2020年1月18日土曜日

京都西陣なごみ植物店⓸

京都西陣なごみ植物店⓸ 仲町六絵
 〜「豊臣秀吉に背いた桜」の謎〜
 ミツマタと賢者の石 実菜と神苗は、ミツマタを探している洛南製薬 開発第三グループ 安西道朗と出会った。花弥は、台湾を拠点にプラントハンターをしている父母を紹介する。取引となったようだ。
 葡萄の涙 夫婦二人暮らしの元高校教師、現在自由な学習塾を開いている塾長から、送られてきた葡萄の絵を見て欲しいという依頼があった。実菜は葡萄は指で一粒一粒抑えたもので指紋が付いているから現在行き来のない息子さんが書いたものだと指摘する。
 花開く絹 中学一年になったミノルが、同級生の矢作久美を連れて来る。久美は、昼白く 夜には黒き うらみの実 クワクワ言うて ここに納めん と書かれた包みにくるまれた種を見つけた。神苗は うらみの実がうらみ葛の葉に通ずると思う。養蚕が活発になり葛布を作らなくなった時に良質の種を残した。
 実菜はダイゴ種苗の企業博物館として「和の植物の博物館」を造りたいと考えた。神苗は実菜に学芸員の資格を取ったほうがいいと言い出せなかった。そばに居られなくなるから言いだせなかったという神苗に、探偵を辞めても辞めなくても一緒に居ると言う実菜。
 花の王様 和久井花弥の幼なじみ、鈴池雪伸・想林流次期家元。実菜に依頼する。祖父が肺炎の雪伸が行けなかった吉野山の替わりに連れていってくれた赤紫と薄紅に染まった山、斜面いっぱいに花が咲いていた。駐車場に花の王様・牡丹が咲いていた。その冬、祖父は亡くなった。あの場所がどこで、何の花が咲いていたのか調べて欲しい。実菜と神苗と花弥は調べ、槙尾の西明寺の写真を撮ってくる。ミツバツツジと山桜の山だった。雪伸は東京へ行くことになった。その前に二人に甘えた。祖父の思いでに浸り、小学三年の孫に想林流の名の由来を話されたこと、花の王様から花の王様に英才教育をされたことを思い出した。
 豊臣秀吉に背いた桜 ダイゴ種苗の和久井社長・花弥と実菜の祖父から神苗に夕食のお誘いがあった。祖父の資金援助でダイゴの名の元で博物館を造るか個人で造るかのテストをすると言われる。
 実菜は仏教大学の通信教育課程に進路を決めている。
 豊臣秀吉が北野大茶湯を催した。旧暦の七月・今では夏の終わり。十月一日から十日間茶会をするからみんな来いとお触れが出る。茶屋が千五百の大掛かりな茶会だった。はた迷惑なお触れだった。しかし、十日の予定が一日で終わった。和久井家には桜が狂い咲きし、京都の人が恐れたため中止になったと言い伝わっている。社長からの謎かけは何故、桜が狂い咲きし、人々が恐れ中止になったのかだった。実菜は和久井家に伝わる壺を預かって帰る。
 実菜は祖父に判ったことを告げ、神苗に怖い会いたいとメールする。実菜は北野の桜が狂い咲きしたのは和久井家のご先祖さんが、秀吉の京への侵襲を止めるため、社会不安をあおるため夏の終わりに桜の葉を切ったことが判ったと神苗に告げた。祖父は博物館を造ることにOKを出した。
 花弥は安西に相談しているようだ。
 

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