2017年1月29日日曜日

桜奉行

桜奉行 幕末奈良を再生した男 川路聖謨  出久根達郎
川路の家族 川路と14才違いの養父、養母、実母、川路12才の時川路家に養子に入る。
妻・里(四人目38才と35才で結婚)正妻の子が三人、妾の子が二人。
奈良奉行に就いた九月、長男を亡くす。
江戸城総攻撃の日、ピストル自殺、総攻撃が行なわれなかったことを知らず。
 
弘化三年 1846年 46才 奈良奉行 五年半勤める。養父母と妻と次男を連れて奈良へ
 川路は日記を実母や子供達に送る。川路聖謨の日記「寧府記事」
 牢に入っている菊蔵に興味を持つ。櫛問屋「丹什」の主人が三毛猫を探していた。菊蔵は三毛猫を見付けて古墳に入り、怪しまれたため人を傷つけてしまい牢に入っていた。川路は本気で猫を探しているのではなく何かの合図だろうという。
 養父母と次男・市三郎が京都で丹什を調べる。
 佐渡奉行時代に川路に恩を感じている兄妹・鏡太郎とみちおに会う。鏡太郎を牢に送り、菊蔵から隠していることを聞き出す。菊蔵は京で丹什が御陵に密輸品を隠くし、人を殺し死体を御陵に隠した所を見ていた。京都奉行に知らせ、丹什の主人を捕まえた。
 畑のマムシをまむし捕りの達人・良七に捕まえてもらう。
 商人姿で博打場を見に行く。勾引かされ、逃げる途中で密輸品の隠し場所を見付ける。密輸品を取りに来た男を捕まえる。みちおの旦那だった。
 人を助けるために鹿を殺してしまった直三が訴えられたが、訴えを却下した。
 市三郎は歴代天皇の御陵の所在地一覧を作る。

2017年1月27日金曜日

風の市兵衛18

風の市兵衛18 待つ春や 辻堂魁
 公儀御鳥見役が、武州忍田城下と妻沼村の脇往還で殺された。忍田藩の国許の菅山家老と中曽木用人は自分たちの執政に邪魔な寺子屋の師匠・笠木胡風を犯人として捕まえた。胡風を先生と慕う忍田藩阿部豊前守武喬の正室・摩維は元阿部家家臣・現俳諧師・芦穂里景に無実を証して欲しいと願う。里景は用心棒に唐木市兵衛を雇う。
 鳥見役の調べ帳を手に入れ、役人殺しが国家老と用人の命令だったことを調べ上げ、里景を駕籠に乗せ、江戸へ向かう。
 鳥見役は農民が田から離れ、職人、商人になって行く様子を調べていた。間で動く、金品を懐へ入れる家老や用人のことも調べていた。
 家老と用人は閉門蟄居、詮議の後切腹だろう。笠木胡風は解き放たれる。
 市兵衛に兄を通して、阿部家重役の娘との婿養子の話、若い軍事方師範役の相談役として召し抱えたいという話が出てきた。
 里景静かに死亡する。

2017年1月26日木曜日

古代道路の謎

古代道路の謎 奈良時代の巨大国家プロジェクト 近江俊秀
藤原京など都と地方を結ぶことを目的に古代道路「駅路」が造成された。直線で巨大な幅、総延長6300キロ
中央集権国家・律令国家が完成 藤原京・平城京
駅屋・16キロごとに配置 幅・最小6m 最大30m 他に伝路がある。道幅を示すため側溝がある。
駅路の維持は地方に任された。奈良時代の終わり、八世紀後半、道幅が狭くなる。維持したところで地方の人々にとっては重要でない道路のため、荘園が増え、国司の力が強くなり、中央の支配力が衰え維持、管理をしなくなり、道幅が狭くなったり管理しやすい便利な場所に作り変えられたりした。直線でなくなった。

2017年1月24日火曜日

八丁堀剣客同心17

八丁堀剣客同心17 隼人奔る  鳥羽亮
 長月隼人 南町奉行所隠密廻り同心 息子・菊太郎7才
 岡っ引き、下っ引きが殺される。南町定町廻り同心・根岸重三郎が殺される。深川黒江町の賭場を探っていた。隼人は奉行・筒井紀伊守政憲にこの事件の探索を命じられる。
 五年前、根岸は賭場に踏み込み捕らえた時、貸元・政次郎が死んでいた。政次郎の父親は全く姿を見せない土橋の霧右衛門だと判った。息子の敵討ちをしていた。霧右衛門の正体を探る。老舗料理屋と裏道で繋がっている隠居所を見付けた。老舗の主人は霧右衛門の手下に代わっていた。霧右衛門と久松屋の主人を捕らえた。

2017年1月23日月曜日

QED⑧ 鎌倉の闇

QED⑧ 鎌倉の闇 高田崇史
 妹の雑誌記者・沙織の希望で棚旗奈々は鎌倉へ行く。沙織は桑原崇も呼んでいた。
崇は言う。頼朝は北条氏の操り人形だった。鎌倉は頼朝を閉じこめて置くための城だった。鎌倉は七ヶ所を抑えてしまえば外部との連絡は完全に絶たれる。北条氏は頼朝を祀り上げ、周りを固める。北条氏の後ろには鎌倉党がいた。元々この地に住み、追いやられて虐げられていた人々。彼らが譲ったのは泥湿地帯だった。彼らは、水が湧き出る、砂鉄や金が出る隠れ里に移り、そこは鎌倉の交通の要所を押さえるような場所だった。頼朝や北条には要所を押さえる力が無かった。目的は奥羽の藤原氏の金だった。藤原氏を倒した後、頼朝は殺される。扱いがぞんざいな証拠は頼朝の墓がどこにあるのかも判らないこと。
 鎌倉で事件が起こっていた。社長が消えた。小松崎が副社長に会いに行くと、副社長は消え、秘書が死んでいた。崇は話を聞き、社長はもっと前に死んでいるたのだろう。副社長は逃がされたのだろうと思う。
 

2017年1月22日日曜日

帳尻屋仕置〈四〉

帳尻屋仕置〈四〉 落雲雀 坂岡真
 地蔵斬り 胴を一刀で二つにされた死体が見付かる。忠兵衛は北町奉行・曲淵甲斐守の内与力・長岡玄蕃から七日の間に五人も斬った辻斬りを探せと命令される。
 藤堂家の腰物奉行が刀を持ち出し、刀剣商「山城屋」の立ち合いで、用心棒の須山八弥が試し斬りをし、大身旗本に売っていた。八品商の元締めに依頼され古着屋の女房と手代を斬っていたりした。
 長屋の研師・勘次は、山城屋の妾・はつから山城屋の主が来ている時赤ちゃんを預かっていた。主に赤ちゃんがいる事を知られたはつは殺される。勘次は赤ちゃんを育てることにした。
 琴引又四郎の刀で旗本や山城屋を誘き出す。旗本が試し斬りにしたのは腰物奉行だった。左近は須山を倒し、忠兵衛は山城屋を倒し船で海へ運んだ。
 晴れ姿 忠兵衛は、貸本に挟まった、盗人が牢から娘に出した手紙を読む。手紙は十年前の物だった。手紙を書いた伝三は火事で解き放ちになりそのまま帰らなかった。伝三のことを調べている忠兵衛に、南町奉行所牢屋見回り同心・住吉征九郎が、八品商の元締めの名を使い脅かしをかけてきた。
 娘は伝三の元の手下・亥之吉に仕込まれ盗人の手先になっていた。伝三は町名主・甚左衛門になっていた。亥之吉は娘をかたに伝三に隠し金・五千両を要求する。五千両受け渡しの時、伝三は亥之吉を倒し、左近は住吉を倒す。伝三は五千両を持って奉行所に行く。磔獄門に決まる。娘は十年前の手紙を読み、磔の日、花嫁衣装で見送った。
 よ組の頭 又四郎は松江藩の剣術指南役になることにし、志津と所帯を持つことに決まった。忠兵衛は祝言に「よ組」の吉兵衛の木遣りの披露を頼みに行く。息子・多吉の勘当の話を聞く。古鉄集めの鍋屋の手下の博打場で借金のため捕まっていた。吉兵衛は高炉を積んだ「鉄船」で古鉄を溶かし大筒を作り、使い物にならない大筒を雄藩に売るという話を聞き殺される。
 泉州屋、鍋屋、八品商の元締め、松江藩の勘定奉行が一味だった。松江の大筒で鉄船を沈める。又四郎が松江の勘定奉行を倒した。
 又四郎の祝言に松江の殿様から角樽が届き雷電為衛門が土俵入りをした。

2017年1月21日土曜日

栄次郎江戸暦16

栄次郎江戸暦16 闇試合〈上〉 小杉健治
 連続斬死事件が起こる。印籠が取られていることが共通するが、殺されている者に共通点が無い。八丁堀与力・崎田孫兵衛と徒目付けの兄・栄之進に話を聞きながら、安田を殺したのは島崎、島崎を殺したのは梶木、さらに梶木は沖中を斬り、梶木は何者かに殺された。と考えた。黒幕がいて士官を餌に決闘させられているのではないかと考えた。札差美濃屋が関係していると考えた頃、借金の申し入れにきた安田と島崎が喧嘩になり、用心棒に梶木を雇ったことで三人が死ぬことになったということで決着することになった。
 惨殺死体が見付かる。船で運ばれてきたようだ。深川の木場、和泉橋、栄次郎は次に死体の捨てられる場所と日を予想する。三と七の日と予想すると日を変えられた。
 何者かが果たし合いを仕掛け、賭仕合が行なわれているようだ。書院番頭・岩淵平左衛門の下屋敷へ行く。商家の主が出て行き、長持ちから死体を捨てた。
 梶木と関係があった棒手振りの長吉は賭仕合に誘われた。梶木の妻・小巻を身請けしたく、金が欲しかった。長吉は赤木鬼造という強すぎるという賭試合にでている侍を見に行く。長吉に剣術を教えてくれた多々良十兵衛だった。岩淵は、栄次郎を果たし相手に指名した。栄次郎は長吉に立ち会いの練習相手を頼んだ。果たし合いは栄次郎が勝った。
 書院番士・福沢茂一郎が責任を取って自害したと聞いた。栄次郎は梶木と立ち合ったのが福沢だったのだと思った。その時の傷がために亡くなったのだろう。その後の賭仕合の主導など出来たとは思えない。
 十兵衛は「闇仕合は終わっていない」と言い残す。長吉は十兵衛に薬の行商人を探せと言われた。栄次郎は不審死体を調べてもらった。2ヶ月置きにあった。陪臣も調べて欲しいと頼む。
 

2017年1月20日金曜日

鷹野鍼灸院の事件簿

鷹野鍼灸院の事件簿 乾緑郎
 五月女真奈23才 鷹野鍼灸院の助手になって三ヶ月 応療が多い鷹野の留守番。中三の時に骨肉腫に罹り、整体に行っていて見付かるのが遅く、判った時には切るしかなかった。左足比田膝下は義足
 鷹野夏彦 鷹野鍼灸院の院長 鍼灸師の師匠・湊驚作の娘・育美と結婚していたが、息子・耕太のアトピー性皮膚炎の治療方法の食い違いで離婚していた。育美は再婚し、友野を名乗る。
 はじめての患者さん 真奈は妊婦さんだと思って施術していた。鷹野は想像妊娠だと見抜いた。真奈は不妊治療をすることになった。
 置き忘れのペン 真奈の足は義足の足首が痛くなる。鍼灸学校の同期・小日向友梨が勤めている鍼灸院のことで相談してきたので予約を入れ治療に行くことにした。義足であることを問診票に書かなかったため口論になってしまい、友梨は真奈が同期で学生時代からの友人であることを打ち明けた。友梨は破門になり、医院を辞めた。友梨は先生から交際を迫られていた。
 左足は鷹野に治してもらう。飛び込みで患者が来る。助手をする。途中で口出ししないように言われる。施術途中で痛い痛いと騒ぎ出した。しびれて動けない、救急車を呼んでくれ。針を抜くように言う。鷹野は刺していないけど、何故痛いのか警察に行って聞いてみる?と問いかける。嫌がらせは、峰岸さん・友梨の勤めていた診療所の流派の関係者かな。これっきりにするように言う。
 失われた風景 NPO系 無医村ボランティアの鍼灸のイベントに参加した。鷹野推薦の棚橋先生は視覚障害者だった。二十四金の鍉鍼を持っている木崎がいた。患者さんやボランティアの学生の中にお金を抜き取られたと言う人が現れた。木崎が鍉鍼が無くなったと言う。棚橋が階段から落ちた。真奈の話を聞いた鷹野は何もかも判ったようだ。
 棚橋の見舞いに行くと木崎が練習に来ていた。鷹野医院に帰ると、ボランティア会場で出会った仁科が来ていた。鷹野はもう、お終いにした方が良いと言っていた。お金を抜き取ったのは彼女だった。棚橋先生を突き落としたのも仁科さんだと言う。二人で棚橋先生の所に行く。鷹野と棚橋は師匠が同じだった。出会ったのは初めてだった。鷹野は、棚橋は晴眼者だろうと言う。それで師匠の所は破門になったようだ。仁科さんの盗みを見てしまった。それで突き落とされた。木崎さんの鍉鍼は純金ではなく、メッキだった。落として金がはがれた。それで亡くなったと言った。棚橋の目のことは家族も知らない。木崎が一本立ちした頃・棚橋は出頭し、障害者年金詐欺罪と身体障害者福祉法違反と針師灸師免許取り消しの行政処分が下がったことが発表された。
 それぞれのすれ違い 真奈は近所のおばさんの奨めで甥という動物病院の先生と見合いをした。ダックスフントの腰椎椎間板ヘルニアの治療に針治療を教えた。お礼のネックレスを一緒に買いに行き貰う。先生はダックスフントの飼い主に告白していた。
鷹野の元妻・友野育美が耕太の治療に来ていることを知る。耕太は奈々が再婚相手だと思ったようだ。
 マクワウリを刺す 友梨は母校で教員資格をとることにした。勉強を怠け卒業した学園長の息子が副院長になていた。去年の九月に外科処置をするような事故があったことが明るみに出た。厚労省の調査が入った。いろんなことが起きていた。入学式にスピーチするはずだった峰岸が断った。代わりに鷹野が行く。鷹野は付属治療院で行われたことを隠さず発表した。消去するはずの物が残っていること、立ち合うはずの先生が立ち会っていなかったこと、杜撰な刺絡治療をしていること、それらが映っているDVDを立花さんが持ち出し、立花さんはDVDを取り返えそうとした副院長に殴られ意識不明であること。全て暴露した。君たちの一番の師匠は患者さんだ。と締めくくった。副院長・手島保が逮捕された。立花は意識が回復する。
 

2017年1月19日木曜日

慶応三年の水練侍

慶応三年の水練侍 木村忠啓
 市川清之助 百五十石 18才
 谷口善之丞 25才 三千石家老・藤堂数馬光訓の家臣
 藤堂家嘉永の大爆発により光訓42才 善之丞も死亡した。善之丞は清之助に「息子・善幸が妙な道に進みそうになれば叱り付けて欲しい」と言い残す。
 慶応三年 1867年 6月 清之助35才
 谷口善幸25才が 津に帰ってきた。清之助に敵意を持っているようだ。水練競争が行われることになった。清之助は忍町で伊賀者の水練を受けることになった。久保田伊八 貝野篤之助 国兵衛
 清之助は善幸に勝ち一番になった。善幸は中庸の津で声高に勤王を主張し、同士を集め津を去る事態を作った。極端な勤皇の士を伴って津を去る。光徳を諌める効果を狙う。
 出奔は計画には無かった。勤皇派を煽った所為で清之助の若党・笹間新十郎20才が死ぬことになってしまったから出奔することにした。
 父が死ぬ前に名を呼び続けた清之助に嫉妬心や対抗心があった。始めはガッカリし、敵意は本心だった。伊賀での努力振りを知り、頭が下がった。さすが父が見込んだ方、「父が信じる友の歩みを助けよ」父の遺言だった。
 清之助は水練の練習時、もう一回自分を追い込もうと思った。己に勝つために。道を誤って居たのは善幸ではなく、いつの間にか怠惰な道に迷い込んでいた自分だった。擦れた道から善幸が引っ張り上げてくれたと思った。
 

2017年1月18日水曜日

竜は動かず

竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末
 上 万里波とう編  下 帰郷奔走編
 玉虫左大夫 仙台藩鷹匠頭百七十石に生まれる。13才で荒井東吾の養子となる。二両四人扶持。22才 妻・とらが亡くなり娘・佐世を置いて藩を出る。玉虫に戻る。江戸へ行く。
 先代林大学頭の六男・林復斎・二の丸留守居役林式部少輔の下男に入り、若党として奉公する。嫡男・昇の指導役になる。仙台・大槻盤溪を通じ藩主・伊達陸奥守慶邦に会う。
 嘉永7年 1854年 堀織部正利熙・箱舘奉行に付いて蝦夷へ行く。復斎が大学頭になる。
 岩瀬肥後守・外国奉行の従者となる。14代将軍決定時に作事奉行に左遷される。
 伊達家、小姓組並三両四人扶持になる。
 外国奉行・新見豊前守の従者となり亜米利加に行く。勝海舟と会う。
 安政7年 1860年 ポーハタン号 277日間 万延元年
 左太夫 39才
 万延2年 1861年 仙台藩順造館教授方二百石 京都、大阪の様子を見に行く。海舟より坂本龍馬、松平春嶽を紹介される。京にて久坂玄瑞と会う。薩摩藩内乱により薩摩藩士と会えなかった。
 文久3年 八月十六日の変により仙台に帰り、結婚する。気仙沼で塩を作る。
43才 後妻・とみの弟・作左衛門を佐世の婿にする。
44才 京に行く。寺田屋で坂本龍馬を探している土方歳三に会う。大阪の海舟を訪ね、そのまま急いで仙台に帰る。
 奥羽列藩同盟が成立
46才 仙台藩降伏 左太夫屋敷で謹慎、七ヶ月禁固
47才 1869年 切腹

2017年1月17日火曜日

もんなか紋三捕物帳

もんなか紋三捕物帳 大義賊 井川香四郎
 三ケ月藩藩主・森対馬守は殿中で森美作守に斬りかかろうとして御家を取りつぶされた。藩士たちは天下祭りの日、美作守を人質にして桔梗の間にたてこもり三ケ月藩の再興を嘆願した。大久保丹後のもう一人の留守居役権藤も人質同様に部屋にはいり、三ケ月藩の藩士の話を聞く。爆薬も仕掛けてあると言う。大久保丹後は吉宗に敵を欺き、再興を認めるように言う。上様直筆の約定書・再興を認め、罪は問わないことと書く。
 紋三の手下が天守台の半地下から十万両を持ち出した伊賀者を見る。
 三ケ月藩の元藩士を桔梗の間に案内し、どさくさに紛れて金蔵から伊賀者が金を盗み出す事が権藤の目的だった。
 権藤は切腹、三ケ月藩森家は再興、森美作は公金横領が発覚し改易となった。
 紋三の命が狙われた。紋三は記憶を無くした。そのために探索していた阿片の捜査も川船改役の武左衛門までしか届かなかった。
 小伝馬町牢内で四人が亡くなり、八十人の具合が悪くなった。毒だろうと思いながら調べる途中、紋三は材木の下敷きになり足を骨折したと言われ、材木商の二階に寝ていた。材木商は盗人宿で紋三に調べられていると思い、監禁したのだった。鼬の平八一味が逃げ出す時に紋三が寝ている部屋に火を付けた。情婦が紋三の縛りを解いた。一味は捕まった。
 元勘定方与力・今は戯作者・室井玉之介が殺された。殺された理由を調べながら、勘定方を調べていると、勘定奉行・奥平甲斐守の公金着服が証明された。

2017年1月16日月曜日

仇討ち東海道《四》

仇討ち東海道《四》 幕切れ丸子宿 小杉健治
 丸子宿で新谷軍兵衛は、誓願寺で熱心に修業をしている。周囲の者は矢萩夏之介と小弥太に軍兵衛は心を入れ替えているから仇討ちを止めろという。小弥太が影響を受けた。夏之介は絶対に軍兵衛がそんなヤツでは無いと軍兵衛の関わっている女を探す。店を売り軍兵衛と一緒に江戸へ行くことになっている女を見付ける。
 軍兵衛が頼って向かっていた睦麒一郎が向こうから来た。軍兵衛は待っていたのだ。夏之介と軍兵衛は果たし合いをする。相討ちを狙う夏之介を睦は止める。夏之介たちが離れると睦は軍兵衛を斬ろうとする。夏之介は斬られた軍兵衛を助ける。睦は家老から軍兵衛を仇討ちからは護り、軍兵衛は殺せという命令を受けていた。
 こうかい坊が現れ、軍兵衛を死んだことにして預かった。
 夏之介は軍兵衛が病死していたことにした。国許に帰り、花江を妻とし、物頭役に付いた。
 こうかい坊は、昔、仇討ちをして家に帰ると、母親は苦労した挙げ句亡くなり、姉は妾になっていた。出奔し坊になっていた。
 夏之介と小太郎は丸子宿で辻斬りを捕まえた。辻斬りは仇持ちで十年逃げていた。打ち首を希望した。
 

2017年1月15日日曜日

若様とロマン

若様とロマン 畠中恵
 小泉家当主が若様組の巡査に見合い話を持ってくる。
 園山の相手・太田駒子に付きまとっていた青井。駒子の伯母に振られ姪に付きまとっていた。伯母の言葉で解決し、薩摩組の玉井和馬の結婚相手に決まった。
 小山孝と小沼武一の同時お見合いは、問題を抱えた二人の相手の、偽証を証明し、時計を取り返したことでまとまり結婚が決まった。
 軍人の娘と加賀が見合いをしたことで、軍の不良品小麦粉問題が浮上した。軍内での軍食料品の不正調達が発覚した。加賀の見合い相手の娘は軍医を辞め民間人になった医者との結婚を決めた。
 長瀬健吾は大河出警視と水柿友三郎の話題になり予科試験に合格しなければならなくなった。長瀬は合格した。借金をしてでも大学を卒業しようかという話しが出ている。
 真次郎は、小泉沙羅を英吉利に行かせることに協力したため小泉当主の助けを得られなくなり店・風琴屋が立ち行かなくなった。亜米利加へ行った。
 沙羅は英吉利に父親がいる柳村絵美と協力し合って英吉利に行った。
 

2017年1月14日土曜日

若返り同心・如月源十郎

若返り同心・如月源十郎 不思議な飴玉 佐々木裕一
 如月小六65才 元南町奉行所定町廻り同心、十年前に隠居、入り婿 妻・鶴代
 竜美  小六の娘 婿・一哲は3年前に病没
 如月晋之介17才 見習い同心
 富蔵55才 古着屋、岡っ引き。下っ引きだった竹藏を晋之介に付ける。
 富山藩の殿様・前田近江守正甫のために越中屋宗右衛門が国許の信錬に作らせた若返りの薬を盗まれた。盗人とぶつかった小六の手元に飴が残った。飴を食べると若返る事を知った小六は、孫・晋之介のために使うことにした。富蔵の家で飴を食べ、着物を着替える。
 押し込みの隠れ家をつき止め、晋之介を捕り物の場に呼び出し捕まえる。晋之介には源十郎と名乗る。
 晋之介は博打の借金のため売られそうな娘・みちを助けるが、裏の社会で名が知れた香具師の庄兵衛は諦めず、みちを勾引かす。庄兵衛の別宅をつき止め庄兵衛がいる時を見計らって晋之介を呼び踏み込ます。庄兵衛を捕まえた。
 晋之介は北町同心の娘・香という許嫁がいた。親が断ってきた。香は晋之介と一緒になれないのなら家を出ると言ってくる。
 嫁入りが決まった商家の娘・菊を中傷する張り紙がされる。菊自らが貼っていた。菊は結婚相手の翔太が人を殺すのを見たが、役人に届けられずまずは破談になるように仕向けていた。晋之介が翔太を捕まえた。
 下っ引きの竹藏が、妹を死に導いた浪人を見付けた。娘に悪さをしようとしている浪人を捕まえた。

2017年1月13日金曜日

QED⑦ 龍馬暗殺

QED⑦ 龍馬暗殺 高田崇史
棚橋奈々は日本薬剤師会主催の学術大会のため高知に行く。龍馬ファンの妹・紀子?も一緒に。
 大学の後輩・善家美鳥の実家に行くと桑原崇が来ていた。美鳥の実家は物部村より山奥だった。四件しか人が住んでいない蝶ケ谷村だった。台風のため土砂崩れが起き、一晩閉じこめられる。
 朽木刻夫がナイフで刺されて死ぬ。遠敷竜郎が頭を打ち怪我を負い意識不明。竜郎の母・巴が首を吊り亡くなり、雛神演吉はドクニンジンで自死する。土砂崩れの中から一年以上前に亡くなったと思われる雛神祀男の死体が発見された。
 
本が手元に無くなったので思い出しながら。
蝶ケ谷村は平家の落人村と言われているが、落人を殺した村だった。そのため神にして祭った落人が暴れないために危ない時は生贄を出した。村は合併する。生贄のために竜郎を呼び戻していた。が、代わりに刻夫を生贄にする予定だった。遠敷竜郎は雛神演吉の息子だった。刻夫が逃げたと思った竜郎の母・巴が逃げる刻夫をナイフで刺した。巴が刻夫を殺したことで首を吊った。
 龍馬を誰が殺したかを書いた書簡が見付かった。書簡を神社に保管してあることを知った竜郎が盗みに行き、朽木孝子が阻止しようと突き飛ばした。
 去年、村の合併話を進めていた雛神祀男が金銭の話をしているのを村を売っていると思った娘・みね子は父親を許せなくて殺して埋めていた。全てを知った演吉は龍馬の事を書いた書簡を燃やし自死していた。
   雛神家  演吉(祖父) 祀男(父) みね子(23才)
   遠敷家  巴(母)   竜郎(20代)
   朽木家  孝子  刻夫  未来
   全家家  成代(母)  美鳥(奈々の一年下) 卯月(妹)
もう一度確かめないといけない。 

 龍馬はたぶん、薩摩藩の命令で殺された。
 お遍路は昔、姨捨山の代わりだった。
 

2017年1月12日木曜日

QED⑥ 竹取伝説

QED⑥ 竹取伝説 高田崇史
 魔のカーブで何件も事件が起きていた。竹槍で突かれ殺された人・椙山伸彦が見付かった。橋の真ん中で蓑を着た首つり死体・三輪田千里が見付かった。棚橋奈々と桑原崇と小松崎はドライブに行き、世津の店に寄り解決する。
 伸彦は千里と婚約しながら千里の友達とも付き合っていた。金森良介は伸彦が注意をしたことで喧嘩になり、伸彦が出したナイフで伸彦を刺してしまった。広瀬世津と良介はナイフで刺したことが判らないようにするため竹槍で刺した。話を聞いた千里は自殺してしまった。二人は橋に運び蓑を着せた。
 斐田村と織部村は突き合ってはいけないと言われていた。昔、世津と朱知太一が婚約した。斐田村と織部村の二人だった。太一の両親が橋に火を付け、止めようとした太一は巻き込まれ亡くなった。後両親は首を吊った。
 柳一の交通事故は本当に事故だった。柳一は斐田村と織部村との子・童子だった。斐田村と織部村、尼川を渡って誓約すると必ず童子・災厄をもたらす子供が産まれるという。
六年前、四年前、去年の暮れの事故も斐田村の男性と織部の女性だった。世津が瞳孔が開く毒草を飲ませ事故が起こるようにしていた。世津は川に飛び込んだ。
 支配者側・朝廷側・権力者がわに付いた斐田村、たたらを奪われ機織り産業をして生きて行くタタラの村の外に「居ろ」と言われた織部。支配者にとって都合の良いように二つの村が仲良くならないように話がつくられた。
  
 竹取物語の作者は紀貫之だろうと崇はいう。五人の結婚申し込む人々をみるとその時代では六人になるはずが、五人になっている。あと一人抜けているのは紀貫之だろう。

 

2017年1月11日水曜日

QED⑤ 式の密室

QED⑤ 式の密室 高田崇史
 桑原崇・タタルと小松崎良平・熊ツ崎との出合いの事件を三人の新年会で棚橋奈々が聞いている。S61年、崇・大学一年、小松崎留年し一年
 「陰陽師の末裔」弓削和哉が、安倍晴明「簠簋内伝金烏玉兎集」を読んでいる崇に、部活勧誘中の小松崎を連れて話しかけてきた。弓削家で起こった三十年前の祖父と祖母の事件の話をする。事件の担当刑事は小松崎の祖父だった。密室で和哉の祖父・柘植清隆が首に短刀を突き立て亡くなっていた。警察は自殺で終わらせていた。
 和哉は清隆の弟子志願・木津川が式神を使って殺したと言う。崇は、現代生きている木津川に話しを聞き、殺したのは執事の片桐だと言う。暴行されたお手伝い・時枝が逃げ去り、部屋に入った陽子と片桐、片桐が清隆を刺し、斧を取りに行き、部屋に入る時に戸を壊して入った。密室が出来上がった。弓削のお嬢様・陽子は汚れた者・人以外は見ない、見えない。
 式神とは、貴族以外の身分の低い者たち。有位、無位、官人、公民、雑色人は良民、私有の奴隷という身分。中世の賎民の中でも、流浪の漂白の呪術的芸能者、唱問師、猿楽、白拍子、巫女等は人ではなかった。貴族たちには見えない人では無い者とされた。
 朝廷に奪われた、たたら場を追い出され、闘った者は鬼、土蜘蛛、天狗といわれ追われた者は被差別民となった。
 安倍晴明は人と鬼の間に身を置き、人では無い人を使っていた。式神とは人と認められない人のこと。
 

2017年1月10日火曜日

リンカーン・ライムシリーズ⑪

リンカーン・ライムシリーズ⑪ スキン・コレクター ジェフリー・ディーヴァー
 地下道で腹部にタトゥーで文字を彫られた遺体が見付かる。色の代わりに毒を付けられ毒殺だった。犯人がボーン・コレクターの手口とライムやアメリヤの捜査方法を調べていたことが判る。殺人が連続した。三件目の事件現場になる可能性が有る病院に行ったアメリヤは襲いかかろうとしていた現場に行き合うが犯人を取り逃がす。入院している夫・スタントン・マシューを見舞いに来た妻・ハリエットが狙われた。
邪魔された犯人がライムの周辺の人に襲いかかる。
アメリヤと姉妹・親子のようにつき合っているボーン・コレクターに誘拐された少女・大学生のパム。パムが留守で部屋にいた恋人のセス・マッギンが襲われる。未遂に終わる。
ロン・セリットーがヒ素入りのコーヒーを飲まされ、意識不明になる。
捜査協力したタトゥーの技術職人の店で、他の職人が腹部にタトゥーを入れ、殺された。
ライムの家にも忍び込まれ ウイスキーに毒をセットされた。
犯人の目的を探る。水道管を破裂させるのが目的かと思われたが、被害を少なくするため水道水を停止させた水道管に穴を開け、ボツリヌス菌をいれることが目的だった。停止したと伝えられた水道管に穴を開けた犯人は水圧で亡くなった。ボツリヌス菌は回収された。残されたものからスタントン家族は逮捕された。水圧で死んだのは犯人の替玉だった。犯人はパムに近づいていた。
 スタントン一家が所属していたのは、AFFCというミリシアだった。アメリカン・ファミリー・カウンシルという異人種結婚違法、人種隔離、全移民を追い払う等主張するミリシアだった。AFFCをアメリカ最強の武装組織にしようとしていた。パムの母親の所属していたミリシアと関係があり、パムが六歳の時大人たちは将来結婚させようと決めていた。パムはリンカーンたちに保護されたが、犯人は奪われたと思い取り返しにきたという。一年前から近づいたセスだった。セスを不信に思ったライムによりパムは助けられた。
 ウォッチメーカーが、獄中で死亡したという報があった。ウォッチメーカーは脱獄していた。セムやスタントンにこの事件の筋書きを教え、フグ毒を差し入れされ脱獄していた。
 ロンにヒ素をもったのはロンが捜査している博物館の捜査をさせないためだった。引き継いだアメリヤにも毒がセットされた。阻止された。

2017年1月6日金曜日

リンカーン・ライムシリーズ⑩

リンカーン・ライムシリーズ⑩ ゴースト・スナイパー ジェフリー・ディーヴァー
 アメリカ政府を批判していた活動家・モレノがパナマで殺される。2000メートルの距離から狙撃されたと思われた。
 地方検事補・ローレルはモレノ暗殺はアメリカの諜報機関の仕業だという。しかもテロリストとされるモレロは無実だった。ローレルはこの事件を法廷で裁くべく、ライムとサックスを特別捜査チームに引き入れる。
 事件の関係者が殺されて行く。ライムはパナマに行くが情報は少なく、海に落とされる。
女子学生が海に落ち亡くなった事件を事故として片づけているのを、殺人と見破り、ローレルの事件の証人暗殺だと言うライムに、パナマ警察は現場写真や弾丸、遺体検案書を渡してくれた。ローレルがアメリカ国民でなくなっていたので一旦は手を引いた。が同時に飛び散ったガラスの破片で切り死んでいたジャーナリストがアメリカ籍だったので調べを再開する。
 弾丸を調べ、ローレルが二キロ先から撃たれたのではなく、ドローンのような無人飛行機から撃たれたことを発見した。
 また、ローレルが殺された時に側にいたため、飛び散ったガラスで切って亡くなったと思われた二人、取材記者とボディガードが、ガラスではなくナイフで切られて亡くなっていたことも判った。ローレルをテロリストだと告げ、射殺命令が出るように仕向け、側にいるボディガードを殺そうとした者がいることを突き止める。証拠隠滅のため殺しているのもその者からの命令だと分かった。
 密告者をおとりにナイフを使う暗殺者・ジェイコブ・スワンを捕まえる。ウォーカー・ディフェンス・システムズ武器製造社の社員だった。社長が黒幕だった。武器の他国への横流しとその為の賄賂攻勢をローレルのボディガードに知られて強請られていた。
 情報局の射撃スペシャリスト・シェールズは自分が遠くで安全な場所にいて無人飛行機で人を射殺し、関係のない人を殺したことに悩んでいた。二人を自分が殺していないことに少しは安堵した。
 ライムの分析で、ローレルの友人が、爆弾を積んだ貨物船でアメリカ製油の掘削リグを爆破することをつかみ、シェールズは無人機を飛ばし、爆弾を積んでありそうな貨物船の前部船倉を狙いミサイルを発射した。五百メートル手前で製油所の爆破を阻止した。その前にボートで逃げた乗組員達を、投降させた。ローレルも仲間だった。これを皮切りにいろいろ計画されていたことも分かった。シェールズは無実の人を殺したわけではなかったことが分かって安堵した。
 サックスの足の関節炎のことが警察上部に知れ、サックスは現場から外されそうだ。ライムはサックスに手術を奨める。サックスは手術を受けた。
 ライムは右手を動かせるようになった所で手術を止めようと考えた。

2017年1月2日月曜日

法医昆虫学捜査官④

法医昆虫学捜査官④ メビウスの守護者 川瀬七緒
 西多摩地区でばらばら遺体の一部・両腕の上腕部と肘下、右手首から下が見付かっている。岩楯祐也警部補は、袋がないのが不思議だといい、赤堀は上から投げられた物では無いという。今回の相棒は牛久弘之巡査長30才、山岳救助隊員、生活安全課兼務。見付けたのも牛久だった。
 解剖医・神宮先生は死亡後十日ぐらいと発表する。赤堀は虫を調べた結果二十日経過しているという。解剖医の言う六月三十日前後が死亡日だとされた。が十九日だった。他の遺体が見付からない。赤堀はたぬきが埋めてある遺体を掘り返し自分のつかに持ってきたと考え、たぬきのつかを探し「たぬき道」を探す。捜査班が捜査している所と反対側だ。雨の降る音が目標と言う。雨の降る音、ウジが落ちる音だった。遺体は見付かった。
 遺体の一部が国分寺の公園で見付かった。
 村には、車から娘のかばんを引ったくり娘を引きずり殺してしまい、刑務所から出てきた男44才・中丸が父母と住んでいた。アレルギーがひどくやっと治った自然派の親子・一ノ瀬が住んでいる。香りのスペシャリスト・綿貫がいた。
 6月19日、空港から蘭の花を持ってきた男がいた。綿貫ちづるは香水を作る為に男を殺した。男の死亡直後の流動血、消化しかけたあんず、胃袋の中身、膵臓の酸、が必要だった。血液を抜いたことを隠すためにばらばらにした。死因は毒殺、バジルから採れる精油・リナロールで殺し血と混じり合った香気成分を取出、香水の材料にした。
 全く証拠が無い。中丸がちづるを庇う為全て自分がしたと言う。証拠も中丸を指している。中丸が嘘の証拠を残している。香水の原液は見付からない。会社は香水の成分も原液の提出も拒否。綿貫は逃げ切ってしまうのか。香水が売り出され一ノ瀬の息子がイメージモデルをやっている。赤堀の香水の材料も綿貫が認めても証拠はないままだった。
 岩楯の妻は実家に帰ってしまった。

2017年1月1日日曜日

法医昆虫学捜査官③

法医昆虫学捜査官③ 水底の棘 川瀬七緒
 法医昆虫学者の赤堀涼子が荒川河口で遺体を見付けた。損傷が激しく身元特定が困難だった。解剖医と鑑識は絞殺され川に捨てられたと推定する。が赤堀は海での溺死だという。みんなの顰蹙をかう。解剖医の補佐・由美も、水面までの距離・二メートル以内、水深が一メートル以内のところで頭から飛び込み溺死したと思うと言う。
 岩楯と鰐川は被害者の少し見える彫り物から人物を特定して行く。マサキを特定する。
 赤堀は峰漁港と打ち出す。岩楯と鰐川は峰漁港に行き、マサキのことを訊ねる。組合長の預かり兄弟二人は刑事を海に連れ出し、海にはめる。赤堀は船に岩楯の痕跡を見付け問いただす。海にはまったふたりを探す。遺体が流れ着いた所の方へ船を走らせ、二人を助ける。組合長の所の見習い二人は、マサキに言いくくまれシャコの密漁に手を貸していた。昌樹と船上で口論になり昌樹は船の生け簀に落ちた。亡くなったのを確認してから海に投げていた。
 赤堀の言い分が正しかった。
 岩楯の離婚話がでている。