2024年6月4日火曜日

神田職人えにし譚 相槌

 神田職人えにし譚 相槌 知野みさき

 雪の果て 仕立屋の参太郎の妹の守り袋を作った。妹・朔が無くした守り袋を一緒に探した。岡っ引きに拾われ朔の手元に戻った。咲は、昔妹・雪のお守りのことを思い出した。咲は熱を出し倒れた。やってきた修次に寝床に運ばれたようだが咲の記憶にはない。修次を父親と勘違いし、夢の中で父親の亡くなってからのことを話す。
 咲の熱のために雪の祝言は日延べになった。雪は大工・小太郎と一緒になる。祝言は、小太郎の兄・源太郎と一緒にする。源太郎は大工。祝言と同時に独立する。

  友誼 咲はしろとましろを友達と紹介する。しろとましろは、人と人の縁を結ぶのが仕事か。知り合った駕籠かき、典馬を紹介して欲しいと歳永が亥太郎を連れてくる。亥太郎は、典馬の父親・典正の友達だった。昔の恩を返すという。典馬は、新しい仕事を始めるので借りることにした。
 咲は昔馴染み、素と駿と合った。素とは、話があった。駿は、気楽な生活をしていて、人の噂話をし廻っていた。

 相槌 咲は典馬を通じて壱と出合う。壱は寺子屋の師匠、吉原の師匠もしている。咲は、修次と一緒に吉原の秋海の小物を作ることになっていた。壱は、読み書きは勿論、算盤、詩歌、将棋、囲碁、算術、本草学を教える。
 咲は修業先の親方の頼みで仕事場に通い、「小鍛冶」の童子の能装束の縫箔をすることになった。意匠も自分で考える。しろとましろは、小鍛冶の話を修次にする。意匠も咲のですることになり最後までやり遂げた。啓吾の嫁・千紗は、咲の駕籠かきやら錺師やらとの付き合いをみだりがましい仲と吹聴する駿に、下品な世間話は、店やおかみさんの評判を貶めやしませんかと言ったと伝えた。
 壱と一緒に吉原へ行った咲は、秋海に会った。秋海のはなしを聞き、秋海の簪を頼んでいる杏輔にはなす。秋海には身請けの話があった。杏輔は身請けすることにした。簪の注文を櫛に変え、秋海堂のまま櫛と櫛入れを作ることになった。二人でどんどん話が進む。杏輔は、秋海を身請けし、祝言を挙げた。

2024年6月2日日曜日

新・秋山久蔵御用控〈十八〉 流人船

 新・秋山久蔵御用控〈十八〉 流人船 藤井邦夫 
 
 真似事 常磐津の師匠が殺された。出入りの小間物屋・巳之吉が疑われる。巳之吉が姿を消し疑いが濃くなるが、巳之吉は浪人に監禁されていた。犯人は小間物屋の主・吉五郎だった。吉五郎は小間物の行商をしていた頃、殺人犯にされかけ死罪になるところ秋山に助けられたことがあった。

 流人船 十年前、博打打ちの貸元や用心棒を斬ったため遠島になった高岡又四郎が、島で死んだことが伝えられた。秋山は、妻・そのの不穏な動きを見張る。水野が欲しがる「五石散」を手に入れたそのは、水野に逢う。十年前、貸元を殺すよう金を出したのは水野だった。そのは水野に突きつける。現れた秋山に捕まる。水野は切腹、そのは高岡が死んだ島に流される。

 由松命 女郎を経て、隠居の妾の後、自由になり料理屋の仲居をしているすみが殺された。すみの左腕に「由松命」と彫られた古い入れ墨があった。由松はすみの由松を探す。子供の頃年季奉公に出され小女として扱き使われていた頃、腹を空かせたすみに、近くの豆腐屋の小僧が、自分で握った塩結びを分けてくれた。小僧さんとは会えなくなったが、由松命と彫り、いつも一緒だと励ましていたと聞いた。由松は豆腐屋を逃げていた。由松命は由松自信だった。
 すみは、盗賊の万蔵から逃げた長吉が、昔の馴染すみの所に逃げ、追ってきた万蔵に殺されていた。秋山は夜桜の万蔵を捕まえた。
 由松はすみの遺体を引き取り、秋山のつてで墓を建てた。

 茶番劇 呉服屋の主人から若旦那を殺されたくなければ百両用意せよと書かれた手紙を見せられた。百両を持ち渡しにいく喜多八を憑ける。喜多八が殺されそうになる。最期に行き着いたのは、若旦那の遊び仲間のところだった。そこに若旦那が来る。
 呉服屋の主人は・重過料の刑。若旦那と仲間は遠島、犯人に仕立てられそうになり、命を取り止めた喜多八は放免された。

2024年5月31日金曜日

警察小説傑作選 相克

警察小説傑作選 相克 西上心太編

区立花園公園 大沢在昌
 鮫島33才、本庁公安外事二課から半年前に転任。公安部長にタテついてネタを握って渡さなかった。懲罰人事。警部のまま新宿にきた。 藤野組と繋がっている大森をつけている鮫島。嫌った大森は、鮫島を狙う。その前に入り込み鮫島を助ける死体といわれている課長。課長と鮫島は、移動がない。

新宿心中 藤原審爾
  無理心中にしてほしいと一千万の小切手を受け取る。返したことですっきりし、生活も穏やかになる。見てきたことを繋ぎ合わせ、競り市の場所が判る

日曜日の釣りは、身元不明 小路幸也
 駐在日記

月の雫 大倉崇裕
 月の雫製造の酒蔵の社長が、蔵を買収される酒蔵の社長を殺した。小柄な警補・福家が社長を追いつめ逮捕に至る。

オブリカード 今野敏
 警視庁捜査一課の刑事だった相楽は、東京湾岸臨海署の強行犯係、「相楽班」。もう一つ、「安積班」があり、安積にだけは負けまいと思っていた。安積班の追っている事件と相楽班の追っている事件が交わり、安積は、自分たちの情報を余すところ無く指し出した。二つの事件が解決した。オブリガードな関係。



2024年5月29日水曜日

明日は結婚式

明日は結婚式 小路幸也 

 パン大好きな信用金庫勤めの伊東春香26才が、実家がパン屋さんのグラフィックデザイナーイラストレーターの細井真平31才と結婚することになった。

2024年5月26日日曜日

荻窪シェアハウス小助川

 荻窪シェアハウス小助川 小路幸也

 沢方佳人、高校三年生、将来何をするか決められなくて酒店でアルバイト中。中学一年生の時、父を亡くし、忙しい母に代わり家事全般を完璧にこなす。母が心配し、巣立つために、近くに出来たシェアハウスに四月から入る契約をする。

 シェアハウス小助川は、元医院。タカ先生57才は、父親と母親を一遍に亡くし、二年前に医院を閉めた。和洋折衷のこの建物が好きな相良奈津子は、会社に持ちかけタカ先生に持ちかけ医院をリノベーションし、シェアハウスにした。タカ先生は元々の渡り廊下で繋がる母屋に住む。

 三月、引っ越しをした。
 三浦亜由22才 大学を卒業し近所の幼稚園の先生になる。
 細川今日子18才 高校を卒業し、荻窪の本屋に就職
 柳田茉莉子40才 近くの歯科医院で歯科衛生士をしている。
 橋本恵美里18才 四月から大学生。
 大場大吉37才 レストランのウエイター
六人の生活が始まった。

 ゴミの中からマッチの軸が箱一個分見付かり、亜由は何しているという話になる。亜由は、家族を顧みない画家の父との関係から自分に自信を持てなくなっていた。先生と話し、ゆっくり生きていけばいいと言われる。
 恵美里の先生に対する態度から、佳人が発した質問から、先生が気が付いた。恵美里は、先生の二十年前に離婚した妻の再婚後に生まれた娘だった。相良奈津子は、元妻の妹だった。相良は二年前に離婚した夫の苗字だった。
 大吉は、六月が苦手だという。商社マンだった十四年前、仕事で失敗し、自殺未遂をしたのが六月だった。弟は、北海道に帰らない兄を心配して東京で一緒に暮した。弟と彼女が薬を使っているところを見た。警察が入り弟を北海道に帰したのが六月だったという。
 みんなでバーベキューをした。
 九月、火事発生。外の物置が火元だった。放火の疑いで捜査する。おまわりさんも、消防士さんも元患者だった。親切だった。
 放火犯が捕まった。アパート擬のシェアハウスなどに住んでる連中が赤の他人同士なのに仲良くしているのを憎たらしく思って燃やしてしまえと思ったらしい。
 佳人と大吉は先生と母屋に住んでいる。
 建て直すために二か月が必要らしい。
 佳人は、一年で実家に帰るつもりだ。一年でお金を貯めるという。大吉は、ウエイターでなく厨房に入る。いつか自分の店を持つと考えた。
 先生が犬小屋を造り、犬を飼い始めた。
 十二月、工事が終わり、みんなが帰って来た。
 先生は、母屋を改装し、シェアハウスの食堂兼、レストランにしようと思っていると発表する。薬膳料理だけでなく、心も身体も健康にいい料理を出す。こつこつ一人で改装するので何年掛かるかわからない。大吉と佳人に任せたいと言う。一年後、三人で始める予定になる。
 佳人はフランスに行くことになった。南フランスのレストランで、食材の野菜を作り牛や鶏を飼っている。日本の家庭料理ができ、農作業を進んでやりたがる下働きを希望していた。給料は出る。農家に住み込み、家賃も食費もいらない。
 フランスに到着。恵美里に彼女を作らないことを約束させられた。二日目に〈お土産リスト全員分〉が届いた。プリントアウトして壁に貼る。リストを見ながら買い物する日を楽しみに頑張ろう。
 



2024年5月23日木曜日

ひとりみの日本史

ひとりみの日本史 大塚ひかり

 ひとりみを肯定的に描く大古典
 太古の日本の家族観 夫婦は家族の最小単位ではなかった。
 竹取物語は結婚拒否の話だった。
 源氏物語 結婚が権力の道具だった時代の結婚拒否の思想
 仏教思想とひとりみ。源氏物語で理想とするのはひとりみ 

2024年5月21日火曜日

最愛

 最愛 小杉健治

 鶴見京介は、同期の的場から強盗殺人容疑の栗林の弁護に付いて相談を受ける。
栗林は、闇バイトで強盗に入ったことは認めたが、殺人は否認。バイト仲間のイチローが殺したと主張するが、その男の存在が証明できない。
 一方、鶴見は撲殺事件の容疑者の弁護を引き受ける。半グレだった被害者を調べると、被害者の店の社長・今川が半年前にひき逃げに会い亡くなっている。まだ犯人は見付かっていない。社長のひき逃げ、今回の撲殺事件調べていると、もう一人の社員も殺される。
 今川の恋人、今川の妻、今川の妻が、今回の容疑者の愛人だった。そして依頼人でもある。
 調べていくと的場の事件と繋がっていく。

 今川の愛人・ちずえは、今川のひき逃げの理由と犯人が分るUSBメモリーを警察に届けるようにと、渡されていた。ちずえは、犯人への復讐に使った。
 今川をひき殺した犯人は、最期に殺された社員、殺す段取りを整えたのは、撲殺された社員・高井。容疑者になったのは今川の妻の愛人。憎しみから容疑が強くなるように、犯人から渡されたハンマーを彼のマンションの近くに捨てた。撲殺したのは、高井が強盗殺人のために雇ったイチローだった。今川がちずえに渡したのは、この事実の証拠だった。今川が、高井の闇バイトを知り警察に連絡しようとしたことで殺されたのだった。ちずえは、イチローを雇い高井と須田を殺させた。
 ちずえは、イチローを殺して自死を考えていたが、鶴見のところで自白し警察へ自首した。

 強盗殺人もひき逃げも撲殺事件もナイフで刺された事件も解決した。

 ちずえは今川を愛した。今川の妻は、今川を愛した彼女を支えようと思った。