2016年6月30日木曜日

風の市兵衛17

風の市兵衛17 うつけ者の値打ち 辻堂魁
十一年前、戸倉主馬27は陸奥岩海領南條家の家臣だった。蔵方助役だった。蔵奉行配下組頭・登茂田治郎右衛門と組下・猪川十郎左と勝田亮之介と富松屋に命令され出納台帳と勘定目録の数字を改ざんする。三年続け七百三十両を手にしていた。露顕した。主馬は三十両を貰っていた。四人は主馬を欠落させた。主馬一人がやったこととされた。約束は家族の面倒を見ることだった。十年国許に帰っていない。家族の消息も知らない。
戸倉主馬は名を薮下三十郎と名乗り、妻を得、子供ができた。子供が病気のため金に困り、南條家江戸屋敷に三人を訪ね、十両を借りる。三人の藩取り引きの商家との不正を感づいた村上景助を殺すことを頼む。主馬は殺せなかったが、三人に雇われた浪人に殺された。村上景助の死の真相を探りに目付・志布木時右衛門がやって来た。志布木は主馬の幼な友逹であり道場仲間だった。志布木に父の死、母と妹の自死したことを聞き、約束が果たされなかった事を知る。
 遊女屋の用心棒の仕事で知り合った唐木市兵衛に、妻と子を託し、全てを書いた手紙を残す。三人に、志布木に全てを話すことを言い、志布木に会いに行こうとするが、浪人に斬られる。欠落者を見付けたので斬った。で片づけられる。
 幕府十人目付筆頭格・片岡信正に南條家江戸家老・遠山十左衛門に唐木市兵衛に会ってくれるよう言って貰う。遠山と志布木に手紙を見せ手紙を百両で買って貰う。
 市兵衛は三人が雇った浪人を証人として捕まえようとする。が志布木は殺してしまう。
登茂田は役を解かれ国許に戻って病でなくなった。猪川も勝田も国許で病で亡くなった。家は残った。富松屋は断絶、家と財産は没収になった。江戸の楢崎屋と松前屋は十万両を越える借財が返済され主人は隠居し、倅が身代を継いだ。
 主馬の妻・津奈は三十郎という小料理屋を出した。

2016年6月29日水曜日

ミヤマ物語 第1部 

ミヤマ物語 第1部 二つの世界 二人の少年 あさのあつこ
 ハギの物語
ウンヌに暮らす少年ハギ。最下層のクサジだった。ハギの友達はニコタ。クサジの上にニクルがあり女友逹フイノがいる。クサジとニクルは話もしてはいけないことになっている。
 母・トモは顔も見たことがないミド様の水汲みをしていた。岸壁を降り、瓶を背負って上がってくる。水に一滴血が入ったことで死罪になることになった。ミド様のお屋敷はロウロウが護っている。死罪になる前に、ロウロウやいたちやふくろうに助けられながら岩牢からトモを助け出し逃げている。ウンヌの外へ行くつもりだ。トモが怪我をした。追いかけてくる兵士を巻くつもりで別方向にハギは走った。足に矢が刺さる。
 透流の物語
梅村透流(とおる)小学六年生 母・真千 姉・真理絵・高校一年生
母は十年前に病で亡くなった夫・祐市との日々を綴った作品でエッセイストになり、生活プランナー、ライフアドバイザーになり「ビューティライフコンサルタント事務所」代表を務めている。
 透流は苛めにあい登校拒否中。近くのクスノキの登ってウンヌへおいでといわれた。真千に雲濡(うんぬ)が父の故郷だと聞いた。雲濡に行く。雲濡の大きなお屋敷を草代さんが一人で守っていた。祖母が「待ってて」と言って亡くなったから。祖母の遺体が無くなったことを母が教えてくれていた。
 さらば、ウンヌ
お屋敷の奥の部屋・誰かが何かが時々訪れるという部屋の暗闇に透流が入った時、別世界に行ったような土の匂いとふくろうの声、男達に追いかけられている青い子供を見た。男達がマノモノと言い逃げて行く。暗闇に透流は小さな身体を抱いて立ち尽した。

2016年6月28日火曜日

料理人季蔵捕物控30

料理人季蔵捕物控30 桜おこわ 和田はつ子
北町奉行の烏谷椋十郎が塩梅屋の客たちを招いて花見をする。季蔵は木の芽料理や筍料理を考える。
 人気の天麩羅屋だったが今は屋台店をしている茂兵衛が山菜の天麩羅を揚げる。茂兵衛は妻と子供を勾引かされ、身の代金を払ったが二人は殺され、それ以後店は傾き人手に渡っていた。
 花見に老中を務めたこともある大名・八坂藩主・北尾周防守正良が呼ばれてきた。奥様を亡くし生気を欠いているので元気付けのためだという。瑠璃も来ていた。周防守は瑠璃を正妻にするという。烏谷は瑠璃と季蔵の関係も瑠璃の病気のことも知っているのに、話を進める。季蔵も瑠璃が贈られた着物を見ているのを見て、瑠璃には大名の妻の方がいいのかもしれないと思うようになった。
 烏谷は北尾が昔の在職時代に知った商家の弱みを利用して強請る証拠を探していた。瑠璃に着物を贈るために呉服屋を強請た書き付けを押さえた。瑠璃は嫁がない。
 二人の男が殺された。用心棒と思しき侍が毒殺された。季蔵が調べると茂兵衛の妻と赤児を殺した男達だった。操っていたのは殺された妻の兄・今では廻船問屋の主人だった。勾引かしの金で廻船問屋を買い取っていた。その者達を使っていたのは北尾だった。瑠璃の命を狙いに来た廻船問屋の主人が、瑠璃と入れ替わっていた猫饅頭屋のおやすに窓へ押し込まれ木から落ち死ぬ。おやすが茂兵衛から頼まれ前の三人を殺していた。おやすは江戸から出た。
 北尾は塀を高くした別宅に閉じ込られた。

2016年6月27日月曜日

渋沢瑛一の東京事件簿2

渋沢瑛一の東京事件簿2 殺意の黄金比 六道慧
 昭和三十七年 1962年 九月
三浦健介 中小企業特別支援課課長 通産省の役人だった。通産省の中小企業を大会社の傘下に組み入れることに賛成出来ず、中小企業を助けるために曙信金に来ていた。
 今月のノルマはワースト10の会社の改善だった。
 中村研磨工場は近くの町工場に営業に行く。日本開発銀行の融資を断わるようにする。日本開発銀行→通産省→住田重工→Z連合会→明和会 住田重工が中小企業を傘下に組み入れるための組織だという。
 バネ会社早見スプリングには、応急処置としてのロングタイプのバネを規格品として作る→正確な寸法のバネを作る。規格品の見本帳を作る。規格品の広告を近所に配る。アドバイスする。
新しい診療所を知られるようにするには近所で領収書をもらう時、水島診療所と書いてもらい新しく出来たことを言うようにアドバイス。
 国光刃物工芸所は技術者や科学者に匿名で奨学金を出している作工会から奨学金五百万円がでることになった。
 向島の牛嶋神社の祭りの曙信金の出し物は、瑛一が考えたファッションショー。午後はのど自慢大会。ファッションショーは洋服問屋も自社製品を売る。瑛一は鈴虫とバネの玩具を作った。
 瑛一の父親が盲腸で入院した東都大学病院の院長の娘2才が誘拐された。病院に幽霊が出るという噂があり、屋上から飛び降り自殺をした看護士もいた。女医も看護士にも院長に暴行されたようだ。瑛一の考えた犯人は何人もいた。考えたのは女医か、院長の妻・看護士士長・誘拐された娘の母。だと思われる。手を貸したのは家政婦とその許嫁(たぶん、自殺した看護婦の恋人だった男)、協力したのは看護士たち。週刊誌に院長の悪業を知らせる。お金を取る気はない。院長の悪業が公になり、病院からいなくなればいいのだろう。警察には知らせない。

2016年6月26日日曜日

警視庁行動科学課3

警視庁行動科学課3 ブラックバイト 六道慧
 上條麗子37 警視庁警視 相棒と行動科学課を立ち上げた。FBI仕込みで犯人像作成で事件を解決する。
 一柳清香37 麗子の相棒 美人検屍官 歩く百科事典の異名 趣味は男狩り
 本間優美29 二人の有能なアシスタント 
 細川雄司49 警視庁刑事部捜査一課課長代理 三人の上司 いまのところ清香の恋人
 上條真一28 麗子の弟 上條家の長男 機動捜査隊に配属
 上條真次郎25 麗子の弟、次男 錦糸町の交番勤務の巡査
 香取達彦38 弁護士
一人分二畳位の部屋に40人が住むアパートがあった。人が死んでるという通報で二人が行くが死体がない。川上仁志は死んではいないようだが行方不明だ。川上を探しながらアパートの現状、アパートの持ち主の社長の悪事が明らかになる。明らかになるように川上親子は動いていた。病院で検査を受け病気のシニアをこのアパートに入れる。二年以上で百万円が貰える保険に入れる。生活保護は殆ど取り上げる。二年経てば死因は病気にみえるように殺される。二人が警察に行くというので殺され、埋められていた。五人はお寺で無縁仏になっていた。今回川上は、今までの人の死因が解るように同じやり方で息子に頼み自殺した。アスベスト被害者が大半だった。

2016年6月25日土曜日

陽炎時雨幻の剣

陽炎時雨幻の剣 死神の影 鈴木英治
秋重七緒17 赤坂新町で祖父・治左衛門が起こした道場を継いでいる。
団子屋の娘・ひのが結婚したばかりの亭主・波津彦と一緒に行方不明になっていた。七緒は聞き込み二人を勾引かした男・旗之助を突き止める。旗之助は世話になっている親分・分蔵の勢力が弱くなり、隣の親分・陸右衛門が人気もあるために分蔵一家が組み込まれそうになっていた。波津彦が持っている不思議な力で陸右衛門を殺そうとしていた。旗之助がひのを隠し、波津彦を陸右衛門の賭場に通わす。七緒がひのを見付けた時、陸右衛門が亡くなりひのが帰されるところだった。二人は帰って行く。旗之助は安心したところで、不信感が一杯の分蔵に殺される。
 七緒は忍びの術を仕えるような武士に助けられる。七緒は惚れた。
和倉信兵衛27才
 殺してから目をくり抜くという殺人が起こった。殺されたのは越後の大庄屋の隠居・照兵衛だった。照兵衛と会っていた両替商伊保屋の主・条五郎も殺され目をくり抜かれて見付かった。条五郎は裏の稼業を持っていたようだ。次に狙われたのは旗本の部屋住み梨田司之丞だった。傷を負い逃げた。仲間三人は殺され、信兵衛の知るところとなる。司之丞は七緒の所に逃げ込んだ。七緒が好きになった侍だった。
信兵衛は潟群明兵衛が犯人だと摑んだ。明兵衛は司之丞を探し、秋重道場に来る。治左衛門に取り押さえられる。信兵衛により条五郎たちが何をしていたか調べられた。明兵衛は主家が謀略にかけられ潰されたことを調べ上げ復讐をした事が分かった。明兵衛は獄門、司之丞は自害した。条五郎を頭領として大名や旗本を取り潰しに追い込む仕事をしていた。
 七緒は新たな団子屋を見付けた。治左衛門と一緒に食べたが兄が持ち帰った団子ではなかった。兄が刺殺された場所で頭巾を被った侍にあう。「陽炎時雨」と言う、侍は立ち止まった。が、行ってしまう。

2016年6月24日金曜日

あくじゃれ瓢六

あくじゃれ瓢六 破落戸 諸田玲子 
 織姫 北町奉行所定町廻り同心・篠崎弥左衛門は一月前から立て続けにおこっている盗賊騒ぎに忙しい。瓢六は奈緒から西洋医術の心得のある江庵先生を妖怪一派から守り、江庵の側に居る者が妖怪に繋がりがないか調べるように言われる。死んだ杵蔵の子分だった平吉が江庵の伝言を浪人や船頭に届けていた。瓢六は押し込む店を定め見張るが江庵の横には妖怪の手先がいる。南の奉行所が盗賊のことを知らない筈は無い。南町が来る前に平吉を連れ出そうとしたが、平吉は刺される。平吉を抱え掘り割りに待っている阿部家の船に逃げる。平吉は死んだ。江庵は盗むが人を殺したことが無かった。人を殺したのは妖怪と手を組んだ忠吉だった。
 奈緒18の夫はさる人の身代わりに罪をかぶり切腹した。産まれたばかりの子は元服すれば遠島となっていたが、遠島を免れ出家した。
 ちょぼくれ 南町奉行所同心・塚田五郎兵衛の息子・彦三郎と北町奉行所同心・篠崎弥左衛門の息子・弥太郎は狸穴の男谷道場で習っている。塚田五郎兵衛がちょぼくれに化けて居るところを見た。
勝麟太郎は蘭書を手に入れ父親の鴬谷庵に隠している。麟太郎は水野越前守の崇拝者・青山組に襲われる。ちょぼくれに化けている塚田が鴬谷庵に出入りしていた。塚田が言う。どんな本があるか探っていた。南町のお奉行は水野越前守から乗り換えることにした。
小吉がちょぼくれに呼び出され本所に来た。瓢六は鴬谷庵が気になり行ってみると何者かが家捜しをしていた。金隠しにひもがかけてあり風呂敷包みがぶら下がっていた。五郎兵衛は小吉を逃がし、勝のお宝を青山組の略奪から守った。が五郎兵衛は木にぶら下がり殺されていた。
 老中が水野越前守に代わり阿部伊勢守になった。
 恋雪夜 若い女房と番頭を連れた駒込の隠居があちこちに顔を出す。その隠居の正体を探る謎の老人がいる。隠居を探る老人とは奈緒の老僕・留造だった。隠居の正体と留造の行方を探すうちに、池から引き上げられた留造の死体を見付けた。留造は吹き矢で殺され池に投げ込まれていた。駒込の隠居の家と思われる家に行く。捕らわれたような女が居た。二人を殺すための女だった。捕まえる。雪が降り帰れない。着物を乾かすためにも暖めるためにも二人は着物を脱ぎ抱き合い結ばれた。駒込の隠居は捕まった。
於玉が池の幽霊 勝が象山の所へ行く。付いて行った瓢六は於玉が池に幽霊が出ることを聞く。顔が半分焼けただれているとか、六年前の火事の時稲荷へ逃げた芸者だとか。瓢六はお袖ではないかと思う。中野村で浪人が集められている。奈緒と瓢六は調べに行く。浪人たちはのんびりしたものだ。二人は気が付いた。二人を殺すための罠なのだと。夫婦げ
んかを装い母屋に行き、母屋で皆と寝ることにした。於玉が池の幽霊は親の決めた縁談から逃れるために顔を焼いた女だった。
化けの皮 源次の娘・さきに好きな人ができたようだ。相手の事を調べる。当吉という彫師だった。
南の同心の妻女と小伝馬町の牢役人の娘が殺され目を抉られていた。当吉の兄弟子・次郎太はご禁制の書物の版木を作ったということで牢に入っていた。その最中に女房・すずは川へ身を投げた。牢から出た次郎太は寝ついてしまっていた。瓢六は目を抉る犯人が当吉でないかと疑う。仮病を使っていた次郎太が犯人だった。牢に居る時、次郎太の目の前で三人にすずは犯されていた。それですずは身を投げた。三人の妻子を殺した。次郎太はもう一人すずを牢に連れてきた当吉も狙っている。おさきは呼び出され出て行く。次郎太は捕まった。
 奈緒が小出屋敷の瓢六の長屋に忍んでくる。抱き合う。
 水野越前守が老中に返り咲き、鳥居耀蔵は南町奉行を解任された。
破落戸(ごろつき) 本所の破落戸がどんどん捕まる。水野越前守が中間を探しているらしい。水野の何もかもを知っている者。新しく入った駒吉は越前の手先だった。瓢六を湯船に押し込む。青山組が入り口に火を付ける。駒吉は飛び出て殺された。瓢六は女湯かから出た。年の暮れ奈緒と成田山新勝寺に行く約束をする。
熊の仇討 火事があり水野家が飼っていた熊が逃げ出し、旗本親子が熊を斬り殺す。旗本親子が殺された。瓢六は熊係りの整三郎と出会い、水野に整三郎の取り成しを頼みに行くことになった。整三郎が青山組に狙われないように頼んだ。
水野は二月老中を辞職した。青山組は渋谷川の河原で切腹した。
 奈緒が阿部伊勢守の側室にあがることになり瓢六は猫を預かる。整三郎のお陰で猫がなついだ頃、奈緒に返すことになった。奈緒を偲ぶものがなくなった。奈緒が側室になることを断わったと連絡に来た。

2016年6月23日木曜日

楽土の虹

楽土の虹 
いよっ、若旦那 風野真知雄
 骨董を趣味にしている隠居が殺された。便器で大店になった瀬戸物屋・伊那屋の遊んでばかりの若旦那・鴻之助が解決する。伊那屋の三番番頭・定七が吉原の遊女に夢中になった。定七は手に入れた左甚五郎の猿の三体の彫り物を一体ずつ伊那屋の主人の手に入るようにしていた。百五十両、百八十両、次は三百両と思っていた一体が隠居の手に入ってしまった。取り返すために殺してしまった。店から殺人者が出ると店に御咎めがあるが若旦那が尽力したことでちゃらになった。
多生の縁    坂岡真
  御家人・鈴木一郎は物忘れが激しくなった父親と二人暮らし。浪人に因縁を付けられている娘を助けた。袋物屋の玉造屋の娘・梅だった。鈴木一郎を結婚相手に探しているようだが、自分は御家人であるため関心はあるのだが、知らない振りをしていた。旗本にも鈴木一郎がいる。対戦しなければならなくなった。それも道場の存続のため負けなければならない。梅が勾引かされる。浪人から助けた時の女中が今度も助けて欲しいという。お金と交換する時にあらわれた犯人は旗本鈴木家の用人だった。梅を助け、お金も返り、事件は無かったことになった。道場で仕合いが行なわれた。御家人鈴木は勝たないよう負けないようにしていた。旗本の鈴木が倒れるまで続いた。亀戸天神に出かけると父親が梅を連れてくる。袋物屋の主もいた
鬼しぶ事件帖  辻堂魁
 蓄えを切り崩して暮らす老人から金を騙し取る事件がおきた。政吉が騙された。政吉は首を括った。久はあの時すれ違った男の顔を思い出した。61才の久が若作りして犯人に近づく。首つりに見せかけ殺した。騙りの犯人として僧・額栄が捜索され死体で見付かった。額栄を殺した犯人がお加代と思われた。お加代と久は同一人物と思われた。確かめなかった。

2016年6月22日水曜日

剣客大名・柳生俊平3

剣客大名・柳生俊平3 海賊大名 麻倉一矢
 柳生俊平の一万石同盟の一人・伊予小松藩は米問屋角間伝兵衛から借財の形に国許の漁業権を狙われる。裏に豊後森藩主・久留島光通がいた。
 俊平の元妻・阿久里が現在の夫・伊予松山藩の部屋住み・松平定弍が森藩の下屋敷の賭場に行っていると相談に来る。久留島光通に付き従っていた。借財もあり兄の松山藩主や阿久里の実家が払っていた。
 久留島藩の下屋敷と角間伝兵衛の別邸には怪しげな浪人が集まり、吉宗の命を狙う尾張藩の跳ねっ返りも集まっている。松山定弍も居続けのようだ。定弍を連れ帰るために別邸に忍び込み定弍を連れ出し、米問屋仲間の談合の誓約書を見付けた。
 九月十五日神田祭を利用して吉宗を狙った。大安宅船と海賊の山車から吉宗めがけて手槍が投げられた。俊平は鼓を投げ、槍を止めた。浪人は全て殺され、尾張の脱藩者は自死した。
 伝兵衛は米相場高値維持の役を解かれ一月の休業となった。海賊大名・久留島光通は白髪玄也斎にいいように利用されていた。あわや切腹というところまで追いつめられ大人しくなった。

2016年6月21日火曜日

道具侍隠密帳【四】

道具侍隠密帳【四】 天空の御用 早見俊
天保十年 1839
能登川清兵衛は非役の小普請組だから将軍御側衆・上野権十郎久唯から報償金を餌に便利に使われている。上野は御側衆から御側御用取次への出世を狙っている。
 武蔵国多摩郡菊里村の五千石上月家が改易になった。上月家は南朝の末裔だったが血筋が途絶えた。隠し財産があると専らの評判で、隠密が三人行方不明になったようだ。隠密行方不明の件の探索をすることになった。清兵衛は菊里村で地下蔵を見付け宝物を見付けた。それは盗人たちが盗んだ物だった。菊里村は盗人が盗んだ物を預かってお金を儲けていた。上月家は三千五百石しかなく、百姓から税を徴収したこともないようなところだった。
 清兵衛は徒目付になった。役高百俵五人扶持、上野には上月家の所領のうちの五百石が加増になった。

2016年6月20日月曜日

とびきり屋見立て帖2

とびきり屋見立て帖2 ええもんひとつ 山本兼一
夜市の女 とびきり屋の真之介とゆずは始めて夜市に行く。桝屋喜右衛門に頼まれた茶碗と梅田雲浜の詩が書いてある白扇を売りに行った。大した物ではない茶碗が百五十両で売れてびっくりだ。本当は箱の絵が割り符になっていて、短筒を取り引きしたのだった。買ったのは桂小五郎の代理人幾松だった。
ええもんひとつ 香道を教える藤原老人の所に行く。雉の姿の香炉は売らないという。夏に相応しいいい香りを聞かせてくれれば売ってもいいと言われる。真之介は何日も行くがだめだった。ゆずはご飯炊いて塩さば焼いて、おみそ汁を作った。線香花火もして懐かしい匂い。ゆずは貰ってきた。墓を建てる約束をする。奥さんが亡くなって墓を拵えてなかった。ゆずはこの香炉を売る気はない。道具を十点買ったら一番いい道具を残しておき九つ売って利益を上げる。手元にいい物が残る。それが財産になる。
さきのお礼 ゆずは扇を店で扱えないかと扇屋に行くが上手くいかなかった。五条坂で白磁に少し色を付けた螢手の茶碗を見付けた。ゆずはお願いする時、先にお礼を言っておくのだという。(七夕飾り)
お金のにおい 芹沢鴨が李朝の徳利を売れという。壬生の郷士を紹介する代わりに徳利を持って行かれてしまった。真之介は三両と言えず三十両で買い付けをしてしまう。落ち込む真之介だが、ゆずは中の壺が李朝官窯の物だと見抜いた。真之介は対馬藩に売りに行く。二百両で売れた。手代の牛若が二人がくっつくと金のにおいがするんやという。
花結び 桂が逃げ道に二階を利用するようになる。着物を着替えて裏の寺の塀を乗り越える。その時密書を預かった。ゆずは茶壺に密書を入れ、口に飾り結びをした。若宗匠がその茶壺を売れという。売れ、売れないで揉めている時芹沢がくる。若宗匠と結び対決をする。ゆずが勝ち密書は守った。幾松に渡す。(大文字の送り火)
鶴と亀のゆくえ(とびきり屋のなれそめ噺) まだ真之介がからふね屋に奉公している時。東の茶道家元が、鶴と亀の双幅の軸の亀の軸を探して欲しいという。若宗匠が女に渡し、それが道具屋に廻ってしまったという。若宗匠の結納の席に飾るつもりだ。西の家元が持っていた。真之介は亀が行く方の物にしようと言い、亀は東の家元の方に行ったので東の家元の手に戻った。若宗匠の結納の相手はゆずだった。真之介はからふね屋の主人・善右衛門にゆずと結婚することを許して欲しいという。・・・一巻千両花嫁に繋がる。

2016年6月19日日曜日

町奉行内与力奮闘記〈二〉

町奉行内与力奮闘記〈二〉 他人の懐 上田秀人
谷中感応寺で富くじがおこなわれた。町奉行所は掏摸を捕まえた。富くじを仕切る鴬谷の鴨兵衛という香具師に寺社奉行所に出ている謝礼を町奉行所にもと要求した。
 富くじで千両当てた男が、吉原から返りに殺される。なかなか犯人を挙げられない町奉行・曲淵甲斐守に寺社奉行が犯人を挙げる日を切られる。手伝いましょうか、と。
曲淵の内与力・城見亨は吉原の三浦四郎右衛門に助けられ犯人を捕まええる。捕まえて大門を出る亨を寺社奉行の家臣・大検使と小検使が犯人を分捕るために待ちかまえている。・・・続く
 大阪から西咲江が来る。日本橋酒問屋播磨屋の咲江の大叔母にあたる糸のところにいる。

表御番医師診療禄〈7〉

表御番医師診療禄〈7〉 研鑽 上田秀人
矢切良衛は長崎に着いた。途中博多で南蛮屋が御禁制の植物を干しているのを見たために、長崎の船頭に命を狙われる。何故命を狙われるのか気が付いていない。殺された船頭の船の荷物が抜け荷であったため長崎の商人たち奉行所は忙しい。失敗した南蛮屋は黒田藩に抜け荷の儲けの割を変えることで良衛の殺しを頼む。黒田藩は長崎警護役に命令する。
お伝の方は長崎に行く良衛に懐妊する秘事を調べてくるように言った。そのことを知った将軍のお手付きになった露は、実家の房総屋に南蛮渡来の技術を手に入れるよう願う。房総屋は借金の半分と残りの借金の利子半額を持って秘事を手に入れることを頼んだ。
出島の医師・富山は良衛に宝水を分けて欲しいと頼む。盗まれたという良衛の言葉を信じられず、通訳に商館長の会話をゆがめて欲しいと頼む。
明日矢切の命を狙うという言葉を聞いた丸山の引田屋の女将・たきは駆け出した。

2016年6月18日土曜日

秋霜

秋霜 葉室麟
楓36 多聞隼人の元妻、欅屋敷で親を亡くした子供たちを育てている。
多聞隼人亡くなってから三年、鬼隼人と呼ばれた隼人が世直し様と呼ばれるようになっていたが、今また、世直し様と呼んではいけないとお触れが出るようになった。
現藩主・兼光25 山中・長闇荘に蟄居している前藩主・兼清を大殿として敬っていた。巡検使が来ることになり、羽根藩は動き出した。
元側用人・現家老・小島兵衛に命じられ草薙小平太は欅屋敷の人々を皆殺しにするために欅屋敷の一員に潜り込んだ。
草薙小平太32.3 学者・草薙伊兵衛の子として育ったが、師・白木立斎の子と分かり、家族は崩壊した。三年前、隼人が立斎を殺していた。
欅屋敷に住み、小島兵衛と話、小島の家来・墨谷佐十郎と話していくうちに、欅屋敷の人々を助けようと思うようになった。兵衛の命令も大殿を殺すことに変わった。が失敗する。
三年前、店を畳んだ播磨屋が帰ってくる。大殿の意向を受けて、欅屋敷の臥雲が若い藩士に異学を教えている証しを摑むため姜斎は欅屋敷に入り込む。姜斎も欅屋敷の人々を助ける方にまわる。
巡検使が明日訪れるという日になった。欅屋敷の人々は山を越へ国をでる。臥雲は皆が逃げる時を稼ぐため異学を教えたと名乗り出る。小平太はみんなが谷のつり橋を越えるため役人を引きつけ鉄砲で撃たれ捕まる。臥雲はみんながどこに逃げたか問う拷問にかけられる。切腹する。
小島兵衛は大殿を討ち、切腹する。佐十郎に小平太を助けるように言い置く。
みんなは大阪の白金屋を頼った。小平太は一年後恩赦で瓦岳の獄舎を出た。左足を引きずり、左手は肩より上に上がらない。楓が迎えにきた。

2016年6月17日金曜日

秋山久蔵御用控26

秋山久蔵御用控26 冬の椿 藤井邦夫
臆病神 太一が心臓の発作で苦しんでいる熊本藩細川家の隠居を助けた。掏摸が屋敷に入るのを知った秋山久蔵は、顔見知りになった用人を訪ね、掏摸が拾ったという印籠の中の薬を調べる。掏摸薬は毒・附子だった。掏摸と熊本藩の関係を調べる。上屋敷勘定奉行・沢井に行き着く。沢井は藩の公金で吉原で遊んでいる所を隠居に見られたと思い殺そうとしたのだった。
冬の椿 五年前に久蔵が強請りを掛けた旗本の用心棒を殺した。用心棒の妻・ふみと娘・かよを見張る男がいることに気が付いた神崎和馬は調べる。男は博打打ちの仙八、旗本・小泉竜一郎と一緒にかよを勾引かそうとする。二人は小間物屋伊勢屋の女中と会っていた。二人を捕まえた。かよは伊勢屋の内儀・きぬの子供だった。ふみが流産した後、きぬが子供を道連れに死のうとしている所に行き会い、子供を預かった。女中が知って二人の男に教えた。秋山久蔵は伊勢屋に伝えた。
木戸番 木戸番・喜十は元武士だった。敵討ちで追われる身なので隠していた。辻斬りを見、殺されそうになり、辻斬りを殺して川に落とす。辻斬りは逃げたと言うが、遺体があがり、秋山久蔵は喜十がやったと見抜く。喜十を見張る侍がいた。久蔵は若侍と15年追い駆けている仇討ちの話しをする。若侍は新しい生き方を探しに旅立つ。全てを話した喜十に若侍が旅立ったことを話す。喜十は木戸番を続けている。
落し前 旗本・島野右京は聖天の岩五郎の賭場で負け、腹いせに仲間を集め賭場荒らしをし壺振りに怪我を負わせる。聖天一家は旗本を殺しに掛かる。笠原は死に、坂上は半死半生、石倉は襲われた。聖天一家は捕まった。秋山久蔵は島野家に行き、当主に全てを話す。当主は息子を脇差しで突き刺した。賭場荒らしの落し前はついた。島野殺しを頼まれていた浪人が久蔵の前に現れ、島野は本当に亡くなったのか尋ねに来た。会釈して帰って行った。

2016年6月16日木曜日

寺社役同心事件帖2

寺社役同心事件帖2 富くじ狂瀾 千野隆司
竹寶寺で富くじが行なわれることになった。竹寶寺の住職・龍達は江戸城留守居役五千石の旗本荒尾伯耆守基義の実弟であり、基義の娘は大奥の御年寄に次ぐ権力者だった。祠堂金事件では龍達まで手が届かなかった。
鳥越明神で板細工職人・貞吉が二人の侍に殺された。鳥越明神は雲野八十助の持ち場ではないが、土屋家の漆原があまりにやる気が無いようで、紗枝と八十助は調べる。
竹寶寺の檀家総代阿久津左京の家臣・宇佐美治三郎が貞吉に富くじに使う木札を五十枚作らせ殺したということだった。
不正が行なわれることは予想出来るが方法は分からなかった。
富くじ当たり札の発表のあと、和讃箱から大箱に移される時に阿久津の妻が箱を落とし阿久津が拾い入れた事が分かりその時に五十枚の木札を入れたと予想された。お焚き上げ前に残り札を改め同じ札が四十九枚あることが確かめられ不正が発覚した。
阿久津は切腹、家は断絶、僧・有照は斬首になった。
八十助は宇佐美と寺侍・川崎太左衛門に襲われ、二人を捕まえた。二人の証言で僧・龍達は死罪になるだろう。

2016年6月15日水曜日

大江戸科学捜査

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 山本功次
 おゆう 本名・関口優佳28 祖母から古い家と秘密を受け継いだ。現代と1821年を行ったり来たりできる。
 宇田川聡 高校の同級生 分析オタク 検査分析のベンチャービジネスで成功している。江戸の事件関係の証拠品を鑑定してもらう。それらの物により、優佳が江戸時代と現在を行き来していることを知られる。
 鵜飼伝三郎 南町奉行所定町廻り同心33 江戸時代に来て12年、養子になった大沢道場の主・大沢甚右衛門も入り婿になった鵜飼剛之助も妻も亡くしていた。昭和20年に江戸時代に来ていた。おゆうが未来と現代を行き来していることに感づいているが、おゆうを失いたくないため口にはしない。
伝三郎の口利きで、薬種問屋藤屋の息子・久之助の死んだ事件を調べる。久之助が阿片や薬を横流しし闇の薬の横流しと売買を仕切っていたが仲間割れがあったと見られていた。
闇之薬は毘沙門の辰蔵と相州屋だったことが判った。辰蔵の仲間五人は殺される。血のついた手ぬぐい、殺しの現場の指紋、殺された五人の手形、毒が入っているおにぎり、酒の徳利など宇田川に鑑定してもらう。
黒幕の捜査をし、阿片の抜け荷と和薬種改会所問題が浮上する。盗聴器をつかうおゆうは大松屋の寮で柏崎藩の抜け荷と老中首座水野出羽守の家来・菅野が関係していることをつかむ。現れた阿片の箱に英語が使われていることで抜け荷と見破る。大松屋は闕所、菅野は水野家に任せることになる。和薬種改会所の話はなくなった。
おゆうは、藤屋がすべてのことを知っていて、調べを頼んだだろう。という。困った長男が死に次男が店を継ぐ。潰れた店の客を取り込む。和薬種改会所の話はなくなった。藤屋の思い通りになったことに腹を立てる。
おゆうは伝次郎を落とすと誓う。伝次郎は何のために江戸に来ているかこのままでは誘惑に乗れないと思う。惚れた弱みだと思う。

2016年6月14日火曜日

立場茶屋おりき23

立場茶屋おりき23 すみれ野 今井絵美子
冬濤 年が明ければ潤三は旅籠の番頭になる。
あすなろ園の勇次が15才になり漁師見習いになることになった。竜龍に入る。
夕顔忌 巳之吉は田端屋の初釜の出張料理に福治を連れて行く。正客は隠居の後妻の夕だった。
真田屋の源次郎 育世夫婦に子供ができる。
鷽姫 浜松の武具屋兜屋の娘・薫が掛川藩江戸留守居役嘉門孫十郎の養女になり奥勤めに入るために江戸に行く途中立場茶屋おりきに泊まった。薫は従者の一人が好きなようだ。知らぬは父親だけのように見える。何事もなく発ったが、掛川藩の屋敷に着いた時、薫とその従者は居なかった。薫になりすました侍女は斬られた。侍女は実母だったようだ。
同じ日、松風の間を好む尾張屋が泊まり、息子が結婚し子供が出来たことを言う。御端女なので反対したが子供ができたので・・・。美味しいお茶を入れるし、声が奇麗で子守唄に聞きほれるという。いい嫁です。という。
すみれ野 おみのは一年前に嵐に船を出し帰ってこない兄・才造の墓を妙国寺に建てた。
甲本屋に、三番目の子供が出来たようだ。貴之助が、藤沢で汀が貴之助の子供1才すみれと名付けて育てているようだと相談にくる。今にも藤沢に行きそうな貴之助に、それは汀の望んでいることではない。という。
三吉21の縁談が決まった。相手は筆屋京泉堂の次女・琴音23。持参金百両で伏見の別荘を新居にする。祝言は五月十日場所瓢亭という連絡が入る。双子の妹・おきちと番頭の潤三が行く予定。おきちは女将にならない、結婚したいという。

2016年6月13日月曜日

禁裏付雅帳〈二〉

禁裏付雅帳〈二〉 戸惑 上田秀人
東城鷹矢は公家を監察する禁裏付として、京に赴任する。将軍家斉の父治済の大御所号の勅許を得るため朝廷の弱みを探れ命じられた。
仕事に就くが何もしなくて良いと言われる。
挨拶廻りに行く。二条家で京の生活に慣れるようにと二条家の養女を送り込まれる。
貧乏公家の次女、上手くいけば父親を蔵人に推挙することで鷹矢に取り入るように言い含められている。二条治孝は鷹矢を取り込み、幕府を操ろうと企んでいた。
禁裏付の仕事は月交代で蔵人が提出する出納帳の項目をいくつか手帳に書くように言われ、鷹矢は全てを書き写す。それを見た温子(あつこ)は高い買い物をしているという。二条家に相談に行く。鷹矢の為に尽くしておれと言われる。
松平定信の失脚を狙う水野と松平周防守は七人の家来を京に送り、京都所司代の戸田にお金を渡す。戸田家の用人は鷹矢の命を狙うようにいう。

2016年6月12日日曜日

まったなし

まったなし 畠中恵
清十郎の見舞い客が減るように麻之助は13才のお香に清十郎と麻之助の伝言役を頼んだ。お安は見抜く。
 祭りのための寄進が今年は集まらない。町名主西松家の当主16才でなったばかり、兄が急死 手伝いの辰平に遠慮があった。もう一度寄進に廻った。狐憑きの噂を流された商家の娘
 消えた子犬と火事の因果関係 子犬を連れ去り別なところで子犬を放す。子犬を探す振りして空き家を探し火付けをする。近所の大工の棟梁の息子、犬を探してといいに来た子供の兄、犬を子供たちにくれた人の息子たちが火付けをしていた。大騒ぎが面白かった。親たちを呼んで京・大阪 堺 尾張へ別々に修業に行かせた。帰って来ないこと。11才唐14才
 江戸とは思えぬ景色から帰る方法は 船が来る方向へ向かった。
 幼い子供を悪名高い高利貸しに預けた訳。質屋を営む主人が病気になる。親の身代を持ち去り親を死に追い込んだ兄が現れる。相談された麻之助は子供に残したい財産を取られないため丸三に預ける。財産の葛籠を追い掛け川に流された兄は助けられたが遠島になった。
 婚礼用の白無垢に染みをつけたのは誰 お針子のおしんの大工の恋人は大工の棟梁の娘と結婚することになった。娘は白無垢をお新に頼む。白無垢に染みがあるためお金を払わないという。結婚はしないことになった。染みを付たのは棟梁の息子・跡継ぎだった。
 清十郎の縁談が進まない訳 由有が清十郎の父親と結婚した理由が明かされた。元になった達三郎が江戸に帰ってきて清十郎の縁談がまとまると由有の縁談が決まってしまうので邪魔をしていた。虎さんがお安の着物や化粧を変えた。
清十郎の縁談が整った。その日に結婚することに決まった。耳元でお安さんを好いている。御身だけだ。と語った。
お安さん町名主甲村の娘20才

2016年6月11日土曜日

あくじゃれ瓢六

あくじゃれ瓢六 再開 諸田玲子
3年前お袖は火事に巻き込まれ亡くなったようだ。遺体は見付かっていない。瓢六はもう少しで40才
将軍家慶になった。いや家斉が亡くなった。家慶の世になった。
瓢六は六兵衛と名乗り小普請旗本・小出茂右衛門の屋敷の借家に隠れ住んでいる。以前の知り合いとは付き合いがなかったが出会ってしまった。
北町与力・菅野一之助 篠崎弥左衛門中風で右手が動きづらい 奉行・遠山左衛門尉
源次親分の孫娘を近くに住む勝麟太郎の叔父男谷家で働かせてもらう段取りを付ける。おさきは治助の息子と一緒になる覚悟をしていた。源次は病気の身体で治助の息子を傷つけて死んだ。
南町奉行は鳥居甲斐守になった。
遠山を密告した者を探す。殺された戯作者の縁者・吟味方与力が密告者だったようだ。割腹ように殺された。
奈緒・対水野の殿様の伝言を伝えに現れる。殿様は寺社奉行の弟
六兵衛たちを探りに来た密偵おりょう。すべてを知ったが南町奉行所に行きロザリオ出し何もしゃべらないで牢内で死んだ。
筧十五郎と秀斎、おひでを助けるために小出の奥様を利用する。秀斎は助かるが筧十五郎は右手の指を潰されていた。
萬兵衛が捕まった。治助の昔の悪仲間だ。悪行の証拠を見付けて治助を捕まえ遠山の裁きに掛けようと策を練ったところで遠山が大目付になってしまった。
弥左衛門の息子弥太郎が勾引かされる。萬兵衛と弥太郎の取り引きをする。船で行なわれた。瓢六は弥太郎を受け取り船に乗せ、自分は治助の船に乗り弥太郎のふねを蹴飛ばした。治助の船は底から水が入り転覆、治助は和船に泳ぎ着いたが棒で叩き殺された。瓢六は転覆した船に捕まり助かった。和船には仲間が乗っていただろうに。
西福寺と延命寺の間に桜の木を植えた。お袖の墓だ。

2016年6月10日金曜日

町医・北村宗哲

町医・北村宗哲 男嫌いの姉と妹 佐藤雅美
 宗哲は江戸の侠客の手打ちを頼まれた。断わった。
長井半四郎33、父は仙台伊達家で二百俵の御番医、医者の勉強もしていたが、直心影流の花岡道場へも通った。一緒になるつもりのかよが吉原に身売りしそうになり家も本も売り安兵衛一家の定次に掛け合った。百五十両を百八十両に釣り上げる定次の首を刎ねた。安兵衛と話を付けた。五十両で証文を返してもらい、百両を定次の家族に渡した。四年でかよは死んだ。
半四郎は安兵衛に自分の後を継いで欲しいと頼んだ。金貸し業は安兵衛がそのまま、影富は代貸の平八が継いだ。収入のない半四郎は八人で黒門の喜之助の賭場荒らしをし千二百両を奪った。
仙台の殿様が玄丹に半四郎を召し抱えたいと言った。玄丹は自分の娘婿が順番待ちをしているので半四郎は寝たきりで明日をも知れない状態だと答えた。そして殺し屋を頼む。返り討ちに会う。政五郎と玄丹が金を返せ返さないで揉め、玄丹が政五郎を殺してしまった。玄丹が捕まり殺し屋を頼んだのは玄丹だと判った。父と同僚だった岡本了意と出会い半四郎が元気なことが判った。
西村隆太郎が捕まり、七人はすぐまつ屋に立て籠もった。黒門に人数が集まらず持久戦になった。喜之助の寝込んでいた娘が死んだ。丸一日経って生き返った。以前より元気に動き回る。喜之助は引退して久遠寺で得度するという。半四郎たちは後を賢吉にまかし解散した。半四郎は宗哲のところで二、三年修業して町医に成ろうと思った。
半四郎は宗哲のところの患者の娘に種が欲しいと言われる。子を産みたいと。姉妹は男嫌いだったが跡継ぎがなく従姉妹の子を養子にするなら男の種を貰い子を産もうと考えた。そして半四郎んに頼んだ。
賢吉が囲まれていることをしり半四郎は助っ人に行く。妹ちよがきた。宗哲は仲人をすることにした。両国広小路の竜次と市ケ谷八幡宮門前の庄之助と手打ちした。江戸の顔役は全員和睦の盃を交わすことになっている。と言うと浜五郎は折れた。七人は解散した。宗哲は稼業人の長老かつ仲人と言う立場で和睦の盃事は行なわれた。
半四郎はちよと結婚した。仙台藩に戻ることになった。姉・みちはお婿さんを迎えることになった。

2016年6月9日木曜日

半次捕物控

半次捕物控 泣く子と小三郎 佐藤雅美
北の定町廻り岡田伝兵衛 年番方与力佐久間惣五郎
半次 連れ合い志摩
お奉行の十露盤 榊原主計守と酒井雅楽守が横山炉雪の同じ絵をもっていた。どちらが本物か。榊原の物が本物だった。絵を持っていた絵師の奥さんに三十両を払った。書いた炉雪の弟子を見付け、本人に見てもらった。酒井は恥になるので無かったことにした。
蟋蟀小三郎  国見小三郎
沈念9大久保恒次郎を 半次の家で預かる。逃げてきた若侍左近を匿うが小三郎が引き渡した。さる藩の殿様の弟君だった。殿様が奥様をおいて国許に帰っている間に奥様と深い仲になってしまった。殿様が気付いて追いかけていた。左近は髪を剃った。
小三郎は半次を福の神という
油問屋の娘かよ16才挿している笄が盗まれた物だと言われた。廻りの噂になった。一月ほどあった店、烏の勘三郎が売っていた。勘三郎は一年前姿を消していた。さくらを仕込み売っていた詐欺商法で捕まえた中に勘三郎がいた。一年前の商品は質屋の家尻を切って盗んだものだった。死罪になった。かよのぬれ衣を晴らした。
小三郎はちよと一緒になった。長太郎 大三郎 よう三才から六才のこどもがいる
大奥の松茸が28本少なかった。どこで抜き取られたか調べる。西の丸に28本多く運ばれた。台所役人が一本づつ分けていた。
小三郎が宮川周五郎に一本取られた。は組と小網町の喧嘩を宮川と小三郎の果たし合いで決着をつけようとしたところ、偉そうにする宮川に腹を立てたは組の者が宮川をたたき殺してしまった。
恒次郎の身元が分かる。お家騒動で父親は遠島になっていた。
材木商の妾が上手く家に入り込んだ両替商の総領息子と名乗る者に、家から土蔵の中すべてのもを盗まれた。材木商の道楽息子の友達たちの犯行だった。
ちよの夫は山里お庭の者だった。川に落ちて死んだことになっていたがちよは敵を狙っていた。その仇の早川市太郎は実家の亡くなった弟に成りすまし二重生活をしていた。山里御庭番と紅葉山火之番というお役に付いていた。遠島になる。

2016年6月8日水曜日

あくじゃれ瓢六

あくじゃれ瓢六  諸田玲子
興津屋弐兵衛・賀野見堂貸し本屋瓦版屋を始める。筧十五郎絵師
牢に捕らえられている大名の屋敷に入り骨董ばかりを盗んでいた仁平から骨董品の在り処を聞き出してくる。在所を隠している仁平の在所を突き止める。村に寄付をしている。犬が探していた茶腕で食事をしていた。
お袖が挿していた簪が盗まれた物だった。女将が女中の荷物とお袖の荷物を間違えた。夫の浮気相手の女中の荷物に自分の簪を忍ばせた。店を追い出すつもりだった。十五郎の許嫁は同じような事件で自死していた。
牢名主・雷蔵が病気になって溜まりに移された。後釜を狙って牢の中が騒がしい。瓢六は牢に入って大釜とカマキリの産まれる寸前を用意した。産まれて供食いが始まり最後にはみんな居なくなった。みんなおとなしくなった。
大名関係の母子を奉行の家に見張りの目をのけて連れて来る命令を受けた。一組は二挺の駕籠でもう一組は瓦版番を売るためにやっていたことで、途中で岡っ引きに奉行所へ引っ張られて行った。母子は石出帯刀に匿われた。

2016年6月7日火曜日

中条流不動剣〈一〉

中条流不動剣〈一〉 紅い剣鬼 牧秀彦
日比野左内 妻・茜 茜の父は、尼崎四万五千石前の藩主松平遠江守忠告、亡くなって三年になる。 息子・新太郎 
柳生流剣客妹尾将五郎 妻・波路45 娘・綾乃21才親子 茜が預けられた剣客家族、将五郎亡き後波路に剣を習う。
柳生家当主・柳生飛騨守俊豊22当主が亡くなり養子になる。 先先代当主・柳生俊則80 柳生俊睦31才・俊則の次男だが四年前に廃嫡・波路の弟
塩谷隼人 立花恵吾同心 柴崎丈太郎 御庭番・多美
俊睦は俊豊を葬り柳生家を乗っ取るつもりで、綾乃を使い、柳生四天王を殺した。綾乃は嫌い、家を出る。波路は茜を使うつもりで、新太郎を勾引かす。茜は新太郎を取り返すために俊豊を殺そうとする。綾乃に全てを聞いた左内は、茜を止め、俊豊を助ける。新太郎は丈太郎たちに助け出される。左内は綾乃と立ち合い左肩を砕く。
柳生俊睦に挑んだ左内と塩屋隼人は柳生家に行く。立ち塞がったのは柳生家の家来、倒す二人の前に俊豊が現れ、後のことは柳生家に任せて欲しいと言われる。波路と綾乃は出家した。

松平蒼二郎34才が現れ塩谷隼人を狙っている。