2025年9月6日土曜日

えにし屋春秋 夫婦じまい

 えにし屋春秋 夫婦じまい あさのあつこ

 えにし屋に、蔵前の大店米問屋「御蔵屋」の主が、娘・藍の縁談を頼みに来た。藍は、吉井屋に嫁いだが、離縁し帰っていた。塞ぐ藍を見て新しい相手をと思う父親だった。

 初が調べると、藍も吉井屋の若旦那・重松も思い合っていた。藍のお付きの女中・いのが殺された。藍は、いのによって吉井屋から離されたようだ。吉井屋には人骨が埋まっている。吉井屋の両親の不気味さを藍に吹き込み藍は実家に帰った。
 吉井屋の前の甘酒屋から見張っている者がいる。いのを調べ、二十年前に品川で襲われたゑ田屋が浮かんできた。重松が弱ってきている。初は重松に毒消しの薬を持って行く。甘酒屋に集まったところで話を聞く。二十年前のゑ田屋の押し込みに殺されえた者の親族だった。犯人が吉井屋の夫婦だという。いのも仲間だった。いのは復讐に藍が巻き込まれないように吉井屋から放した。藍は重松を慕い井戸に飛び込もうとしたことで、皆を止めよう、自分は抜けるといい出したため殺された。
 吉井屋にゑ田屋の話をした初が、襲われた。襲った三人を同心と岡っ引きが捕まえた。初は、復讐しようとしていた人を吉井屋と合わす。いのを殺した隠居はゑ田屋のこといのを手に掛けた経緯を書いて奉行所に届け、自死した。
 吉井屋は終わったが、藍は、小さな酒、油の小売りの店をする男に嫁いだ。

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