アーセナルにおいでよ あさのあつこ
川相千香は、初恋の相手・芳竹甲斐君から連絡くれませんかとスマホに連絡が来た。甲斐君が学校に来なくなってから五年たっていた。中学一年の冬、引っ越した。
大学は推薦で決まっていた。友人は、山脇菜々美、社交的で、苦労なく誰とでも付き合える。千香となら本の話しとか思いっきりできる。貴重で大切な存在。本オタクということで宜しくと告げる。
甲斐君と会った。甲斐が起業する会社・アーセナルを一緒にしないかと言う事だった。
最優秀論文賞「学校図書館の活用法 新たな空間として考える」 県立f高校 川相千香
文部省のホームページに掲載された論文を読んで、端的に具体的に書かれていることに感動しての誘いだった。
甲斐と一緒にいたのは昔、詐欺罪で捕まった稲作陽太だった。少年だった陽太は少年刑務所だった。かなりな組織で相当な人数が逮捕されたが、トップの何人かは逃げていた。陽太は、あの時捕まってよかった。詐欺師の才能が開花するところだった。と考えている。陽太には、他人を巻き込む力がある。
自分たちが抱えているそれぞれの悩みや、問題を相談出来て、それぞれに合った方法で解決していく、そういう場所が創れないかと考えている。相談案件に対して、現実的、具体的な方法をアドバイスする。現実と戦う具体的な武器を供与する。
陽太は完璧な計画書を作る。
協力者ネットワークを作る。必要な情報に結びつき解決方法が見えてくる可能性が広がる。問題点を出し、結果を出しデータ化する。データを有料で配信する。
古藤里佳子さん。経理担当
千香は働くことにした。
”少子高齢化社会における子どもの未来を探る”シンポジウムに参加しようとした。陽太は昔の詐欺師のトップを見た。調べて連絡し穴をふさぐつもりで。「ヒューマンバンク・カンパニー」に警察が入り捕まったが、スザキは逃げた。電話で南のリゾート地へ行くよ。置き土産残したからと言われた。
アーセナルのスタッフに詐欺師がいると書かれていた。イベントへの参加が白紙になった。
真実は武器になる。アーセナルに出会って生きる道を見付けた元詐欺師。更生の物語を書いた。自分の過去、犯した罪の内容、両親の懸命な弁済とそれへの想い、甲斐との出会い、「アーセナル」を立ち上げた理由、これからの望み、今のアーセナルの状況、千香が簡単な校正をした。
イメージが詐欺師の働く胡散臭い会社から、若者が生きる場として起業した未来志向の起業に変わった。
千香は大学を卒業した。
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