上絵師律の 似面絵帖⑪ 秘す歌留多 知野みさき
涼太の跡取り仲間の室町の本屋・林泉堂の則佑が正と結婚しお腹に子どもがいた。正は則佑に振られ大奥に務めた。宿下がりで帰ってきて則佑に妻問いされ、大奥を辞めてきた。
扇屋・美坂屋の勇一郎も祝言を挙げた。
今井が指南所で使っていた、いろは歌留多が一枚無くなった。十八年前、律の父親が描いた歌留多だった。新しく律が描くことになった。
律の鞠巾着が縁で、律の母の兄・喜一が、律の長屋を訪れた。妹と伊三郎との結婚を認められず、以後行き来が無くなっていた。喜一の孫が律の鞠巾着を欲しがったのが会うようになった起因だった。
指南所に通っていた寿珠の母親・珠美が殺された。寿珠母子は珠美の従姉妹の店で世話になりはじめた。調べると若旦那に寿珠が襲われ、寿珠は今井の家に逃げた。寿珠が襲われたことを知った珠美は若旦那に刃物を向けた。刃物を取り上げた若旦那は珠美を殺した。寿珠は、律のところで生活していた。
涼太を父と思っている恵一が、青陽堂んい来た。恵一の母は、もうすぐ死を迎える。息子に今を見せたくないと言い、居場所も明かさない。恵一の母が鎌倉の東慶寺に入り、離縁した夫が、追いかけている。夫は盗賊の仲間と判り捕まった。
東慶寺に入るにあたり世話になった一蓮と桔平がくる。恵一と寿珠は、一蓮たちと一緒に品川へ行った。
一蓮さんたちの指南所の師匠は、今井が友とも師匠とも呼ぶ一慧だった。一慧は女だった。今井の想い人だったようだ。
律は、歌歌留多の絵でなにかしようと思う。
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