2023年2月5日日曜日

鬼役伝〈四〉 従者

鬼役伝〈四〉 従者 坂岡真

古着屋騒動  矢背家に婿入りし御膳奉行になった求馬は、初めて隠し部屋に赴き、橘主水から密命を与えられる。
 秋元家の用人・室井作兵衛に、矢背家の用人になるよう命じられたと、佐山大五郎が現れる。槍投げで半町先の的に当て、志乃に認められた。
 
 密命は古着屋惣代・睦屋与平の始末だった。理由なき人は殺めずの信念の求馬は、佐山に調べさす。佐山は室井に会うまでは、古着屋の用心棒をしていた。睦屋の悪仲間は北町奉行所の年番方与力・羽鳥敬吾と勘定組頭・喜多見織部と判った。
 古着屋から上がる運上金の額が多く、刷新に踏み込めない現状があった。
 陸屋は刺客に殺され、二人は求馬たちが殺した。後ろにまだ誰かいると思った。

 差腹  小姓いじめを知り、小姓が腹を切った。調べていくと借金をさせ壺や経典を買わしていた。小姓たち、道林そして護持院の隆光に繋がった。道林もいじめの大将の小姓も柳沢の家臣の息子だった。切腹に持ち込まれた。

 手向けの槍 大名の前を通り抜けた小姓がどんな処分になるか注目した。佐山がいなくなった。佐山は五年前、前を通られ、藩を潰された伊達本家の弟が藩主の中津山藩の家臣だった。
今回も同じ、仙台藩の支藩・一関藩だった。藩主・田村右京太夫は奏者番を拝命し、費用がかさみ伊達本家が立て替えていた。一関藩はお荷物だった。
 同じように計画したのは、伊達家家臣・天野弾正だった。天野は隆光と繋がっていた。
 佐山は隆光の命を狙っていた。窮地に陥った時、目付けに助けられた。
 求馬は、皆藤左近の指図で炭置部屋で小豆を箸で摘んで大笊に移す。
 佐山は槍を投げ、天野を殺した。
 

 

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