2018年12月27日木曜日

負の方程式 

負の方程式 宮部みゆき
 ソロモンの偽証6より
 私立探偵・杉村三郎は、精華学園の校舎を使って行われた「体験キャンプ」の真相を突き止めて欲しいと依頼を受けた。
 キャンプの夜、火野岳志教諭が、災害時に誰かが犠牲にならないと誰もが助からないとなった時に誰が犠牲になるか相談しろという課題を出した。と生徒九人に迫ったというものだった。生徒の一人が逃げ出し家に電話を入れ、公になった。火野教諭は否認し、九人は先生が嘘をついていると言う。
 学校側は火野教諭に謝罪を求め、三ヶ月の停職を受け入れるようにいうが教授は拒否する。
 杉村は生徒の親に頼まれた。学校側の弁護士として現れたのは、藤野涼子だった。
 子供を連れて火野教諭と再婚し、暴力を受けている瑛子と育司を助けるために生徒が起こした捏造事件だった。火野教諭のあからさまな生徒蔑視が要因になっていた。
 藤野弁護士は子供たちに、目的が正しくても手段に不正があれば全てが不正になる。本当に悪い事をこつこつ集めて立証して正面から戦う。嘘に頼っては駄目だと言った。
 
藤野弁護士はソロモンの偽証の検事役、弁護人だった神原和彦と結婚していた。あれから二十年が過ぎた。
 

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