2020年1月16日木曜日

秘め事おたつ二 鬼の鈴

秘め事おたつ二 鬼の鈴 藤原緋沙子
 鬼の鈴 振売の弥之助が、弱った侍・渡部甚三郎を連れてくる。甚三郎は昔逸れた娘・千絵を探していた。ちえらしい娘が見付かった時、世話になるのが心苦しい甚三郎は長屋を出ていた。甚三郎の元藩士から甚三郎に罪をかぶせた家老は捕まり甚三郎が無実なことは明らかになっていることを知らされる。弱った甚三郎が見付かり、ちえが持っていた鬼の鈴が付いたお守りからちえが千絵であることが判るが甚三郎は死ぬ。千絵は養母を連れて甚三郎の元藩の藩邸の長屋で暮らすことになった。
 たつが探している多津が乳母として育てた殿様の側室の息子・吉次朗の居所の手掛かりをつかむが、武士が訪ねて来たために居所を変えていた。吉次朗は七年前、藩邸で命を狙われたので殿様の命で誰にも知られぬところで育てられていた。付けられていた隠密が殺され、行方が判らなくなって五年が経っていた。多津は屋敷を出て吉次朗を探している。
 桑の実 昔生薬屋の息子だった初太郎は、父を亡くし、母親と長屋暮らしをしている。母の貯めた金を持ち出したり身を崩しかけている。幼なじみの春に桑の実の話しをされ心を入れ替える。

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