貸し物屋お庸謎解き帖 絵草紙と隠金 平谷美樹
十六文の貸し物 大道で越後獅子の軽業を披露する捨吉が、湊屋両国店に十六文を持って父親を借りに来る。締造にすがって思い切り泣きすっきりして帰った。後、捨吉の親方が来た。
金を払いに来た。大事にしていた十六文を出したことを知る。何を借りたかを聞く。親方は話す。親方・辰吉は、捨吉の父だった。越後獅子の修業は辛い。実の父に虐め抜かれるのは可哀想だから、捨子だったと言い。心配する父親がいるんだと思わせてやりたかったと言った。
庸は、捨吉にそのはなしをしてやれと話す。
風鈴を三十 表長屋で瀬戸物屋の梶右衛門が、風鈴を三十ぐらい貸して欲しいという。夜中、何者かが入っているが、何も盗られていない。風鈴を仕掛けて捕まえようと思ったらしい。嫁と子どもは実家に行かせる。風鈴は鳴らなかった。が、何者かは入っていた。幽霊を見るまじない干し蚯蚓の灯火を用意する。見えたのは、昔、梶右衛門がタロ兵衛と名付けて可愛がった野良犬だった。中野で食事の心配なく生活したが、ここの生活が忘れられなかった。タロ兵衛がだんだん消えていった。妻子も実家で、尻尾を振る犬を目撃していた。
絵草紙と隠金 芝居小屋の座付き作家の助をしている庄之助が、栗原桜軒の絵草紙総覧を借りに来る。本店で借りる。日の本之隠金を借りに来る。庄之助は台本を書くに当たり八王子を見たいと言い出し、庸と一緒に行く。昔話しを聞き廻り、洞窟を探し探検する。
帰った庸は本店・清五郎に報告する。洞窟には何かがあった、自分たちが行く前にどこかに移されたと言った。清五郎についている半蔵が、村の者に話し動かしてまた戻していた。村の者は使うつもりはない。護るだけのことだと言った。庸は、欲はかいちゃあならないという話しにするつもりだ。
庸は、清五郎が好きだという自分の気持ちに気付き、本店に行くことに戸惑っている。
名残雪の別れ 大工の頭領を目指す庸の弟・幸太郎の家・庸の実家に化け物が出るという。
庸は話しを聞き、生まれて来れなかった庸の姉・りょうだろうと推測した。りょうはみんなを守るために家神になる訓練をしている。最後の訓練だと言っていた。現れたりょうと話し、もともとの神棚ではなく、庸の部屋だったの部屋をりょうの部屋とした部屋に新しい神棚を作った。幸太郎が、りょうの部屋が騒がしい。暴れていると言う。庸は、お供えは、塩や米でなく家族と同じ膳を供えてやれと言った。幸太郎は、おりょう姉ちゃんが、住んでいると分って安心した。と言って帰った。
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