に合わせて白いソックスを干す。酒に手を出せばインコの世話が出来なくなりインコは死ぬ。そうならないように夫から送られたインコ。ソックスは今日も大丈夫の合図だった。アルコール依存症から立ち直った先輩、その人が姪の結婚式でアルコールを飲み前と同じになる。ショックを受けたみゆきにインコはダイジョウブを繰り返す。白いソックスを洗い窓辺に干す。今日は飲まない。
 晩夏光 自分が認知症になって行くのが分かるなつ乃。まだ分かるうちにノートに書きためる。息子に伝えたい事、した事、そのノートが何なのか解らなくなる。恐ろしかった時を過ぎ、今は晩夏光の様だと言う老母。息子と分からない男に話しかける。
 幸福が遠すぎたら 二千一年に十六年前のはがきが届く。大学時代の友人から、梅と桜と桃と三人で会う。36才。桃は銀行の法務室勤務、肝臓ガンが見付かり手術する、同時にC型肝炎のキャリアである事が分かり妻とは別居。梅の結婚式以来だねという。奥さんは、六年前の震災で初産のため帰っていた実家で亡くなっていた。桜は母に電話して言い出せなかった造り酒屋の倒産のことを話す。でも立ち直って見せるからと。

2015年11月24日火曜日

天女湯おれん3

天女湯おれん2 春色恋ぐるい 諸田玲子
 世間を騒がせている鼠小僧が捕まった。おれんは鼠小僧の味方だ。処刑された。天女湯に鼬小僧が進入。捕まえると与平の息子与吉だった。与吉は風呂焚きに雇われた。与吉が付き合っているおちよはお腹に子がいた。与平も与吉も承知で祝言を挙げた。次郎吉が生まれた。
 戯作者・為永春水が近くに住み、風呂に来る。取り巻きの旗本の息子に頼まれ、大谷一之丞の旗本に嫁いでいる幼馴染み・美弥を屋敷から連れ出し鎌倉の東慶寺まで送った。美弥は御役が欲しい夫に上役の床相手をさせられていた。
 おれんは市之丞の友達・深津昌之助と恋仲になる。昌之助は旗本の次男だが、兄が病気で昌之助が跡取りとなる。縁談が整いそうな昌之助におれんは養子を取る事が決まったと嘘を告げる。
 天女湯で出会った、薬種問屋の娘と上州の庄屋の三男との縁談がまとまった。庄屋の三男と言っていた忠三郎は盗賊の仲間だった。忠三郎は足を洗うつもりで婿に入ったが店があまりにもお金に困っていたので最後の仕事のつもりで盗賊に加わっていた。
 新村左近・国許に帰った武士が江戸へ帰って来た。

2015年11月23日月曜日

ぜえろく武士道覚書3

ぜえろく武士道覚書3 一閃なり(上) 門田泰明
 町中に一家を皆殺しにする盗賊団、女狐の雷造一味が出没。
 胡蝶の女将・高柳早苗に言い寄る村山寅太郎が現れる。早苗に祇園下町代になるよう話しがくる。
 松平政宗が出会った娘・津山早苗は32年前藩主青山和泉守に凌辱され書き付けを残し自死していた。早苗の父と許嫁が書面で幕府に訴え、後藩主に斬り付けた。青山は死なず、紀州藩お預けとなり六年後男の子を出産、母親は亡くなり、一ヶ月後青山も亡くなる。生まれた男の子が村山寅太郎だった。
 高柳早苗のために江戸へ行こうとした政宗だったが、お忍びで来た大老酒井雅楽頭忠清の二条城での護衛をすることになった。だが、酒井大老ではなく、将軍家綱29だった。政宗も正三位大納言・左近衛大将・松平政宗と名乗る。甲州一刀流華厳の構えの十六人の刺客が現れる。逆華厳の構えの政宗が十二人を倒し四人は自死する。家綱の腰元三人は殺されていた。二人は一緒に風呂に入る。用意してあった着物は徳川一門の家紋が染め散らされた着物だった。身分を聞く家綱に何も言わず家に帰る。政宗は菊の家紋の着物に着替える。
 政宗の屋敷・紅葉屋敷に家綱の護衛・唐木得兵衛の死体が投げ込まれた。

2015年11月22日日曜日

百万両の伊達男4

百万両の伊達男4 雲隠れ 稲葉稔
 桜井慎之介は仏壇屋「芳徳」の若旦那・長兵衛探しを請け負う。お勢とおふうという二人の女を探す。お勢が殺されて見付かった。長兵衛はお勢と結婚するつもりだったが、両親に反対されていた。お勢を殺したのは元亭主・今太郎だった。今太郎も自殺死体で見付かる。
 おふうを鎌洗の源七の元から連れ出し逃げる。源七一家に追われるのが面倒と思いかけた頃、源七の前栽問屋の完右衛門殺しが分かったため、沢嶋又三郎、多々良順蔵等町方に知らせ捕まるようお膳立てする。
 長兵衛は両親に殺されていた。揉み合い突いた拍子に箪笥の角で頭を打って。土蔵の横に埋められていた。慎之介は黙っていれば百両になるところが、御上に知らせ、二人は島送りになった。店は妹が継ぎ番頭が頑張る。
 おふうは心を入れ替え、お松と木更津へ旅立った。

2015年11月21日土曜日

おちゃっぴい

おちゃっぴい 大江戸八百八 堀川アサコ
 天涯孤独の刺青彫師・青治
 青治に片思いの剣術道場師範代・巴、
 巴を好きな岡っ引き桃助。
 怪人 ハシ小僧の盗品の隠し場所を背中に刺青した男が殺される。ハシ小僧の盗品をネコババし大店になった武蔵屋は財産の出所を隠すために生きミイラのご利益の話を作り、ごまかしていた。ハシ小僧は隠し場所を弟分の背中に彫っていた。そのために武蔵屋は男を殺した。6年前から、江戸に戻れば母親を殺すと脅して、桃助を隠し場所の洞屈に住まわした。行方不明だった桃助がもどった。
 太郎塚 十年前、結城屋の長兵衛は猪に刺され大怪我をした。丸薬で治った長兵衛に与茂吉は長兵衛の息子・太郎の肝で作った児干を飲ませた、と言った。現在、長兵衛は太郎塚を立て墓守をしている。店は弟の由十郎が継ぎ、跡取りがいないため、巴の道場にいる捨て子のシゲを養子にした。十年前、長兵衛が飲んだ薬は猪から作った丸薬で、太郎は与茂吉によって、道場へ捨て子だと連れてこられていた。
 雨月小町 百物語
 カタキ憑き 敵討ちを成し遂げた後、殺した仇の名を名乗り生活を乗っ取っていた。
 蝶の影 青治の生い立ち。加藤家用人の前で、杵屋が幕府御用達商人になる寸前に、青治が二十年前からの話しをする。旗本三千石加藤家は公家の後家さん・高辻雪子を子女の養育係りに京から江戸へ呼んだ。娘・鈴香、息子・千早6、女中、若侍二人が道中で消息を絶つ。若侍二人が雲助に主人一行を百両で売った。雪子は急死、鈴香は雲助親分の女房にされ、千早は江戸へ逃げた、女中は品川へ売られた。
若侍は商人になっていた。雲助は女房を連れて江戸へ来た。商人は雲助を殺した。殺した商人は首を吊った。もう一人の商人・杵屋は捕まった。鈴香は仇討ちをしたのか。青治と名乗ている千早は品川で姉に会い、見送る。
 

2015年11月20日金曜日

ぜえろく武士道覚書

ぜえろく武士道覚書 斬りて候(下) 門田泰明
 松平政宗が幕府に謀反を考えている中心人物と思われる右兵衛督正四位上・東明院春万呂36を倒した。連座して二人が自死した。ここに謀反の兆しはおさまった。
 京都所司代・永井伊賀守に政宗の身分を言い、京の町を騒乱に導く恐れのある勢力の中枢部を力でもって叩き伏せたことを話した。
 徳川の老中組は朝廷に手を出すために煽っていた。邪魔をした政宗を殺せという命令が出た。胡蝶の女将高柳早苗は命令を受けた長官、部下五人がいた。早苗は政宗を殺す気はない。懲罰班が現れる。政宗は江戸から来る懲罰班の八名を京の入口で待ち、傷付きながらも倒す。早苗の仲間に懲罰班が一人いた。政宗が仕合し倒す。
 辻平内22(後に無外流を起こす)が弟子にして欲しいと来る。
 政宗と同居する千秋は母親の妹だった。母は鞍馬最奥想恋院に住む華泉門院、政宗の剣法は想恋院守護剣法、師匠は夢双禅師だった。
 
 

2015年11月19日木曜日

御家人無頼蹴飛ばし左門3

御家人無頼蹴飛ばし左門3 殺人刀無常 芝村凉也
 三日日左門に金儲けの企てを阻止された赤鞘組の小頭・猿橋市之丞は副頭目の旗本・轡田兵庫に上納金を催促される。お神楽一家の縄張りを狙うが、轡田に策を横からとられてしまう。轡田はお神楽組の賭場に火盗改が踏み込む手筈をつける。が、左門に知らせる者がいた。お神楽組は事無きを得る。
 赤鞘組はお金目当てに商家の娘を大身旗本と婚姻する話しを進めていた。その場に踏み込んだ左門は大身旗本と思われて居るのは貧乏御家人であることを暴露し、商家の主が騙されるのを阻止した。
 賭場に火盗改が踏み込む事を教えてくれた亥四郎は轡田の用心棒に斬られる。父親の作った刀を左門に譲る。左門は刀を岩にぶつけ折る。最初からそうしておけば良かったと言いながら亥四郎は死ぬ。
 亥四郎は1に出てきたお神楽一家の客分だった男だ。左門を知ってお神楽一家から出て行った。

2015年11月18日水曜日

天女湯おれん

天女湯おれん1 諸田玲子
 石榴口の上に天女が舞っている破風を上げる、天女湯は商家の旦那に女を斡旋する裏家業もしていた。
 近所で辻斬りが起こった。同じ頃、天女湯の裏に浪人が隠れ潜んでいた。おれんは匿う。新村左近という亡くなった元恋人の名で呼ぶ。辻斬りの犯人が気になる。情報を持っている杵七10と探していると、犯人がおれんの家に押し込んできた。左近によって捕らえられる。辻斬りだけでなく、盗賊の仲間でもあたので盗賊の仲間も捕まった。
 大黒湯の主が天女湯に言いがかりを付けてくる。おれんの養父利左衛門が大黒湯から持ち去った盗賊の隠し金を探していた。おれんは知らない。庭を掘り返し探していたが見付からなかった。
 左近は藩の不正を調べていた。竹馬の友が追ってとして現れるが斬る。調べた事を殿様に知らせるため国許に帰る。最後の夜、二人は結ばれる。
 おれんの母は武家に辱められ自害した。犯人を植木屋の息子と決め事件を終わらせたのは吟味方与力・仁村左近の父親だった。仁村左近は次男となっているが、これがはじまりでは嫡男になっていた。
 岡っ引き・栄次郎は辻斬りに殺された松吉の女房・おきみと所帯を持った。

2015年11月17日火曜日

天女湯おれん

天女湯おれん0 これがはじまり 諸田玲子
 文政十二年 三月二十一日 神田佐久町河岸から出火した火事でおれんの養父・利左衛門は死んだ。おれんの元恋人・新村左近も利左衛門を助けに行き、怪我をしてその後亡くなった。
 おれんは利左衛門が持っていた土地と湯屋の沽券を使い、利左衛門の商家の友達や奉行所からお金を借りて、湯屋を建てる。
 裏の長屋の持ち主や大家も火事で亡くなり、長屋が建てられないと聞く。元の持ち主の質屋の娘は叔父に吉原に売られていた。おれんは娘を探している時に、弥助と出会い、与平夫婦と出会う。与平は元泥棒だった。叔父の所から土地の証書を盗んでいた。長屋の土地に幽霊騒ぎを起こし、みんなで野宿をし、間に町方が入った。役人が入ったことで裏質屋を営んでいた叔父はいなくなった。怪我をした質屋の番頭を探し出す。番頭に証書ヲ渡す。番頭は店の土地と質屋の権利を売り娘を助け出し、長屋の土地の権利を持って王子へ連れて行く。長屋があった土地にまた長屋が建った。弥助、与平夫婦、権助も長屋に移る。権助は佐渡の水汲みポンプを作り、湯船に水を入れる装置を作った。

2015年11月15日日曜日

風列廻り与力・青柳剣一郎

風列廻り与力・青柳剣一郎 札差殺し 小杉健治

2015年11月14日土曜日

棟居刑事の永遠の狩人

棟居刑事の永遠の狩人 森村誠一
 戦場カメラマン大城一成は留守宅で妻と7才の娘を殺され意欲を無くす。救命組織ライフリンクに接し、ボランティアが殺され、命を狙われだんだん戦場の感覚を思い出す。
妻と娘の事件を追っている棟居を知る。自分の未発表の写真のために家族が殺され、大城と間違われてボランティアは殺されたと思われた。棟居とボランティアが殺された金沢の刑事と新宿の牛尾は協力し合う。
 命を狙われないために、大城は売った家に置き去りにした写真を探す。転売された最終購入者が猫の写真があったため死んだ猫といっしょに買った墓に納めていた。
 アメリカが殺したと発表したイスラム過激派の主導者を写した写真があった。殺されたとされるよりも後の写真だった。その写真を公表したことでもう、大城を狙う理由がなくなった。
 妻と娘の殺人事件に、ひき逃げ事件が関わってきた。ひき逃げしたのは国会議員の息子で父親も同乗していたのではないかということが問題になった。事故を見ていたのが大城の妻だった。議員が見られた事で殺し屋を雇い殺したということだ。殺したのは殺し屋だった。

2015年11月13日金曜日

御家人無頼 蹴飛ばし左門2 

御家人無頼 蹴飛ばし左門2 助太刀始末 芝村凉也
 三日日左門が両国の見世物小屋で出会った弥彦源内と名乗る二村庸之助は、飛山藩から追ってがでていた。勘定方役人の時上役の公金持ち出しを知り、上役に闇討ちされ反対に斬ってしまい、脱藩していた。殿様が病気になり、正室の息子と側室の息子の相続争いがあり、不正をしていた江戸家老に対する国家老が庸之助の味方だったが、正室の息子が亡くなったことで庸之助が邪魔になり、正式な仇討ちとなった。庸之助に対して三十人もの助っ人の仇討ちとなり、左門と清十郎が庸之助の助っ人になる。町奉行所役人や見物人の前で、飛山藩の内情を暴露する。仇討ちは庸之助が勝ち、これ以後仇討ちは続けないことを宣言される。庸之助は姿を消す。
 左門が養父になり青砥家に養子に入った蓮助は、ならず者のような近所の御家人の意地悪に対し、知力で対戦している。よそよそしかった妻・智与との関係も蓮助が隠し事なく話す事で仲睦まじくなったようだ。
 智与の兄・清十郎が禅寺での精神修業を終え、江戸に帰って来た。左門に出会い、蓮助と智与へ未だ手出しを止めぬ事を聞き、荒神組の新上弾九郎と仕合をする。清十郎が勝つ。弾九郎はこれでおとなしくなる?
 蓮助は近くの御家人の子供たちに学問を教えることになった。実父・西原屋が敷地内に別棟を建てた。剣術も教えた方がいいだろうと左門が清十郎を連れてくる。

2015年11月12日木曜日

剣客旗本奮闘記9

剣客旗本奮闘記9 怨霊を斬る 鳥羽亮
 暗闇の旦那と呼ばれる殺しを請け負う元締めを突き止める。糸川俊太郎も傷を負ったため青井市之介を中心に動く。いろいろ話しを聞いた諏訪町の岡っ引き伝造も殺される。
 料理屋の二階を改造し隠れ家にしていた。牢人のような格好して賭馬の用心棒をしていた男が、殺し屋をするようになってから羽織袴の御家人の格好に変わった。駆け落ちした妻を亡くし生きる屍となった男が死に場所をさがして武士を狙う辻斬りになった。腕を見込まれて殺しを受けあうようになった。

2015年11月11日水曜日

ぜえろく武士道覚書

ぜえろく武士道覚書 斬りて候(上) 門田泰明
 寛文十年 1670年 京
 常森源治郎は二年前京都町奉行所が設置され、江戸から事件取り調べ教育方同心として出向していた。綽名を検視の源治 岡っ引き得二を江戸から連れてきていた。
 京の町で無差別な連続殺人が起こった。源治郎は身分の高そうな松平政宗に手伝って貰い解決する。犯人は阿蘭陀商館長の女と京都所司代筆頭与力との間にできた息子・大宮窓四郎と名乗っていた。与力は妻を持つ事が決まった時女に殺された。
 源治郎と政宗の知人・胡蝶の女将・高柳早苗は江戸から父親の仇を討つために京へ来ていた。父に小太刀を習っていた早苗は、政宗に習い始めた。仇は三人いた。そのうちの一人と寺の宝物泥棒として出会う。政宗は貴族が襲われているところに出会し、黒装束を斬った、その男が泥棒していた仇の一人だった。
  松平政宗の身分を源治郎は知らない。後水尾法皇が政宗の父だった。嵯峨宮武将親王の名を与えられた。政宗は法皇に会い、貴族が徳川に謀反を起こそうとしているようだと告げる。知らない振りをし、自分に全権を与えて欲しいという。

2015年11月10日火曜日

天衣無縫

天衣無縫 浮穴みみ
 天女妙耶は三保の松原に降りている間に羽衣を飛天という盗賊に奪われる。天に帰るために飛天を追う。二年前に家族、許嫁を飛天に殺された太一と共に江戸へ行く。羽衣の匂い、妙耶の良く聞こえる耳を利用し、飛天を見付ける。飛天の目的は太一の世話になっている叔父の菓子屋だった。手代が引き込みだった。太一が捕り方を連れて来て、捕まえる。
 羽衣を探し出す事が出来、妙耶は飛び立つが、江戸へ戻ってくる。

2015年11月9日月曜日

末世炎上

末世炎上 諸田玲子
 橘音近 大内裏の門の警備人が、行き倒れの髪奈女を助けた。髪奈女は貧民街の娘だが少年たちに攫われもてあそばれて記憶を無くした。乗り移ったように夢をみる。二百年前の小野篁等が出てくる、自分は吉子と呼ばれる。現世を忘れ吉子の話を聞いて、吉子の素性を調べて行くうちに、現在の放火事件の解決に行きあたる。烏羽玉が御導師を身を犠牲にして先祖の仇をうち吉子になっていた髪奈女を助けた。その時、髪奈女は元の貧民街の娘に戻っていた。髪奈女を吉子にならせ過去を見せたのは篁の笛の一部だった。
 守った東宮尊仁親王が後三条帝になり新東宮は後三条帝の皇子・貞仁親王になった。
 音近は東宮職へ移り、大進になった。従六位上になる。十年後少納言になった。
 在原風見 音近と知り合い大江匡房の元で御導師等の放火を防ぐ。蔵人になった。
 

2015年11月8日日曜日

しゃばけシリーズ12

しゃばけシリーズ12 たぶんねこ 畠中恵
 跡取り三人 若旦那たち三人が、両国で仕事をして稼ぐ競争をすることになった。娘を持つ親が三人の出来を調べたかったようだ。一人は呼び込みを、一人は人捜しを、一太郎は見世物小屋で菓子売りをする。途中で、大貞親分と子分の意見の食い違いが表に出にらみ合いになり二人の兄やが飛び出し中止になった。
 こいさがし 母・おたえの友達の娘・於こんが長崎屋で花嫁修業をすることになった。見合いに興味を持ち付いてゆく。一組は、持参金目当ての御家人と料理屋の娘・尚の見合い、二組目は、河童の志奈に河童の青太郎と油屋の番頭の庄兵衛との見合いだった。御家人は相愛の水茶屋の娘と会ってしまった。ふたりがいる所を尚は見てしまい話しは無かった事になる。河童の青太郎は於こんにアドバイスを受け、志奈に甘い言葉を吐き嫁にする!と言えば志奈は嫁に行く!と納まった。庄兵衛とお尚が会い、二人は結ばれた。於こんはきつねだった。
 くたびれ砂糖 安野屋に三人の丁稚が入った。主と番頭たちはお腹を壊して寝ていた。薬を飲んでも良くならない。一太郎は薬を見て何かが混じっている事に気が付く。仁吉が薬を作り良くなる。医者になりたいのに菓子屋に奉公に出された文吉が身体を壊せば家に返されるだろうと思って持っていた薬を、いたずら心で隠した平太、叱られた事に腹を立てた梅五郎がその薬を混ぜていた事が分かった。梅五郎は店を辞めた。文助は医者の弟子になった。
 みどりのたま 青毛たちに河童の薬玉を狙われ、若旦那を助けた仁吉は川に落ち記憶をなくした。記憶を無くした仁吉は、仁吉を白沢と知っている老狐・古松と会う。古松は歳を取り過ぎ、茶枳尼天のいる神の庭に帰る力が無くなっていた。仁吉と古松は場久と出会い、佐吉や若旦那と出会うことが出来た。若旦那は河童に貰った薬の中から三日だけどんな病でも治すという薬を古松に飲ませる。稲荷の脇に神の道が開いた。おぎんが見える。古松は帰り、おぎんは一太郎におたえに宜しくと言う。白沢はおぎん様と言い、全てを思い出した。青毛たちは古松のために河童の薬玉を探していたのだった。
 たぶんねこ 見越しの入道が持って来た袋にはまり込んだ一太郎は幽霊の月丸と二人だけで放り出された。人殺しをした盗賊を見たため追われる。広徳寺に逃げ込もうとしている途中、兄やたちに見付けられ助けられる。盗賊は捕まる。月丸は広徳寺で出来ることを手伝うことになる。広徳寺には三途の川の銭があるためあの世に行こうと思えば銭に付いて行けば良い。と若旦那は言う。

2015年11月7日土曜日

しゃばけシリーズ11

しゃばけシリーズ12 ひなこまち 畠中恵
 ろくでなしの船箪笥 七之助と冬吉の祖父が亡くなり、息子(二人の父親・辰治郎)に船箪笥を形見に残し、中の物を七之助と冬吉に残してくれた。見た時は根付けが二つ入っていただけで長男も納得したが、祖父が亡くなると箪笥が開かなくなった。鉈で壊すことも出来なくてどうにか三人の手に渡った。一太郎がからくり箪笥を開けた。良い根付けが三つと江戸の土地の沽券が入っていた。
 箪笥の中に河童の壊れた甲羅の破片が入っており探していた河童の手に戻った。
 ばくのふだ 漠が人の夢を食べ、それを話しにして本島亭場久と名乗り噺家をしていた。妻を殺し一年もしない間に持参金付きの後添えを貰う男に幽霊の先妻が現れる話しだった。武士が自分のことだと場久を殺しに来る。幽霊妻は夫を連れて行ってしまった。直参の侍が魚釣りに出かけ行方不明になっていた。
 ひなこまち 雛人形の顔のモデルにするために、雛小町番付を出すことになったために、古着屋の着物が盗まれるようになった。一太郎は親子で振り売りしている古着屋と知り合いになる。全ての品物を盗まれ、上方屋が売っているのを見付け、屏風のぞきは盗み出す。上方屋の着物は盗んだ物で、寸法直しをするということで着物を手元に置き、また売っていた。上方に逃げる夜、若旦那は日限の親分に知らせ捕まえた。
 さくらがり 花見に広徳寺へ行く。壊れた甲羅の破片が戻った河童の代わりに禰々子がお礼に河童の秘薬を五種類持ってくる。若旦那は奥さんを大好きな武士と出会う。
 河童の秘薬 桜の花見で出会った武士の奥さんが若旦那に会いに来る。河童の秘薬を飲んだが何も変わらないと言う。その薬は何の薬か分からない。人生を賭けて飲めというものだった。場久と出会い夢の中だと分かる。夢の中には捨て子がおり、捨て子が誘拐され地震が起こり、屋根の上から落ちる。奥さんは子供を助けに走る。夢から覚める。奥さんに子供ができた。

宇江佐真理さん亡くなる。

2015年11月6日金曜日

火郡(ほむら)のごとく

火郡(ほむら)のごとく あさのあつこ
 新里林弥16才 二年前15才年上の兄・結之丞を亡くした。兄は背中を斬られ亡くなった。
 江戸から兄の剣術の弟子と名乗る、樫井透馬が現れる。家老の庶子だ。林弥の家に居候し、兄の事件を調べる。
 家老・樫井と中老・水杉頼母の権力争いが表に現れ、一晩で水杉派は潰される。林弥の道場の友・上村源吾は父親と切腹し母、妹共に屋敷に火を付死んだ。
 水杉は樫井家の皆殺しを命令し刺客を放った。樫井透馬を狙った殺し屋は林弥が斬った。殺気無く人を殺す、兄の時と同じだった。林弥の兄の友・兄嫁七緒の兄・林田清十郎だった。後、樫井家に走り、透馬の父を助ける。
 二年前勘定方の結之丞が勘定方の不正に気が付き殺されたのだった。

2015年11月5日木曜日

新・古着屋総兵衛(十)

新・古着屋総兵衛(十) 異国の影 佐伯泰英
 深浦の船隠しが蝦夷松前藩と英吉利の測量船に見張られていた。総兵衛は英語の親書を渡し、英吉利船を帰す。松前藩のことは大目付本庄豊後守義親に渡す。
 イマサカ号と大黒丸が帰った。
 

2015年11月4日水曜日

平成お徒歩日記

平成お徒歩日記 宮部みゆき
 真夏の忠臣蔵 両国・吉良邸跡→鉄砲洲・浅野上屋敷跡→高輪・泉岳寺
 罪人は季節を選べぬ引き廻し 小伝馬町→堀端→鈴ケ森→小塚原
 関所破りで七曲がり 小田原→箱根湯本→箱根旧街道
 桜田門は遠かった 皇居江戸城一周
 流人暮らしでアロハオエ 八丈島
 七不思議で七転八倒 本所深川
 神仏混で大団円 善光寺→伊勢神宮
 剣客商売「浮沈」の深川を歩く
 いかがわしくも愛しいまち深川

2015年11月3日火曜日

表御番医師診療禄6

表御番医師診療禄6 往診 上田秀人
 矢切良衛は寄合医師に転じ、長崎への遊学を認められた。
 京での宿泊場所を大目付松平対馬守に指示され、大奥山科の背後にいる者を探るように言われた。良衛に女忍びが付いた。
 名古屋の薬問屋に良衛から宝水を盗んだ吉沢がいた。良衛は気がつかない。
 良衛は師匠・名古屋玄医の病気見舞いに行き、公家・久我通誠の往診に行く。通誠から公家衆のいろいろと武家との繋がりを聞く。
 松平の指揮下の宿の女将は敵対している京都所司代・稲葉丹波守と繋がっていた。山科は袱紗屋→元権大納言・松木宗条→霊元天皇第四皇子・朝仁につながる。稲葉の小細工に寄って、良衛は第二皇子に繋がる愛宕が、山科と繋がると大目付に連絡する。良衛を襲った者が残した、山科から愛さまに送った手紙も同封する。
 京を出発した。

2015年11月2日月曜日

帰蝶

帰蝶 諸田玲子
 織田信長の正妻・斉藤道三の娘・信長から濃と呼ばれた人
 斉藤新吾利治・帰蝶の弟・信忠と共に二条城で亡くなる。 玄蕃助・異母兄
 帰蝶が心を寄せた人・京の商人・立入宗継 困った時帰蝶が頼る。何年かに一度しか会えない。
 信長が亡くなって26年、二十七回忌の阿弥陀寺で徳姫が心を寄せる人・異母兄・埴原左京亮と会い、立入宗継や松井有閑や、夕庵の話しをし、明智十兵衛尉や斉藤内蔵助の話になって、気がついてしまった。明智光秀の後ろにいた者に。でも責められない、帰蝶も五徳も左京亮も織田家の禍をもたらした一人だった。
 美濃衆、尾張衆

2015年11月1日日曜日

草雲雀(くさひばり)

草雲雀(くさひばり) 葉室麟
 栗屋清吾28才 媛野藩六万二千石の馬廻り役百五十石栗屋家の三男部屋住み、女中・みつを妻としたが、家督を継いだ兄から妾として子供は作ってはいけないと言われていた。
 道場の師範代仲間の山倉伊八郎は、同じ部屋住みだったが、実父は元国家老の国東武左衛門という事が知らされ、嫡男が亡くなったので妾腹の伊八郎が国東家の家督を継ぐ事になった。伊八郎は清吾に、剣術指南役を約束し、用心棒を頼みに来る。伊八郎に頼まれ、白木屋から三百両を借りたためみつを質に取られる。命を奪いに来る者から伊八郎を守り、伊八郎は派閥争いも切り抜ける。家老に就任するための執政会議の試問で父親の賄賂を裁けと言われる。伊八郎は切り抜けた。家老就任を認めてもらうために江戸藩邸に行く伊八郎について清吾も江戸に行く。帰ってくるとみつは白木屋の嫁になっていた。会わせてもらえない。伊八郎に家老の名を使って奪ってこいといわれる。みつは嫁になることを拒み、食事も食べずに清吾が来るのを待っていると教えられる。みつを取り戻した。