2021年6月22日火曜日

新吉原裏同心抄〈四〉 祇園会

新吉原裏同心抄〈四〉 祇園会  佐伯泰英

 吉原の評判の遣り手が不可解な辞職をしていた。異変を感じた四郎兵衛ら会所の面々は背後を探った。浮かんだのは家斉の側御用取次の朝比奈義稙だった。四郎兵衛は拐かされ遺体となって吉原に返された。

 祇園会の神興洗の朝、三人目の犠牲者が出た。犯人は、禁裏に関わる殺し屋、禁裏一剣流不善院三十三坊の弟・七十七坊と思われた。神守幹次郎は七十七坊を呼び出す。禁裏御料方副頭綾小路秀麿、薩摩京屋敷用人頭南郷皇左衛門を立会人に果たし合いをする。七十七坊は死んだ。四郎兵衛が暗殺されたことを知った幹次郎は江戸へ向かった。

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