2024年12月4日水曜日

町医・栗山庵の弟子目録〈二〉 神隠し

町医・栗山庵の弟子目録〈二〉 神隠し 知野みさき

 石川凛は、敵討ち後、栗山千歳の弟子になる。兄弟子になる佐助は男の子の格好をしているが、女の子であることを凛は知った。浪人剣士・清水柊太郎も知ることになった。佐助は、火事場で両親を亡くし、左腕もなくし千歳に助けられ共に暮しているが、謎が多い。神隠しにあった女児と似ていると武士がきたことと、佐助が、死んだと思っていた女児そっくりな子を見たことから佐助の過去が知れる。
 佐助は信濃から売られてきた。旗本の姫様のお相手に五人の娘が買われた。三か月のお試し期間があったが、その間に順々に四人の娘が死ぬ。そんな中で佐助・さいは、女中の手引きで逃げ、たまたま男の着物を盗みに入った旅館で眠ってしまい火事に遇った。千歳に助けられ、火事で二親を亡くしたことにして千歳と住むようになったのだった。さいたちは、姫様に毒で殺されたと思っているが、狙われている姫の巻き添えだった。
 佐助が姿を消し、勾引かされたと思った三人は、探し出して旗本の屋敷へ行く。佐助は死んだ娘・みちとそっくりな娘と話し、みちだと知る。姫さまが亡くなったことを知り住んでいた屋敷に行く。
 出会した姫様たちと、佐吉と三人とで話し、姫の事情がわかった。姫は父親の本妻から命を狙われ、佐吉たちが一緒に住んでいた姫は亡くなり、話している姫と双子だった。姫も毒で身体が蝕まれていた。本妻は祈祷師の昌子の言う通りにしていることがわかり、女中も本妻の命令で動いていることが判明した。
 姫とお付きの武士・溝口は、家を捨てた。伊賀者の手で伊豆に逃げた。祈祷師の所から二人が帰らないという訴えで祈祷所が調べられた。人の骨が何体も出た。自分の占いが本物に見せかけるために人を殺していた。人買いや、神隠しにも関係していることが分り、死罪になった。
  
 長屋の娘が勾引かされる寸前、凛が未然に防いだり、勾引かされ駕籠で運ばれる女を凛と佐助が見付け、柊太郎が助け出したことがあった。捕まりお仕置きになった。仲間が佐助や柊太郎に恨みを持ち栗山庵を襲った。凛が襲われた時、柊太郎が現れ凛を助ける。慶二が現れ、二人を捕まえた。

 

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