黙(しじま)別所龍玄シリーズ 辻堂魁
妻恋坂 龍玄七才の時、父・勝吉と「おなつの店」へ行った。龍玄は四才の十之助と遊んだ十六年後、出家した慈栄の首を刎ねた。慈栄は十之助だった。龍玄はなつに会いに行った。
破門 龍玄は大沢道場にもうすぐ十才で入門。十二才、昌平黌に通う。十三才、元服。
十四才の時、十九才の旗本の息子たちに嘲りからかいの稽古試合を強要され、相手に頭を割る怪我をさせる。旗本は龍玄が卑怯で愚劣な振る舞いで息子に怪我を負わしたと言う。証明のため、新番衆の使い手と試合することを求める。龍玄を痛めつけたかった。龍玄は平然としたかまえで打ち負かした。
十六才、めったに道場へ行かなくなった。
十八才、罪人の首打ち役の手代わり、勝吉の手代わり、試し斬り刀剣鑑定をした。
十九才、切腹場の介添え役、介錯人をする。父親没
二十才、百合を妻に娶る
惣領除 龍玄は平井喜八に介錯を頼まれる。
平井喜八は嫡男・伝七郎が、同朋頭奥山春阿弥の娘・満代を手籠めにし身籠らせたことで切腹させられた。伝七郎の否認は無視された。その後、満代の相手が市村座の役者だと喜八の耳に入った。真意を確かめ伝七郎の満中陰の法要を終え、春阿弥を討った。屋敷に帰り、龍玄の介錯により切腹。妻・文乃は喜八の書状と喜八病死の届けを出す。
喜八病死。二男・和之介が平井家を継ぎ出仕が決まる。
春阿弥の嫡男が同朋見習い、娘は落髪し出家が決まった。
十両首 烏金の金貸しお庫が、龍玄を訪ねてくる。身体が大きいだけが取り柄の十二才年下の夫が牢にいる。たぶん打ち首になるだろうから龍玄に頼む。怖がりだから暴れると思うが、私がさよならと言っていたと伝えて後のことは任せてと言って大人しくさせて楽に逝かせてやってほしいと願った。
夫・郡ちゃんは元侍・竹下郡次郎。郡ちゃんは龍玄から庫の言葉を聞き、お庫さあーんとよんで首を刎ねられ死んだ。庫は大枚を叩いて郡ちゃんの首を貰い、弔った。どちらが先に死んでもさよならを言って弔う約束だったと言う。
0 件のコメント:
コメントを投稿