2020年1月4日土曜日

QED㉓ 優曇華の時 

QED㉓ 優曇華の時 高田崇史
 安曇野・穂高で地元の神楽衆の舞手・北川洋一郎が刺殺される。遺体の耳は削がれ「S」の血文字がのこされていた。数日後、二人目の被害者が出た。彼女・蜂谷明美は「黒鬼」と言い残した。そしてくら畔倉誠一が首を吊って見つかった。
 畔倉が彼女・明美が元彼とまだ付き合っていることに嫉妬し、北川を殺し明美も殺してしまい、自殺したということで納まりそうだった。
鵜飼見物に石和を訪れていた桑原崇と棚旗奈々が、フリーのジャーナリスト・小松崎に呼び出され事件現場に向かったことで真相が解明される。
 安曇野は筑前博多近郊の古代海人・安曇族が移り住んだ地だった。
 北川が公民館の中の三姉妹に書いたSは、逆Sの隼人を現す記号だった。北川を殺したのは三姉妹の末娘・理恵と一緒にいた勇人だった。見られた明美を殺したのも黒男の面を着けた勇人だった。三姉妹の父母の事故の真相を知った理恵は北川と明美を恨んでいた。殺すつもりは無かったが殺してしまったのだった。
 理恵と麻里はボートが転覆し亡くなった。助けに飛び込んだ勇人も亡くなった。長女・順子は頼まれた長老・湛蔵が殺してボートに乗せて流された。湛蔵も喉を突いて亡くなった。勇人は順子と湛蔵の子供だった。神楽の話を北川に変えさせないようにするため、三姉妹の父母の交通事故の真相を教えたのも湛蔵だった。北川の話をそのまま三姉妹が鵜呑みにしないようにしたかった。いろんなことが重なって大きな事件になってしまった。
 

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