2020年1月30日木曜日

マサの事件簿 心とかすような

マサの事件簿 心とかすような 宮部みゆき
 元警察犬、ジャーマンシェパード。名前はマサ、蓮見探偵事務所の用心犬。
蓮見探偵事務所 所長・蓮見浩一郎。長女・加代子。調査員としてマサを連れて働く。
次女・糸子。高校生。
 こころとかすような 諸岡進也と糸子が夜中、車のトランクの中の小学生を見つけた途端、気を失い、ホテルで目覚めた。話を信じない父親と姉を納得させるために調査を始める。進也が付けていたニンニクの匂いからマサが、車を突き止める。車の持ち主を恐喝するために親子で考えられた偽誘拐事件だった。親とうまくいかないという触れ込みで近づいた小学生の提案で誘拐を装う。親が見付け誘拐だと騒ぐ、そして金を要求する。二人は途中を見てしまったのだった。
 てのひらの森の下で 加代ちゃんとマサは、毎朝同じ時刻に水上公園を散歩する。藤実咲子と一緒に散歩している時、死体を見付けた。加代と咲子が警察に連絡に行く。マサが死体じゃないと思うまもなく死体は動き出した。追いかけようとしたマサは鈍器で殴られ気を失う。マサは死人ではないことも二人組だと言うことも知っていた。死んでいたのは借金で逃げ回っていた男・井波洋だと思われた。死体ではなかったと判った時、弟・孝が、兄が死んだことになれば追われないだろうと芝居したと名乗り出た。マサはしっている。本当の洋が、死んだまねをしていたことを。同じ時刻、孝の勤めるディスカウントショップで、公にできない五千万円が盗まれていた。加代たちは咲子がグルであることに気付き、孝に金を返す説得を頼む。
 白い騎士は歌う 宇野友恵さんからの依頼。強盗殺人で警察から追われている弟・宇野敏彦を見付けて欲しい。敏彦がしていた借金があると言われたが何のための借金だったのかを調べて欲しいというものだった。東京日報新聞社 社会部 奥村孝が近づいてくる。敏彦は、町で会った薬中毒で売春をしている少女のために「戸山メンタルクリニック」で薬物中毒患者の治療を受けさせていた。そのための二百万円を借金していた。
 殺された社長の友人であり会社の部下・秋末の息子が覚醒剤中毒だった。再犯だった。また中毒になっていることを知った社長を殺し、社員の敏彦に罪をなすりつけ、敏彦を殺していた。加代は秋末の工事中の地面をマサに嗅いでもらい敏彦の遺体を探り当てる。
 マサ、留守番する 蓮見一家は台湾へ旅行に行った。隣のアパートの住人・早川純子がマサの世話を引き受けた。彼女は三十代の翻訳家だった。蓮見事務所に小うさぎが五匹置かれる。純子さんが引き受けた。マサは持ってきた小学生を探す。小学生・ゆかりちゃんはウサギをまた殺すと話していたのを聞き、うさぎが危ないと思い保護したのだった。
 水上公園で人が殺された。ウサギを殺す話をしていた兄弟の父親だった。弟が自分が殺したと出頭した。弟にはアリバイがあった。父親を殺したのは兄だった。ウサギを殺しに行く父親を止めようとして、父親が持っていたペンチで刺してしまった。二年前のウサギ殺しも父親だった。父親の同級生が校長だった。校長への嫌がらせだった。
 マサの弁明 依頼主・宮部みゆき

 

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