2020年2月5日水曜日

秋山久蔵御用控⑹ 忍び恋

秋山久蔵御用控⑹ 忍び恋 藤井邦夫
 忍び恋 勇次が知り合った母子は、賭場荒らしに遭い貸元が殺された事件の最中に浪人を殺し、江戸所払いになっている代貸しの妻子だった。代貸し・弥七が賭場荒らしの首領の浪人を追って江戸に帰ってきていた。秋山久蔵たちは浪人を捕まえ、弥七に妻子を連れて江戸を出るように促す。
 人別帳 元盗賊の隠居・幸兵衛が死んだ。久蔵は大助を葬儀に派遣し、岡っ引きの隠居・弥平次は葬儀に行く。幸兵衛は医者に殺されていた。医者を脅迫した盗人がいた。幸兵衛には盗賊人別帳を持っていると言う噂があった。久蔵は盗人と医者を捕まえた。人別帳を思われた綴冊子を手に入れた。黒沢への気遣いと近況、江戸に住む盗賊のうわさ話が書かれていた。
 色事師 大助は同心神崎和馬の妻・百合江が男と会っているのを見た。その男・蓑吉が殺された。蓑吉は色事師だった。百合江の知り人が蓑吉の餌食になりそうなところ、百合江に相談し、百合江は蓑吉に同心の妻だと言い、近づかないように言った。手を引くつもりの蓑吉を浪人の仲間が殺していた。浪人は御家人の娘の養子になるつもりだった。娘に近づく色事師仲間を捕まえた。
 地廻り 十五年前久蔵が暴いた旗本大野家の事件の時、久蔵に殺された大野家の家来の息子・香川又四郎が地回りの用心棒になっていた。又四郎は地廻りを乗っ取っていた。大野は切腹していた。忠義者の香川一家は父親亡き後、大野家を追い出されていた。母と妹を亡くした又四郎は大野家を仇と思っていた。大野家の家臣を殺していた。大野家は又四郎を先代の菩提寺で殺すつもりで罠を仕掛ける。しかし又四郎は現殿様・大野徳之助を斬り捨てた。又四郎は地廻りの親分に殺される。大野家は断絶になった。

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