新・口中医桂助事件帖① 志保のバラ 和田はつこ
桂助と鋼次はアメリカで最新の口中医療を学び、機械を手にして明治の日本に帰って来た。
望郷さくら坂 帰国の船上で富士山太郎一座の売れっ子座員・かじ花が殺された。桂助たちの持つ高い機械をほしがったアメリカで口中医療を学んだ男と、かじ花のいじめに耐えられなくなった付き人・リン波との共同での殺人だった。リン波は生まれてすぐ捨られたかじ花の実の娘だった。リン波はかじ花を殺したことで罪の意識に苛まれ遺書に全てを書き残し自死した。
志保のバラ 船内で病気になった鋼次の妻・美鈴は、実家で養生している。鋼次の幼ともだり金五は、将軍取次・岸田正二郎と養子縁組していたが、岸田は屋敷を出、長屋で亡くなっていた。金五は邏卒見習いをしていた。金五が幼馴染・小梅が殺されている現場に桂助を連れてくる。桂助は、小梅が自殺で金五が、小梅を自殺に追い込んだ政府高官・小野法文に濡れ衣を着せようと現場を変えたことを暴いた。金五は上役に正直に話したが、小野のことには触れず、金五にもお咎めはなかった。
彼岸花 桂助は半月前に亡くなった質屋佐野屋の死の真相を突き止めることになった。佐野屋は本物を偽物にすり替え騙した質屋を乗っ取り佐野屋を大きくしていた。主人を殺し店を乗っ取られたのかと思われた。佐野屋大市が開かれる屋敷へ行くと、元岸田の屋敷だった。将軍が来られることもあるため隠し部屋とか隠し通路がある。金五は知っていた。金五の導きで辿って行った先には、佐野屋を殺した刀剣商・高見堂の六右衛門の遺体と書き置きがあった。佐野屋に騙された経緯と刀剣・大獅子丸の岸田との関わりが書かれ、佐野屋を殺したことも書かれていた。大獅子丸は元々の持ち主・岸田の養子・金五に返されたが、金五は岸田が高見堂にあげたものだからと高見堂に渡した。
0 件のコメント:
コメントを投稿