大江戸科学捜査八丁堀のおゆう④ 山本巧次
ドローン江戸を翔ぶ
連続する蔵破りに鵜飼伝三郎等は翻弄されていた。次の狙いを見極め張り込んでいたにも関わらず仏像を取られ逃げられる。一件目の事件、二件目の事件三件目かもしれない店。三軒の主の共通点、十五年前、小田原で一軒の太物商に詐欺を仕掛け、店を潰していた。店の娘が、泥棒に入られた店の女中として働いていた。
関口優佳・ゆうは江戸時代と現在を行ったり来たりしている。江戸で起った事件の証拠物件を、宇田川聡史が河野和志先輩と共同出資している株式会社マルチラボラトリーで調べてもらっていた。料金を払ったことがない。料金は宇田川の個人使用とすることになったが、税務調査が入るのでその間は優佳の出入が禁止された。宇田川の家でも簡単な事なら出きるらしい。土蔵への進入経路が判らない事件であり、三間も飛び越えて逃げる犯人なので持ち運び出来ない。東京の優佳の部屋はラボの出張所のようになり、宇田川は蘭学者ということにして江戸に来てしまう。土蔵の絡繰り窓を見付け、逃げる犯人の道筋を予想し、暗視スコープを使い、捕まった女髪結い・多津のいるかもしれない屋敷をドローンを飛ばし上空から調べる。多津を助けるためサバイバルゲームの手榴弾を使った。
三人は詐欺で捕まった。多津が泥棒だったが捕まらなかった。多津は盗んだ物を返すつもりだ。多津は、寺社奉行・水野左近将監忠邦に雇われたフリーランスの忍だった。依頼は林肥後守のマイナスポイントを掴む事。林肥後守の周りを調べて、智泉院の繋がりを知った。智泉院は大奥の女達の遊ぶ寺を造ろうとしていた。左近将監はお金が必要な肥後守は美濃屋たちを強請るだろうと思い、十五年前の悪業を教える。肥後守は美濃屋たちに強請り同然に賂を求める。美濃屋たちの悪業を町奉行所に分るように美濃屋たちの店の土蔵から宝物を盗む。町奉行所は美濃屋たちを調べ、昔の悪業を調べ捕まえる。左近将監は肥後守の悪事の尻尾を掴んだことになる。美濃屋が肥後守宛てに書いた三千両を払うという証文が手に入った。
優佳は宇田川に食事を作った。
伝三郎は宇田川も未来の人間なのだろうと思った。未来人であるゆうとどう付き合って行くべきか結論を先延ばしにしている。
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