心花堂手習ごよみ 三國青葉
日本橋小松町の「女筆指南心花堂」は勾坂初瀬が師匠を務める女子の手習い所。伯母が倒れたため、旗本の奥祐筆を辞めて継いだ。
大店の娘で我儘な千代を叱ったことから、四人を残して筆子に去られてしまう。残った四人の筆子たちの信頼を取り戻してゆく。千代が戻ってくる。
知り合った南町定町廻り同心・朝比奈多聞や、前に勤めていた旗本の末弟・三枝伊織が心花堂に顔を出す。二人が初瀬に想いを伝えようとした時、大月亮俊という医者が、初瀬の許嫁だと言って現れる。
江戸染まぬ 青山文平
つぎつぎ小袖 長女の疱瘡よけの呪いの小袖を縫ってもらうために親戚を廻る段になって、今まで一番世話になり助けてくれた家に行きづらい。頼って来た時に断っているから。夫のために借財をして漢籍二十巻を買った後だったから。
町になかったもの 八年前、紙問屋を作った晋平。全国を知り尽くした飛脚問屋の出店ができ町にないものは無くなった。町年寄の成瀬と一緒に訴えのため江戸に行き、江戸を見た。晋平は漢文を返り点無しで読める。晋平は紙問屋を弟に任せ、書肆を開いた。自学自習で己を変えた者たちが現れ、この町をもっと変えていく。この町にないものは無くなった。
剣士 垣谷耕造、父の代には次男坊、兄の代には弟、兄の長子・哲郎の代のは叔父として俗にいう厄介叔父。哲郎は目上の叔父として遇してくれる。自死はできない。益子慶之助と釣り場で会った。昔、藩校の龍虎と言われた二人だ。二人は果たし合いをし、相打ちになることに話が決まった。
いたづら書き お小姓頭取は藩主から目安箱に入れるよう書状を預かる。頭取は読み、焼いてしまった。幼馴染の他藩の藩主の悪行が書かれていた。どうみても藩主より見劣りがする幼馴染が奏者番の役に着いた。何度も渡される書状を度ごとに焼いた。諫言に踏みきろうとした時、幼馴染は勝手掛若年寄に進む。藩主は祝いの品を選ぶように頼んで来た。書状は無い。以後もない。「苦労であった」とお言葉をもらう。藩主は周りに心配りが出来る英明な主君のままだ。焼き捨てていたことをご存知だったのか。判らないままだ。
江戸染まぬ 武家の抱え屋敷の下男は、二十歳の隠居藩主の手のついた女中・芳を田舎に送ることになった。用人は十両持っていることを強調する。芳を殺すことを願っているのか。芳が貰ったのは五両だった。可哀想になり、下男はこの話を中番屋に売ると芳に話す。下男は芳に刺された。お殿様を笑い者にはさせない!芳の言葉だった。芳の迷惑にならないところまで行こう。
日和山 表祐筆の父が隠居し、何の考えない父は、貸本屋の書写をし、怪しい異説の流布に加担し、人心を惑わせた罪で闕所になり追放となった。養子先が決まっていた次男・も中追放となる。刀を捨て、往還で中間仕事をする。刀を持ち、用心棒をする。博徒同士の襲撃の助っ人のために日和山に行き、真っ黒な巨船を見た。
台 遊びなれした二十一才の次男坊が、女中を誘う。振られた。女中の腹が膨らんで兄を疑った。父でもなく、祖父だった。次男坊は昌平黌の学問吟味を受けることにした。出遅れているため甲科を目指さず乙科及第を目指す。甲科及第した。十一年経ち、海岸防御御用掛をしている。祖父は足が動かなくなった祖母を手水に連れて行き自分の作った台を使い、祖母を抱えている。女中が祖父を選んだ訳が分かったか。
足利の血脈
宿縁 河越夜合戦 荒山徹
螺旋の龍 足利義輝弑逆 木下昌輝
大禍時 織田信長謀殺 秋山加乃
凪の世 吉連川藩誕生 谷津矢車
大佛次郎時代小説全集 第1巻 大佛次郎
御家人風来抄 天は長く 六道慧
貧乏御家人・緒方弥十郎は美丈夫で剣の腕も確か。用心棒や喧嘩の仲裁、風来屋家業でいろんな依頼が舞い込む。
弥十郎の母・多香女は四度離縁している。
二晩用心棒をしたおりょうが、自殺した。自殺をしたように思われない弥十郎は「後朝の別れ」の一言を手掛かりに探索する。
多香女の書道の展示会の話が起こり白粉と紅を扱う「天久」と馴染になる。多香女は書を書き、書いた物を見る「墨相見」をすることで有名である。
おりょうの死は、紅花を扱う大名家が関係する事件だった。天久の紅花買い付けの三千両を盗み、大名家が盗んだ者に心当たりがある。千五百両出せば取り返してやる。と言ってきたのだった。大名家で考え出したのは宮原新之丞、彼はおりょうにしゃべっていた。おりょうは大目付に訴えようとして殺された。
周はディスマスから渡されたスマホを二人に渡す。スマホに連絡を入れた。北条から返信、北条は潜入捜査をしていた。北条の連絡通りに動き飛び込んだ先に夏希がいた。
ディスマスを追って行き止まりに追いつめた、追いつめられた。ミーナを盾に狙われる。北条が主犯・ティファーニーを諭している時、CIAが現れミーナは逃げて夏希の所へ。CIAは撃った。ティファーニーも北条も死んだ。ティファーニーは元CIAだった。
ミーナは期間限定の暗号キーを作ると言い、PCを作動させる。プログラムが破壊された。
脳科学捜査官真田夏希⑥ パッショネイト・オレンジ 鳴神響一
テレビ局のアニメ・プロデューサーが鎌倉の自宅付近で殺害された。「贖罪幽鬼」を名乗る者から犯行声明が投稿される。捜査官・真田夏希はかもめ*百合と名乗り交渉する。犯人は番組関係者への殺意を剥き出しにする。