2021年1月3日日曜日

武士の流儀〈四〉

武士の流儀〈四〉 稲葉稔 

 洗張屋 桜井清兵衛は散歩の途中で洗張屋にお邪魔する。洗張物を持っていくと伸子張り物の1枚が無くなったと騒いでいた。話を聞き近所を回って見つけ出す。丸く収める。清兵衛の妻・安江には角が生えていた。

 うなぎ 元大御番組組頭の奥平儀右衛門を知る。使用人から家族から神経が休まらないと嫌われているようだ。清兵衛は儀右衛門に近づき殿様は我が儘だという。他人に期さず、他人に望まず、代わりに人が望むことをしてやる、相手の気持ちを分かろうと努めると言う。儀右衛門は実行しようとする。家族と語らい使用人も安心し、儀右衛門自身も怒ることが無くなった。清兵衛に感謝する。

 八百屋の倅 五年前、御先手組同心だった竹吉は御家人株を売り八百屋になった。息子三郎は十六才になり、手跡指南所でも剣術の道場でも出来がよかった。侍になりたがった。清兵衛は息子・北町奉行所与力・真之介に相談する。侍の子三人に痛めつけられ仕返ししようとしている三郎に真之介は話す。三郎は八百屋を頑張ることにした。

 拾う神 近所の十三か四才ぐらいの少女・いとの働きっぷりが素晴らしいと安江が言う。母親は脚気で寝込んでいた。母親が五十両盗んだと香具師の子分に因縁を付けられいとを勾引かす。清兵衛は子分達を捕まえ香具師の親分と話をする。子分達の勝手な行いだった。母親が死ぬ。いとは仕事の一つ、賄いの手伝いをしていた旗本・杉畑家の養女になることになった。

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