2025年8月14日木曜日

狸穴屋お始末日記 初瀬屋の客

 狸穴屋お始末日記 初瀬屋の客 西條奈加

 祭りぎらい 祭ぎらいの笛師の父、娘の養子に入った笛師。祭で笛を吹く養子に、父親は三下り半を書く。絵乃は相談に乗ったが、力を貸したのは父親の友達。父親には子どもの時、母親が祭りのあといなくなったという思い出があった。友人にもう子どもじゃない、親になったと言われる。

 三見の三義人 播州加古郡三見村から三人が狸穴に泊まっていた。五か月経っても呼び出しがない。帰ると言いながら老中首座松平右近将監に駕籠訴した。しかし、翌日には解き放ちになり帰村した。老中のお声がかりの再審でも願いは叶わなかった。

 身代わり 勘定役の集堂は一年前、同じ勘定役の浅生家に養子に入った。そして希青と結婚しようとしていた。集堂が離縁されるという。集堂は親を訴えようとする。桐は受けたが、訴えないほうがいいことは判っていた。浅生家を調べる。浅生家の亡くなった長男とそっくりな少年が浅生家の親戚にいる。その子を養子にしたいと思っていた。桐は、集堂の養子にすることを浅生家に伝える。この悶着は収まった。絵乃は、もめ事を先延ばしにしただけだと思う。

 夏椿 横暴の夫が寝込んだ。夫の世話をしていた妻には、縮緬細工の仕事がしたいという願いがあった。狸穴で離縁が決まった。三下り半を書いて貰った後で、妻には思い人がいることが判った。相手の妻が亡くなり一周忌が過ぎてから離婚を斬り出していた。

 初瀬屋の客 桐の友人・旅館を営む笠が相談に来る。泊まり客の三人が公事で江戸に来ている。三人を初瀬屋に世話したのは、笠の元夫かもしれないと言う。何か魂胆があるのかと不安だった。

証しの騙し絵 一月後、三人の初瀬屋の客は、狸穴屋に来た。前の公事で、江戸店・和縣屋が独立し、貸していた金は、殆ど棒引き、そして取引を辞めると言ってきた。納得出来ない三人が、和縣屋支配・鞘兵衛を訴えるという。内済であったため何の証しもなかった。二人の手代が、隣の部屋での話し合いを漏らさず書きつけていた。書くように言ったのも狸穴を紹介したのも、笠の元夫・弓蔵だった。
 公事が始まった。漏らさず書かれた物を出し、その物の証人に、弓蔵が立った。久松屋と立会人・蘆戸屋も、弓蔵は不心得を咎められ仲間株を取り上げられた。そんな者の証人にはならないと言う。弓蔵は、十年経って、知らされた。十年前、三度公事で対決して弓蔵に負けた蘆戸屋は、御上に言い立て弓蔵を陥れた。昔の証しが無いため、十年みてきた汚い手を事細かに書き奉行に訴えた。そして留めが、手代が書いた口書きだった。奉行所も念を入れ糾を行なうと請け負った。
 桐は笠から預った椎茸の佃煮を弓蔵に渡した。


2025年8月11日月曜日

弥勒シリーズ 春立つ風

 弥勒シリーズ 春立つ風 あさのあつこ

 木暮信次郎は、大店・八代屋の大番頭・弓之助の野心を見抜き、遠野屋へ近づくことを唆す。弓之助は、遠野屋に、花見のお客への引き出物を頼む。遠野屋・清之介は、新しく開発する白粉の売り出しに利用させて貰う。

 油屋・出羽屋の跡取り息子が、離れで胸を刺し死んでいた。戸締まりされ伊佐治は、自死と判断するが、木暮信次郎は、疑いを持つ。
 遊び人だった若旦那が、心を入れ替えた。弟は、後添えが産んだ十才。身体が弱く今も熱を出して寝込んでいた。日が経ち、信次郎は、もしかすると死ぬかもしれないという弟・良太と話す。良太が話しの筋を書き、母親と女中が手を掛けた。殺したのは女中、後ろから支えたのは母、後の戸締まりをして小さな窓から出たのは良太と信次郎は考えた。良太は、店が欲しいということではなく、この馬鹿な兄が、元気で店を継ぎ、頭のいい自分が身体が弱く何も出来ないことを妬んだ。

 清之介の兄が亡くなった。 

2025年8月8日金曜日

京都下鴨神様のいそうろう 〈2〉

京都下鴨神様のいそうろう 〈2〉 猫神様とアマテラスの宝玉 望月麻衣

 萌子は、自分を「視える人」以外は平凡な女子高生と認知し、不思議な強い力を秘めた大学生理龍を神と崇めて推す、充実の日を送っている。
 萌子が今回逢ったのは、福々しいハチワレ猫に入った「神様のいそうろう」。かって自分を詣ってくれた少年の強い悲しみを感じてその子を探して欲しいと言う。

 ハチワレに入っていたのはお地蔵様、かっての少年とは藤原千歳だった。悲しみは幼馴染の寿々ちゃんへの失恋の悲しみだった。千歳が寿々に貰った曲玉を落とし、今は明日香が持っている曲玉を通し、明日香と萌子達が仲よくなる。失恋の悲しみを葬った千歳は、元気になり、お地蔵様と出逢う。寿々と透の結婚式に小春や澪人も帰って来る。理龍の二才の妹・茉莉まつりも来る。理龍は澪人をパパと呼ぶ。
 (千歳は小春に恋心を抱いていたが、学校に通うようになって寿々ちゃんたちと仲良くなっていたんだね。)
 (理龍は、澪人にそっくりと言うが、本当は澪人が理龍りりゅうにそっくりで、理龍りりょうは、昔のままで生まれたんだね。)
 
 アマテラスの宝玉を探すうさぎ達が現れる。うさぎを動かすツクヨミの眷族が、ツクヨミの気持ちを忖度しアマテラスの宝玉を探していた。ツクヨミとアマテラスの仲を良くしたくて。
京のお伊勢さんで、アマテラスを呼び出してしまった理龍は、月読の眷族の話をし、二神の仲が良くなるように願う。

 さて、萌子は、何神様の分け御霊なのだろう。千歳は東京の本部長。明日香は、萌子と理龍の推しになる。お地蔵様が居候していた猫を、千歳が飼うことになった。



2025年8月6日水曜日

やさい畑 2025年春号 4

 やさい畑 2025年春号 4
  農の匠 ナス栽培の極み技
  家庭菜園で菌ちゃん農法 糸状菌の力で元気野菜
  ショウガは腐葉土で芽だし

農家が教えるナスつくり
ナス栽培の基礎と実際 河野隆道
おいしくできる!ナス NHK出版