2025年4月29日火曜日

脳科学捜査官真田夏希㉔ ビター・シストラ

 脳科学捜査官真田夏希㉔ ビター・シストラ 鳴神響一

 心理職特別捜査官の真田夏希は、私立小学校で、安心してネットを使える心がけに付いて特別授業をする。終えて帰ろうとした矢先、拳銃を持った男女が、小学校に侵入し、二十名の生徒と教諭を人質にし、立て篭もった。犯人の要求は、人質の中の三人の祖父が、世界で厄災を及ぼした。マスメディアを使って謝罪しろ、孫一人に金十キロを用意せよというものだった。

 小学校にいた夏希は、移動する織田部長と電話で話す。人質が多く、SISの突入が出来ない。
 夏希は、自分と人質十七名の生徒との交換を申し入れ成功する。
 犯人の要求が、ヘリコプターと羽田から飛行機でブラジルにいくことなのが分った。彼らがディスマスの計画で動いていることが分った夏希は、首謀者格の若槻を説得する。若槻の父親は、三人の内の一人の祖父の会社命令で、理不尽な仕事を押し付けられ亡くなっていた。
 夏希は、日本政府が要求を承諾しても、羽田から出ることは出来ない。テロに屈することはしない。SATが突入し全員殺されみんなの言いたいことは消されてしまう。今、投降し刑事裁判で主張すればいい。何故こんなことをしたか、父親がどんな目に遭ったか主張できると説得する。説得に応じそうな若槻を見て、泉沢先生が口を出す。若槻は裏切り者だと五人の男に英語で言った。先生も仲間だった。ブラジルに行けばマスコミを使って意見は主張出来ると言う。先生の案だったようだ。若槻が先生を説得しようとしても先生はヘリコプターを呼べと言う。夏希は「SOS]発信をし、ヘリコプターを呼んでくれと織田に言った。
 換気窓からピリナが飛び込み拳銃を持った先生の手をつついた。SISが突入し、全員取り押さえられた。先生は、自死しようとしたが、三人の子ども達に死なないでといわれた。先生は③企業の罪を叫び続けた。

2025年4月25日金曜日

小説家の姉と

小説家の姉と 小路幸也 

 五才上の姉が小説家になったのは、僕・竹内朗人が十五才の時だった。姉・竹内美笑。
 大学三年、デビューして一年目、東京へ引っ越し。
 姉と同じ大学へ朗人入学。実家から通う。彼女が出来る。島根松江市から来た松下清香。
 大学二年、五月。一人暮らしの姉から一緒に住んで欲しいと要請され同居。親から姉の異性関係を調べること要請。
 同じ大学に千葉大貴がいる。幼稚園も小学校も中学校も高校も大学も同じ。親友でも仲良しでもない。悪くもない。家は二軒隣。
 千葉が、大学近くのアパートから、近所のアパートに引っ越ししてきた。捨て猫を拾ってしまいペットOKのアパートに変わった。
 清香も姉の小説ファンだというが、千葉もファンだと言う。そしてあえて逢いたいと言わない。が、姉は猫好きだ。姉と一緒に千葉のアパートに行くことになった。
 清香は料理上手だった。四人で食事をする。
 千葉はあねさんと呼ぶ。
 姉の付き合いで会った編集者さんから、ゲラの感想を聞かれた。主人公は大学生サスペンスの部類。話しは面白い。引っ掛かりが多すぎてその度に突っかかる。二人の名前が合わない。のっけからタクシーを捕まえて凄い距離を逃げる。とか
 ケンタ猫がいなくなった。四人で探す。ケンタは自分で帰ってきた。
 清香と話す。千葉と姉が付き合っているんじゃないかと。朗人は、自分が同居したのも二人が会いやすいからではないかと考える。
 母が倒れた。状態は良いが、心臓が弱っているようなので検査することになった。
 清香と千葉が待つ部屋で母の病状の話しをする。そして姉は、千葉君と結婚すると言う。マンションへの同居は、作戦だった。まだ何者でもないから親にはつき合っていることだけ話す。

2025年4月23日水曜日

新・口中医桂助事件帖③ シーボルト花

新・口中医桂助事件帖③ シーボルト花 和田はつ子 

 シーボルト花 桂助は、文部省医務局長・長与専斎の説得により、医術開業試験の試験官を引き受ける事になった。政府から虫歯削り機が届いた。鋼次と共に機械を使って治療できる人材を求める。福沢諭吉や長与の紹介である医術開業試験の受験を希望する小幡英之助が訪ねてきた。桂助は、試験をし、多くの希望者から英之助を選び、虫歯削り機の働き手として雇った。彼は、エリオット先生に師事していた。英之助は、桂助の痛くない歯抜きの伝授を希望するが、英之助との師弟関係になることは断った。彼はシーボルトの紫陽花を持参した。

 うさぎ草 うさぎの飼育がブームとなり人気のうさぎは高額で取引された。投機熱を覚ますため政府はうさぎに税金を課した。ブームの首謀者と思われた土生光輝が殺された。光輝を後ろで操っている者が口を塞いだと思われた。三男・光晴が持っていた高額な黒面更紗うさぎは、元公家、今は吉原にいる雪乃が飼っていた。雪乃のがいる吉原の家に不審火があり雪乃はアルバート・スタインバーグの館に移った。雪乃は結婚してアメリカに渡る。光輝を殺したのは、うさぎ投機を思いついて流行を広げて儲けていた事実を認めた京極直徹だった。光晴は屋敷を売り、投機の失敗での借金を返し、川路の伝手で小学校の教員となった。

 曼珠沙華 川路に要請し、骸の検視をする桂助は、金五とそのまま事件調べの手伝いをする。自死に見せて殺された医者・松永幸太郎の死を調べる。松永を殺したのは、娘婿になるはずだった中村俊太郎を馬車でひき殺された千年堂の主人、娘・千里、俊太郎の母・連だった。そのことを知った芙蓉がお金を要求してきたので殺していた。
 事件を調べるうちに、金銭で依頼され、病死、事故死に見せかけ殺す、殺し屋がいることを知る。

 待雪草 心臓麻痺でなくなった者を調べて、ヒ素中毒だと分った。殺し屋の名前はスノードロップ。
 もうすぐ試験の英之助が、ヒ素中毒になっていた。桂助は英之助を入院させた。ヒ素を入れられたのは芋焼酎だった。
 長与のスノードロップが誰か突き止めよの言葉で、英之助をおとりにする。英之助に届ける者を突き止める。福沢諭吉の名前で届けられた。本人がくる。いわしや井太郎だった。江戸の頃、富裕の者から寄付を募り医薬を世の隅々に届けていた。明治になり寄付が集まらなくなった。芙蓉が依頼され、松永が毒殺する。松永が勝手をするようになり困っていたところ千年堂の事件が起きた。

 歯科か口中科と言われている時に、口中医たちは、秘伝としたため歯科となった。口中科は自滅した。誰がスノードロップに英之助の殺人を依頼したかは伏せられた。
 小幡英之助は、医術開業試験歯科に合格し、本邦初の歯科医師となった。
 

2025年4月19日土曜日

米番記者が見た大谷翔平

米番記者が見た大谷翔平 志村朋哉

 メジャー史上最高選手の実像
 2023年、ドジャース移籍が決まったところまでの話し。
 2024年 ドジャース移籍、ドジャース優勝 
     大谷選手の成績、197安打 3割1分 130打点 59盗塁
 
 ディラン・ヘルナンデス 1980年生まれ。カリフォルニア大学ロスアンゼルス校卒業
   ロサンゼルス・タイムズでコラムニストを務める。
 サム・ブラム  1993年生まれシラキュース大学卒業
   2021年からスポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のエンゼルス担当記者を務める
 志村朋哉  1982年生まれ テネシー大学スポーツ学修士課程修了。大谷翔平のメジャー   リーグ移籍後、米メディアで大谷担当記者を務めた。

2025年4月15日火曜日

A DAY IN YOUR LIFE 

A DAY IN YOUR LIFE 小路幸也 

 リスナーから寄せられる人生の、ある一日の体験談を、物語に仕立てて読むラジオ番組。
 パーソナリティーは、小説家・槙村朗。彼は子どもの頃、誘拐され父親を殺された過去を持つ。犯人は捕まっていない。犯人から聞かされた不可思議な話し。そのはなしを見つけ出したくて番組を続ける。槙村は文字や言葉の色が見え、嘘か事実か判別出来る。
 
 槙村朗のことを知ったチーフ寧々とアシスタントの矢川が、二十五年くらい前の事件を調べ始めた。槙村は小学二年生で、記憶があやふやだった。
 三人で調べ、一週間監禁された場所を突き止めた。山の中の祖父から残された別荘だった。父に連れて行かれ一週間いた。一緒にいたのは父の兄、画家の彼は、槙村の絵を描いた。彼はスペインに住んでいた。最後の日、やってきた父は、ベランダの手すりが朽ちていて崖下に落ちて亡くなった。
 父の兄と姉はスペインにいた。それぞれ結婚し娘と息子がいた。三人が突き止めた時には亡くなっていたが、伯父の息子が手紙を預っていた。

 真相がわかった。叔父は、人の顔が花に見える頃があった。その頃出会ったのは槙村の母。彼女は二つの顔があった。二重人格。一人が結婚したのは父、一人は伯父。槙村の生物学上の父は伯父だった。ベランダでの出来事も書かれていた。最後の不思議な話は、伯父の目には、人の顔が花に見える。人により花が違い、内面により色が違う。二つの花を持つ少女に出会い、その子のお陰で人の顔がわかるようになったと言うお話。
 
  

2025年4月12日土曜日

おやこ相談屋雑記帳 ⑳ 騙された 

おやこ相談屋雑記帳 ⑳ 騙された 野口卓

烏がやって来た
 屋敷に住着いた狸を信吾が見に行ったと言う話しを聞いた京作は、烏を飼っているので見てほしいと言った。京作は、羽根を折った烏を飼っていた。自分が年寄で死に、烏のカア助が行きていたら、誰もえさを遣らなくなる。残して行くことの心配をしていた。信吾が飼うことにした。庭に鳥小屋を作り、烏を引き取った。

相談客にあらず 
 宮戸屋に信吾の呼び出しのお座敷が掛かった。相談客では無く、雑談をする。返しに呼び出し畳の話をした。備後屋忠治郎との話は楽しかった。

親孝行な嘘 
 七五三を見に、権六が吾一を連れて来てから三回目。吾一は鹿威しという盗人のはなしをする。八丁堀の道場に通う吾一に、定町廻りの若木に声をかけられた話しをする。今晩でも明日でも権六に屋敷に来るように伝えてくれと言った。口が固いことを確かめて、誰にも言うなと言ってから、若木といつも一緒に町廻りをしている玉吉が年齢を理由に八月いっぱいで辞める事を伝える。吾一は若木が呼んでいることを伝えるが、玉吉の事は言わなかった。吾一に言わなかったことを若木に褒められる。信吾には話しているが。
 権六や母親・こまに反対されても自分は行きたいという吾一に、一日目は付いて行き、道を覚えてしまい、二日目からは少し前を先に歩き回ればいいと信吾にアドバイスされる。

遠来の客 
 十五年前忽然と一家全員で姿を消した蝋燭屋の幼馴染・勝太郎の兄・厚太郎が来た。勝太郎は亡くなったと言う。十五年前、京の兄が亡くなり二人の父は兄の息子が大きくなるまで息子を育て店を守ると江戸店を閉め京にいた。江戸に帰ってきたと言う。
 別日、厚太郎が迎えにきて行って見ると前の店の跡地に美祢古屋の店が建っていた。宮戸屋に行くと、勝太郎がいた。一年も前に江戸に帰り、二人で働いて店を飼っていた。信吾を騙したかった。と言った。

2025年4月4日金曜日

猫さえいれば、たいていのことはうまくいく。

猫さえいれば、たいていのことはうまくいく。 アンソロジー

猫は長靴を履かない 荻原浩
 小学六年生で両親を亡くした少年・麦田コースケは、父の弟一家に引き取られた。大学に行き、社会人二年目、叔父が亡くなった。叔父からの遺産、一匹のスコティッシュフォールドと二百二十万・大学の学費の借金を抱え込んだ。
 猫の存在を知った会社の先輩・真壁麻里乃と、動画配信することになった。ワビスケは、スコ座り、二本立ち、わびすけ劇場、ジャンプ、空中で一回転、しゃべる猫。投げ銭が貯まり、叔父一家に返金出来た。真壁先輩も映画を作るお金を貯めた。ワビスケが痩せた。オジサンもういいよ。と言えばワビスケは普通の猫になった。
 結婚資金貯めようかと言いかけた時、ワビスケはドレミの歌を歌っていた。

ツレ猫婚 石田祥 
  三十五才の広田七緒に、叔母が、会計事務所勤務の三十九才の加納克己を紹介した。堅物で猫の話しかしない、断ろうとした矢先、加納が熱を出し三日休んでいると聞いた。猫が心配で家に行く。猫に餌と水をやりトイレの掃除をする。礼を言われた時、何か起こった時は猫を助けると言われた。堅物、時間には正確、凝り性で勉強家、奇麗好き、お互い連れて行く猫が幸せならお互い幸せになれる気がする。

いちたすいち 清水晴木
 安城成美、二十九才。コインランドリーで二メートル空けて黒猫と付き合っている。会社で陰口をトイレで聞いてしまった。もともと人との付き合いがない。眠れない夜のルーティーンは、二年前に会社の上司・真里さんが辞め半年前に開いた夜カフェに行く。店名は「マルジャーラハ」雄猫。真里さんと話す。雨の日は、深夜ラジオに耳を傾ける。きっかけはDJコトーさん。
 陰口のことを聞いた真里左から、カフェを一緒にしないかと誘われた。お客様が増えたら考えよう。コインランドリーの猫との間がつまり、抱き上げ連れて帰ろうと思っている。
 深夜放送から夜カフェ・マルジャーラハの話しが流れる。カフェの常連客、一人は真里さんの元夫、もう一人はDJコトーさんだった。

猫のヒゲ 標野凪
 八十才で一人暮らし。一年ぐらい前に娘が連れてきた猫・シマ子と暮している。娘が夫と別れて帰ってくることを願っているが、駄目なようだ。

神様のウインク 若竹七海

御後安全靴株式会社社史・飼い猫の項 山本幸久
 

2025年4月2日水曜日

わが家は祇園の拝み屋さん 京都寺町三条のホームズ

わが家は祇園の拝み屋さん

京都寺町三条のホームズ 望月麻衣

神様の居候を読んで、また火が付いちゃった。
本館に行く機会で出来たので。

 二度目か三度目かまたまた読む。