2024年6月2日日曜日

新・秋山久蔵御用控〈十八〉 流人船

 新・秋山久蔵御用控〈十八〉 流人船 藤井邦夫 
 
 真似事 常磐津の師匠が殺された。出入りの小間物屋・巳之吉が疑われる。巳之吉が姿を消し疑いが濃くなるが、巳之吉は浪人に監禁されていた。犯人は小間物屋の主・吉五郎だった。吉五郎は小間物の行商をしていた頃、殺人犯にされかけ死罪になるところ秋山に助けられたことがあった。

 流人船 十年前、博打打ちの貸元や用心棒を斬ったため遠島になった高岡又四郎が、島で死んだことが伝えられた。秋山は、妻・そのの不穏な動きを見張る。水野が欲しがる「五石散」を手に入れたそのは、水野に逢う。十年前、貸元を殺すよう金を出したのは水野だった。そのは水野に突きつける。現れた秋山に捕まる。水野は切腹、そのは高岡が死んだ島に流される。

 由松命 女郎を経て、隠居の妾の後、自由になり料理屋の仲居をしているすみが殺された。すみの左腕に「由松命」と彫られた古い入れ墨があった。由松はすみの由松を探す。子供の頃年季奉公に出され小女として扱き使われていた頃、腹を空かせたすみに、近くの豆腐屋の小僧が、自分で握った塩結びを分けてくれた。小僧さんとは会えなくなったが、由松命と彫り、いつも一緒だと励ましていたと聞いた。由松は豆腐屋を逃げていた。由松命は由松自信だった。
 すみは、盗賊の万蔵から逃げた長吉が、昔の馴染すみの所に逃げ、追ってきた万蔵に殺されていた。秋山は夜桜の万蔵を捕まえた。
 由松はすみの遺体を引き取り、秋山のつてで墓を建てた。

 茶番劇 呉服屋の主人から若旦那を殺されたくなければ百両用意せよと書かれた手紙を見せられた。百両を持ち渡しにいく喜多八を憑ける。喜多八が殺されそうになる。最期に行き着いたのは、若旦那の遊び仲間のところだった。そこに若旦那が来る。
 呉服屋の主人は・重過料の刑。若旦那と仲間は遠島、犯人に仕立てられそうになり、命を取り止めた喜多八は放免された。

2024年5月31日金曜日

警察小説傑作選 相克

警察小説傑作選 相克 西上心太編

区立花園公園 大沢在昌
 鮫島33才、本庁公安外事二課から半年前に転任。公安部長にタテついてネタを握って渡さなかった。懲罰人事。警部のまま新宿にきた。 藤野組と繋がっている大森をつけている鮫島。嫌った大森は、鮫島を狙う。その前に入り込み鮫島を助ける死体といわれている課長。課長と鮫島は、移動がない。

新宿心中 藤原審爾
  無理心中にしてほしいと一千万の小切手を受け取る。返したことですっきりし、生活も穏やかになる。見てきたことを繋ぎ合わせ、競り市の場所が判る

日曜日の釣りは、身元不明 小路幸也
 駐在日記

月の雫 大倉崇裕
 月の雫製造の酒蔵の社長が、蔵を買収される酒蔵の社長を殺した。小柄な警補・福家が社長を追いつめ逮捕に至る。

オブリカード 今野敏
 警視庁捜査一課の刑事だった相楽は、東京湾岸臨海署の強行犯係、「相楽班」。もう一つ、「安積班」があり、安積にだけは負けまいと思っていた。安積班の追っている事件と相楽班の追っている事件が交わり、安積は、自分たちの情報を余すところ無く指し出した。二つの事件が解決した。オブリガードな関係。



2024年5月29日水曜日

明日は結婚式

明日は結婚式 小路幸也 

 パン大好きな信用金庫勤めの伊東春香26才が、実家がパン屋さんのグラフィックデザイナーイラストレーターの細井真平31才と結婚することになった。

2024年5月26日日曜日

荻窪シェアハウス小助川

 荻窪シェアハウス小助川 小路幸也

 沢方佳人、高校三年生、将来何をするか決められなくて酒店でアルバイト中。中学一年生の時、父を亡くし、忙しい母に代わり家事全般を完璧にこなす。母が心配し、巣立つために、近くに出来たシェアハウスに四月から入る契約をする。

 シェアハウス小助川は、元医院。タカ先生57才は、父親と母親を一遍に亡くし、二年前に医院を閉めた。和洋折衷のこの建物が好きな相良奈津子は、会社に持ちかけタカ先生に持ちかけ医院をリノベーションし、シェアハウスにした。タカ先生は元々の渡り廊下で繋がる母屋に住む。

 三月、引っ越しをした。
 三浦亜由22才 大学を卒業し近所の幼稚園の先生になる。
 細川今日子18才 高校を卒業し、荻窪の本屋に就職
 柳田茉莉子40才 近くの歯科医院で歯科衛生士をしている。
 橋本恵美里18才 四月から大学生。
 大場大吉37才 レストランのウエイター
六人の生活が始まった。

 ゴミの中からマッチの軸が箱一個分見付かり、亜由は何しているという話になる。亜由は、家族を顧みない画家の父との関係から自分に自信を持てなくなっていた。先生と話し、ゆっくり生きていけばいいと言われる。
 恵美里の先生に対する態度から、佳人が発した質問から、先生が気が付いた。恵美里は、先生の二十年前に離婚した妻の再婚後に生まれた娘だった。相良奈津子は、元妻の妹だった。相良は二年前に離婚した夫の苗字だった。
 大吉は、六月が苦手だという。商社マンだった十四年前、仕事で失敗し、自殺未遂をしたのが六月だった。弟は、北海道に帰らない兄を心配して東京で一緒に暮した。弟と彼女が薬を使っているところを見た。警察が入り弟を北海道に帰したのが六月だったという。
 みんなでバーベキューをした。
 九月、火事発生。外の物置が火元だった。放火の疑いで捜査する。おまわりさんも、消防士さんも元患者だった。親切だった。
 放火犯が捕まった。アパート擬のシェアハウスなどに住んでる連中が赤の他人同士なのに仲良くしているのを憎たらしく思って燃やしてしまえと思ったらしい。
 佳人と大吉は先生と母屋に住んでいる。
 建て直すために二か月が必要らしい。
 佳人は、一年で実家に帰るつもりだ。一年でお金を貯めるという。大吉は、ウエイターでなく厨房に入る。いつか自分の店を持つと考えた。
 先生が犬小屋を造り、犬を飼い始めた。
 十二月、工事が終わり、みんなが帰って来た。
 先生は、母屋を改装し、シェアハウスの食堂兼、レストランにしようと思っていると発表する。薬膳料理だけでなく、心も身体も健康にいい料理を出す。こつこつ一人で改装するので何年掛かるかわからない。大吉と佳人に任せたいと言う。一年後、三人で始める予定になる。
 佳人はフランスに行くことになった。南フランスのレストランで、食材の野菜を作り牛や鶏を飼っている。日本の家庭料理ができ、農作業を進んでやりたがる下働きを希望していた。給料は出る。農家に住み込み、家賃も食費もいらない。
 フランスに到着。恵美里に彼女を作らないことを約束させられた。二日目に〈お土産リスト全員分〉が届いた。プリントアウトして壁に貼る。リストを見ながら買い物する日を楽しみに頑張ろう。
 



2024年5月23日木曜日

ひとりみの日本史

ひとりみの日本史 大塚ひかり

 ひとりみを肯定的に描く大古典
 太古の日本の家族観 夫婦は家族の最小単位ではなかった。
 竹取物語は結婚拒否の話だった。
 源氏物語 結婚が権力の道具だった時代の結婚拒否の思想
 仏教思想とひとりみ。源氏物語で理想とするのはひとりみ 

2024年5月21日火曜日

最愛

 最愛 小杉健治

 鶴見京介は、同期の的場から強盗殺人容疑の栗林の弁護に付いて相談を受ける。
栗林は、闇バイトで強盗に入ったことは認めたが、殺人は否認。バイト仲間のイチローが殺したと主張するが、その男の存在が証明できない。
 一方、鶴見は撲殺事件の容疑者の弁護を引き受ける。半グレだった被害者を調べると、被害者の店の社長・今川が半年前にひき逃げに会い亡くなっている。まだ犯人は見付かっていない。社長のひき逃げ、今回の撲殺事件調べていると、もう一人の社員も殺される。
 今川の恋人、今川の妻、今川の妻が、今回の容疑者の愛人だった。そして依頼人でもある。
 調べていくと的場の事件と繋がっていく。

 今川の愛人・ちずえは、今川のひき逃げの理由と犯人が分るUSBメモリーを警察に届けるようにと、渡されていた。ちずえは、犯人への復讐に使った。
 今川をひき殺した犯人は、最期に殺された社員、殺す段取りを整えたのは、撲殺された社員・高井。容疑者になったのは今川の妻の愛人。憎しみから容疑が強くなるように、犯人から渡されたハンマーを彼のマンションの近くに捨てた。撲殺したのは、高井が強盗殺人のために雇ったイチローだった。今川がちずえに渡したのは、この事実の証拠だった。今川が、高井の闇バイトを知り警察に連絡しようとしたことで殺されたのだった。ちずえは、イチローを雇い高井と須田を殺させた。
 ちずえは、イチローを殺して自死を考えていたが、鶴見のところで自白し警察へ自首した。

 強盗殺人もひき逃げも撲殺事件もナイフで刺された事件も解決した。

 ちずえは今川を愛した。今川の妻は、今川を愛した彼女を支えようと思った。
 

2024年5月19日日曜日

芋洗河岸3 未だ謎 完

 芋洗河岸3 未だ謎  佐伯泰英

 小此木善次郎が一口長屋に住み始めて二年が過ぎた。

 神田明神で一年前から続く賽銭泥棒の捕縛に乗り出し捕まえた。シング神具誂えの高砂屋一門だった。賽銭箱を二つ用意し、小銭の入った賽銭箱と釣り上げて交換していた。
 賽銭泥棒を捕まえた礼金は、高砂屋一門の代わりに神具誂えをする、高砂屋分家の指導料に使われることになった。
 越後屋の要請で、松平邸に行く。次弟の継右衛門との立ち合いで小此木が勝てば借財の一部四千両を返済、継右衛門が勝てば、八千三百両の借用書を廃棄するという。継右衛門は亡くなった。越後屋は四千両を持ち帰り、松平家の借金を帳消しにした。
 善次郎は継右衛門を斬ってしまったことに後悔した。

 長屋の一室に半二階を作った八五郎たちは、越後屋に報告する。越後屋はこんな危ない物は駄目ということで大工を入れ正式な半二階を造作した。善次郎の長屋は、増築された。一階は台所土間と二部屋になり、二階ができた。二階は周回廊下で囲まれた床の間付きの六畳間だった。

 二階で、中秋の名月と不忍池に反射した光で愛刀・國重の抜き身が、神秘の光に彩られていた。今後自分の成すべきことを考える。

 生後一月の犬を長屋で飼うことになった。息子・芳之助に、もみじを家で飼いたいならば道場の稽古に行くと条件を付けた。

 善次郎は愛刀を封印した。越後屋の共で真田家に行く。善次郎は竹棒で対する。越前屋嘉兵衛は家老は向後百年を熟慮し、あえて惨敗という結果で、奮起させようとしたのではないかと思った。