亥子ころころ 西條奈加
治兵衛は、番町の旗本屋敷を探す、行き倒れのような男・雲平を助けた。京の菓子職人だった。旗本屋敷が見つかるまで治兵衛の「南星屋」を手伝う。雲平はいい腕をしていた。治兵衛は雲平から新しい技を盗み刺激を受ける。
雲平の探していた旗本の茶道楽の隠居が突然亡くなり、菓子職人として雇われていた雲平の弟弟子・亥之吉がいなくなっていた。雲平は亥之吉を探していた。旗本の孫・若殿・亀之進は隠居の大切にしている茶器を持ち出そうとして見つかり、隠居の目の前で茶器を落とし割ってしまった。隠居は倒れそのまま亡くなった。亥之吉は割ったのは自分だと言い、姿を消した。亀之進は隠居の死亡の原因と亥之吉がいなくなったのも自分の所為だと思って悩んでいた。
治兵衛は弟・五郎に頼み割れた茶器を調べてもらう。治兵衛は雲平を連れ、旗本の当主に会う。割った茶器は贋物だった。当主が隠居に内緒で質に入れ贋物を置いていた。治兵衛は亀之進のこと亥之吉のことを話す。亀之進が悩んでいることを知らなかった。
当主は質から買い戻し、隠居の弟子に教えられ、隠居の茶道具は貸し出すことにした。
亥之吉は隠居の一周忌に帰ってきた。雲平も南星屋を出て行ってしまうかと思われたが、亥之吉は小田原の菓子屋へ帰り、雲平はもう少し南星屋にいることになった。
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