北の御番所反骨日録〈二〉 雷鳴 芝村凉也
深川伊勢佐木町騒動一件 深川の往来で菓子屋の主が殺された。殺した侍は旗本の用人で無礼討ちと言う。何も調べないで無礼うちで事が決まる。来合郷轟次郎と裄沢広二郎は妻と娘が敵討ちをしようとしていることが分かった。旗本が寺を使って金貸しをしたり、詐欺を働いたりしていた。菓子屋の主人も仲間に誘われたが断ったために殺されたことがわかった。
二人はこっそり敵討ちを手伝う。二人は用人を殺した。書類をつくったり、刀を貸したり、無礼討ちでさっさと通した吟味方与力・瀬尾にも何も出来ないように。用人は旗本から見放され浪人となり二人の裁きはかまいなしとなった。
長閑なり 瀬尾よりお裁きの素案を作る概要を書いた書面を取り換えられるという嫌がらせを受けた。裄沢は用心し、複写し全く別人に同じものだという書名をしてもらっていたため事無きを得た。広二郎はその概要を読み犯人の取り違えを指摘する。本当の犯人は言われた通りにしただけと言っている源治で、主犯だと言われている角三は、源治により床下に盗品を隠されただけの被害者だと言う。源治の床下を見れば角三のところに物を運んだ後があるだろう。
定町同心が調べればすぐ見つけられるが門外漢の瀬尾が調べ、無理な吟味で白状させたために起こったことだと内与力・深沢に言われる。
手伝い廻り 角三は解き放たれた。瀬尾は謹慎のまま。来合が十年前結婚するはずだった娘・美也が大奥から戻った。
裄沢広二郎は隠密廻りの応援に回ることになった。
美也のいる備前屋へ会いに行く。来合と元に戻るように裄沢は願うが二人はなかなか動かない。
雷鳴 裄沢広二郎は美也の大奥を出た理由などを考え、美也の外出時の陰供をする。来合にも声をかけた。美也が襲われた。疑念であったものが当たり、思っていたより思い切ったことをしてきたことに驚いた。二人で六人を相手に戦う。馬に乗った吟味与力・甲斐原が駆けつけ頭巾の侍は逃げた。侍たちは大名屋敷に逃げ込んだところを目付に捕らえられた。
怪我で休んでいる来合の替わりに定町廻りにつくことになった。美也と実家の橋渡しをお願いする。
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