れんげ荘 群ようこ
月十万円で、心穏やかに楽しく暮そう。
母の考え方と相いれないキョウコは、家を出ることを考えた。
仕事は忙しく、お愛想と接待の夜更かしから開放されるため、営業職から事務職に代わり、無駄使いのない生活を続け、有名広告代理店を四十五才で早期退職した。
都内の古い安アパート「れんげ荘」に引っ越した。
六十過ぎのおしゃれなクマガイさん、職業、旅人という外国人好きのコナツさん、日本料理店見習い修業中のサイトウくんがいた。
不便さと闘いながら、鳥の声や草の匂いを知り、丁寧に入れたお茶を飲む贅沢さを知る。
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