徒目付勘兵衛〈十〉 遺痕 鈴木英治
肩口から右腕を斬り落とされた死骸が見付かった。南町奉行同心・稲葉七十郎が探索する。
煮売り酒屋の主・辰七と判明。薬種問屋越中屋の主・伊左衛門が、右腕を斬り落とされて見付かった。七十郎 と清吉は二人の関係を調べる。
勘兵衛の同僚・山内修馬は勘兵衛の妻・美音の従妹・早苗と見合いしたが、七十郎に一目惚れし七十郎と付き合っている。七十郎が早苗の両親と会った翌朝、早苗は姿を消した。古井という料亭で料理を習っていた。
早苗に振られた修馬は、徒目付頭・飯沼麟蔵の義理の姪との見合いを打診される。その春林家から刀を盗まれたという相談があった。夕希にも会った。二人が探索に廻ると夕希が付いてくる。犯人を見つけ刀は取り返した。勘兵衛が、対処しているのを夕希は見ていた。
右腕を斬り落とされた、道場主が見付かった。三人は、十年前まで長屋暮らしだったのに、急に一時に金を出し店などを購入していた。十年前に二千両が盗まれ犯人が捕まっていない事件があった。生き残りの隠居に話を聞く。一月前、息子の根付けを持った男を見つけた。殺し屋に殺しを依頼した。右腕を斬り落とすのは、息子の腕が斬り落とされていた。目印にもなった。隠居は捕まえるのは、四人目を殺してからにして欲しいと言った。
殺し屋は、道場主が言ったこんを探していた。唯一女と会っていたのは古井の女将だった。十年前に得た金で古井を買ったのだ。幾太郎は女将を殺し、腕を斬り落とした。
勘兵衛と幾太郎の戦いになり、幾太郎は捕まり、七十郎に渡された。
早苗は皆を集め、腕を奮った。七十郎は、自分の扶持では腕が素晴らしくても食べさせられないと言う。味噌汁を頂き、こういう物を毎朝飲みたいと言った。
修馬は夕希に、味噌汁は作れるかと問う。夕希は山内さまのために作ることは生涯ないと思うと言う。修馬はショック。夕希は、冗談です。いつか作って差し上げたいという。
0 件のコメント:
コメントを投稿