2025年5月12日月曜日

新・御刀番 黒木兵庫 無双流介錯剣

 新・御刀番 黒木兵庫 無双流介錯剣 藤井邦夫

 無双流介錯剣 水戸藩勘定方の若き家臣・水谷左内が、用部屋で上役・和田を斬りつけ江戸藩邸から逐電した。黒木と目付頭・松木帯刀は水谷を追う。黒木は水谷が和田を斬りつけた理由を探る。和田は藩の金を使い、妾宅を構え、藩邸の女中の親の借用書を集め妾にしようとしていた。和田は切腹、捕まった水谷も切腹となるが、黒木は、水谷の介錯を峰打ちで行い逃がす。

 化けの皮 黒木の下男・新八19才は、下屋敷に住む若君・京之介の剣術稽古の相手。二人で花見に出たおり、少年の掏摸たちと出逢う。兵庫と新八が調べたところ、口利き屋が孤児を五人か預かり人徳者で通っていたが、実態は掏摸をさせていた。十才になった娘を売り、次に六才の娘がくる。黒木は、子供たちを逃がそうとするが、佐吉は、自分たちが逃げてもまた次の子どもが来るから、久六を殺そうとする。黒木は止め、刀を向けた刹那、久六は倒れ死んだ。
 京之介の母・眉の方は、斉脩に頼み下屋敷の裏の常泉寺の土地は借り孤児の宿を建てた。孤児たちは畑を作った。

 妖刀狩り 黒木兵庫は、刀剣商から備前長船兼正の刀を預った。刀剣商が殺される事件が続く。兼正の刀を探していた。ある大名が、村正の写しを作り兼正の名を入れ、三振り作った。作らされた刀匠・光景は、三振りを持って売りながら逃げ殺された。回収しようとする大名側と刀匠の弟が回収し、兄の恨みを晴らそうとしていた。徳川に反旗を翻す証しとなる村正の写し、大名の刀番が全ての責めを負い死んだ。黒木は、預った刀に、備前長船光景と名を入れた。
 
 仇討人 兵庫と京之介は、浅草寺で二十才半ばの旅姿の武士が、初老の町医者に仇討を仕掛けているのを見た。黒木は、二人を調べる。岸田数馬の父、監物は、十年前、筧平八郎に斬られた。筧は逃げ、十五才の数馬は仇討の旅に出た。今、数馬は、博打打ちの家に居り、恐喝の片棒を担いでいた。筧は、薬草の知識を活かし町医者になっていた。
 監物は、組下の者を泊まりに出し留守宅を訪れ妻女を手込めにしていた。諌言を聞き入れられず争いになり斬り捨てた。出頭すれば妻女たちの迷惑になるため出奔した。
 数馬は、恐喝した若旦那に雇われた浪人に斬られ深手を負った。黒木は数馬を東伯・筧のところに担ぎ込んだ。
 数馬は助かった。東伯が往診に行っている間に逃げた。
 
 

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