鉄砲同心つつじ暦 本日も晴天なり 梶よう子
礫丈一郎 三十二才だが、父親・徳右衛門が五十六才で鉄砲百人組同心の役に就いているため内職のつつじに精をだしている。
化けむじな 徳右衛門は俳諧を通じて元勘定奉行・一色丹後守田安家家老と面識があった。一色はつつじが好きだった。徳右衛門の昔馴染み・貫田善七が俳句がしたいとやってきた。一色の屋敷で、勘定頭と勘定役の公金横領を養子に行った息子の仕業と言われ離縁され牢にいることを訴える。徳右衛門は善七を化けむじなと怒った。一色は勘定方の大掃除を命じ不正を明らかにした。
市松哀歌 御先手組同心・多部源五郎が、丈一郎の息子・市松が、息子・新之じょうをいじめたと怒鳴ってきた。塾天心堂の塾生に、新之烝に悪ふざけを仕掛けろ、仕掛けなければ酷い目に合わすと言われた市松は、自分がしなければ新之烝が市松の立場になる。新之じょうは優しいから悪ふざけなぞできない。そうなれば、あの者たちに酷い目に遭わされる。それを避けたかった。と言った。市松の気持ちを知った新之じょうは分かり合えた。市松は塾生の名を言わなかった。
火薬の加役 丈一郎は役に就いていないのに隣の信介と一緒に火薬を運ぶ加役を申し付けられた。盗もうとする者がいると言う情報で偽の荷物を作られていた。偽荷物を盗まれた。盗んだ者の中に代官手代・杉浦の幼馴染の息子・時太郎がいた。本物の荷物を運んだ。
縁の花 一色が礫家のつつじを見に来た。三人が匕首を一色に突きつけ煙硝蔵へ行けと行った。丈一郎は鉄砲で刃を向けている男の手首を飛ばし一色を助けた。一色は丈一郎が交配した新種のつつじに「縁ゆかり」と名付けた。三人のうちの一人が時太郎だった。
秘してこそ 徳右衛門と妻・広江の兄・常滑錦之助の仲が良くなかった。錦之助の息子・鉄太郎の息子・鉄郎の元服に行った。仲が悪くなった原因は丈一郎がレンゲツツジの蜜を吸い死にそうになったからだった。仲がこじれた原因は二番目の兄の嫁だった。徳右衛門と広江の間には祝言の日に交わした約定があった。
花弁の露 徳右衛門がこっそり長崎屋に行っている。火薬を盗もうとした頭が水戸の小関だとわかった。水戸へ送られた。徳右衛門は隠居を決めたようだ。広江と長崎に旅に行く相談をしていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿