荻窪シェアハウス小助川 小路幸也
沢方佳人、高校三年生、将来何をするか決められなくて酒店でアルバイト中。中学一年生の時、父を亡くし、忙しい母に代わり家事全般を完璧にこなす。母が心配し、巣立つために、近くに出来たシェアハウスに四月から入る契約をする。
シェアハウス小助川は、元医院。タカ先生57才は、父親と母親を一遍に亡くし、二年前に医院を閉めた。和洋折衷のこの建物が好きな相良奈津子は、会社に持ちかけタカ先生に持ちかけ医院をリノベーションし、シェアハウスにした。タカ先生は元々の渡り廊下で繋がる母屋に住む。
三月、引っ越しをした。
三浦亜由22才 大学を卒業し近所の幼稚園の先生になる。
細川今日子18才 高校を卒業し、荻窪の本屋に就職
柳田茉莉子40才 近くの歯科医院で歯科衛生士をしている。
橋本恵美里18才 四月から大学生。
大場大吉37才 レストランのウエイター
六人の生活が始まった。
ゴミの中からマッチの軸が箱一個分見付かり、亜由は何しているという話になる。亜由は、家族を顧みない画家の父との関係から自分に自信を持てなくなっていた。先生と話し、ゆっくり生きていけばいいと言われる。
恵美里の先生に対する態度から、佳人が発した質問から、先生が気が付いた。恵美里は、先生の二十年前に離婚した妻の再婚後に生まれた娘だった。相良奈津子は、元妻の妹だった。相良は二年前に離婚した夫の苗字だった。
大吉は、六月が苦手だという。商社マンだった十四年前、仕事で失敗し、自殺未遂をしたのが六月だった。弟は、北海道に帰らない兄を心配して東京で一緒に暮した。弟と彼女が薬を使っているところを見た。警察が入り弟を北海道に帰したのが六月だったという。
みんなでバーベキューをした。
九月、火事発生。外の物置が火元だった。放火の疑いで捜査する。おまわりさんも、消防士さんも元患者だった。親切だった。
放火犯が捕まった。アパート擬のシェアハウスなどに住んでる連中が赤の他人同士なのに仲良くしているのを憎たらしく思って燃やしてしまえと思ったらしい。
佳人と大吉は先生と母屋に住んでいる。
建て直すために二か月が必要らしい。
佳人は、一年で実家に帰るつもりだ。一年でお金を貯めるという。大吉は、ウエイターでなく厨房に入る。いつか自分の店を持つと考えた。
先生が犬小屋を造り、犬を飼い始めた。
十二月、工事が終わり、みんなが帰って来た。
先生は、母屋を改装し、シェアハウスの食堂兼、レストランにしようと思っていると発表する。薬膳料理だけでなく、心も身体も健康にいい料理を出す。こつこつ一人で改装するので何年掛かるかわからない。大吉と佳人に任せたいと言う。一年後、三人で始める予定になる。
佳人はフランスに行くことになった。南フランスのレストランで、食材の野菜を作り牛や鶏を飼っている。日本の家庭料理ができ、農作業を進んでやりたがる下働きを希望していた。給料は出る。農家に住み込み、家賃も食費もいらない。
フランスに到着。恵美里に彼女を作らないことを約束させられた。二日目に〈お土産リスト全員分〉が届いた。プリントアウトして壁に貼る。リストを見ながら買い物する日を楽しみに頑張ろう。
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