2019年4月13日土曜日

介錯人

介錯人 辻堂魁
 静枝47才 御徒町の徒衆、三番勤め職禄七十俵竹内家から24才で首討役・刀剣鑑定をする別所家へ嫁いだ。26才で龍玄を産む。小禄の武家相手に金貸しをしている。龍玄5才之時、地面の沽券を手に入れ妻恋から無縁坂に移る。
 玉16才 住み込み
 竹内好太郎51才 静枝の兄、姉、水江
 杏子1才 龍玄の娘
 百合 龍玄より五才年上の妻。旗本・丸山家の娘。龍玄の一年だけの幼馴染み。前夫には嫁ぐ前から女がいた。嫁いでからも付き合いが続き離縁した。龍玄から申し込まれ身分違いで反対されたが百合は嫁いだ。
 別所勝吉 27才で静枝を妻にする。龍玄の父親。介錯人を名乗る。龍玄19才の年、47才没。
 弥五郎 龍玄の祖父。元摂津高槻藩永井家家臣・別所一門。18才で江戸に出、首打役をする。龍玄5才の年、55才没
 龍玄22才 18才で首打役を始め、19才で介錯をする。
 切腹 私塾を開く、岩本錬三郎43の介錯を頼まれる。元出羽新野領六万八千石の坂本家勘定衆。十年前、小作農民のことを考えた入会地の新田開発について上申書を提出した事によって、商人の娘の奥方の不快の念から領国から追い出された。村名主の援助で江戸で私塾を開く。坂上家の錬三郎の信奉者と政を操る豪商と商人仲間と対立が深まり錬三郎に切腹を申し付けられた。龍玄の介錯により、完全な切腹を執り行い、弔われた。二十日後、錬三郎の家で下働きをし、錬三郎に小作の内情を話した娘・里津が、錬三郎を支援した村名主の嫁として、村名主の娘として育った芙を連れて墓にお参りに来た。
 密夫の首 寛政元年 九月 杏子が歩き始める
龍玄夫婦と杏子・静枝と玉と根津権現へ行き、玉は幼馴染みの姉さん・加江と会う。加江は味噌醤油油問屋の主人の妾のような立場らしい。龍玄は、尾張家松姫の輿入れ道具の小さ刀のお試し御用の依頼がきた。お試し御用に使われたのは姦通の罪で捕らえられた歳が若い親孝行で働き者の畳職人・明次だった。明次は加江に誘い込まれ事に及んだが、主人に見つかり大騒ぎになり、主人が包丁を持ち出し主人が怪我をした。加江は無理強いされたと言い、主人は私を殺そうとしたと言う。同心・本条は納めるために捕まえた。詮議をすれば情状されると思っていた。龍玄は明次の首を討ち、試し斬りした。本条から話を聞いていた龍玄は畳屋に弔う気持ちを届けた。数日後、静枝と玉は加江に会った。主人が変わっていた。
 捨子貰い 倉太郎は妹・陸19才と陸の息子・三月の駒吉を使って捨子貰いをした。自分の縄張りでされたと十五郎は縄張り荒しとお上の大罪を犯したと責めた。縄張り欲しさに庄治を殺した十五郎は倉太郎に自分の代わりに自首することを頼む。倉太郎は罪を被る代わりに陸と駒吉に十両を付け解き放して貰いたいと約束をした。打ち首になる前にこの約束事を倉太郎は張り番に伝えていた。五ヶ月も過ぎてから張り番は倉太郎の妹と子供が十五郎の女の下で遊女として働かされ、虐げられた生活をしている事を知る。張り番は、倉太郎が、龍玄に十五郎に約束を守らせて欲しいと言っていたことを知らせる。四才の龍玄と倉太郎は、倉太郎の頼みごとをきくと約束していた。龍玄は二人を助け出し、十五郎等を斬る。犯人は八州のどこかに逃げているだろうということになった。
 蔵の中 龍玄は大沢道場の先輩門弟・朝比山万之助自身の要望で介錯をすることになった。朝比山家は家禄千三百石の旗本で将軍の御小姓を努める家だった。百助の通夜、相続人・万之助は家老、親戚の男、若党、妻、母に斬り付け殺傷させた。万之助は幼いころより物置のような蔵の天井で人々の内緒話、内諸事を見聞きしてきた。自分の母親のことも。祖父の後妻が遊女だったり、本当の母親は遊女の娘だったこととか。万之助は龍玄に試合を挑むが、龍玄は切腹の介錯をした。不義密通による女敵うちとされ朝比山家は続く

0 件のコメント:

コメントを投稿