桜風堂ものがたり 村山早紀
月原一整は、風早駅前の老舗星野百貨店の6階にある銀河堂書店に勤めている。アルバイトから十年勤め、文庫の棚を任されている。店長曰く「宝探しの月原」。そんな一整が、6月刊行予定の「四月の魚」を推していた。
一整は、シリーズ物を何冊か万引きする少年を見付け追いかけた。追いかけられた少年は百貨店から道に飛び出し車にぶつかった。Twitterで拡散され、新聞テレビで放送された。いじめっ子に脅され万引きを繰り返していたことも分った。責めは追いかけた一整にきた。書店に百貨店に電話ではがきで非難が届く。百貨店の電話が鳴り続けることになり一整は店を辞めた。
一整はブログで知り合った隠れ里のような町・桜野村にある書店・桜風堂に行った。隣の部屋の住人・船乗りが預けて行った鸚鵡を連れて。桜風堂の主人は小学生の孫・透を一人置いて入院していた。一整は主人から店と少年を預かった。一整とオウム、透と猫のアリスの生活が始まった。
銀河堂書店の従業員は、一整は何も悪くないにも関わらず、犠牲になったと思った。せめて一整が推していた「四月の魚」を推そうと考え、ポップを作り絵を書く。百貨店も宣伝する。一整の周りにいた人が応援した。
作家・団重彦は桜風堂を訪れた。
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