2021年8月30日月曜日

上絵師 律の似面絵帖⑦

上絵師 律の似面絵帖⑦ しのぶ彼岸花 知野みさき

 律は葉茶屋・青陽堂の嫁として初めての新年を迎えた。 懐妊した。

 女形の役者から着物の仕事が舞い込む。殺された息子の供養に彼岸花の注文だった。息子は彼岸花の中で自殺していた。息子が捨てられていた場所で。律と共にその場所で子供を捨てた母親に会った。死んだことは伝えなかった。

 香が出産した。

 律が似顔絵を描いたことで捕まった盗賊の家族から命を狙われる。止めようとする娘が忍ばずの池に落ち、娘を助ける事で律は流産した。

 まわりの大人は流産はよくあることと律を責めない。

2021年8月28日土曜日

噂を売る男 藤岡屋由藏

噂を売る男 藤岡屋由藏 梶よう子

 由藏は足袋屋中川屋の軒先を借り古本屋 を始めた。毎日の噂話、高札場の記事何でも書留め、情報を必要な人に売る商売もしている。だるま屋と呼ばれていた。

 由藏は藤岡の養蚕問屋の息子だったが、父親が蚕売りに騙され病気の蚕を養蚕農家に広めてしまい自殺した。祖母の兄の道具小屋で育った由藏はまわりの子供たちにうそっこき由藏と言われた。藤岡の生糸問屋で働いた由藏は、各地の生糸相場を調べ、藤岡の売値を決めることまで任されるようになるが、「うそっこき由藏」がついて回るため二十才の時、江戸へ出る。
 口入れ屋「埼玉屋」で働く。埼玉屋の主人は伊賀者だった。大奥の下働きとして働いた。五年後、世話になった仲間・留吉が罪を押し付けられ殺された。
 由藏は藤岡時代から日記をつけていたが、詳しくなり噂を拾い集めるようになった。何年かたち留吉を罠に嵌めた上臈を失脚させた。
 
 噂売りの仕事で、シーボルト事件に関わってしまう。自分の噂を探りに来た高橋作左衛門は斬首になった。


藤原緋紗子の秋月伊織のシリーズが藤岡屋吉蔵・だるま屋・情報を売る店・御成街道だった。


2021年8月25日水曜日

おとなりの晴明さん 第九集

おとなりの晴明さん 第九集  仲町六絵 
 〜陰陽師は花の都で笑う〜

 陰陽師の見習い「結び桜の子」糸野桃花は、かんざしに式神の種を植え付け名前を付け式神を育てる。古今和歌集から初花と名付けた。フクロウの姿で現れた。
 玄武の古い羽衣を狙う蠱毒の長者との戦いのため初花を鍛える。
 三ヶ月後、蠱毒の長者から玄武の羽衣を護った。
 
 一年が過ぎた。晴明は閻魔大王から早く帰ってくるように言われ、年に百日冥府勤めをすることになった。

 桃花の芸大入学の日、晴明さんが帰ってきた。

2021年8月23日月曜日

風烈廻り与力・青柳剣一郎 (53)

風烈廻り与力・青柳剣一郎 (53) 寝ず身の子 小杉健治

 立て続けに同じ手口の殺しがあった。殺されたのは、十年前、盗品を扱った罪で潰された木綿問屋「大黒屋」の元番頭と、告発した女だった。植村京之進は島流しになり島で死んだ大黒屋の子供を探す。

 剣一郎は、旗本屋敷に盗みに入る白ねずみを探す。盗まれたと訴える旗本はいない。御赦免になって江戸に戻った男が、自分を島に送った女に仕返しをすると言っていたと島から連絡が来る。男を探っているうちに白ねずみではないかと思う男が見つかる。男は大黒屋を陥れた旗本を脅迫していた。白ねずみの正体は、大黒屋の庶子・忠吉だった。島帰りの男が、大黒屋から話を聞いて持って帰ったのだった。

 忠吉は、旗本の呼び出しに応じ、十年前の事の真相を追及する。旗本と、大黒屋を競売で買った香取屋が罠を仕掛けていた。真相を明らかにし忠吉が殺されそうになる直前、聞いていた剣一郎が現れる。剣一郎は三人を殺した犯人は香取屋だと問い詰める。

 闕所になる香取屋を大黒屋の兄弟で買い戻そうと言う話になった。

2021年8月21日土曜日

隠密船頭(7) 追慕

隠密船頭(7) 追慕 稲葉稔 

 沢村伝次郎は座頭殺しの下手人とされる浪人二人を探索することになった。伝次郎の小者・粂吉は無理心中で姉を失ったゆうに、置いて出た妹を思い気にかける。
 ゆうは姉の残した五十両を近くに引っ越してきた男・金吾に盗まれる。粂吉は金吾を探す。
 
 伝次郎は浪人の居場所を探しながら、何故座頭・小市を殺したかを探る。小市は男が女を殺し川に落とし、自殺をしり込みしている男の懐から財布を取り、男を突き殺し川にはめた二人の侍の声を聞いていた。小市が聞いた殺しは、ゆうの姉の無理心中だと思われた事件の現場だった。
 浪人二人を捕まえ、小市が自首を迫ったため殺されたことが分かった。

 粂吉は伝次郎にゆうのことを話し、金吾を探す。金吾を見つけたとき、残り三十五両になっていた。ゆうが結婚するはずだった男が、ゆうが絵を描くことを知り、呉服屋を紹介する。着物の柄を書く仕事だった。

2021年8月19日木曜日

京都寺町三条のホームズ・16 

京都寺町三条のホームズ・16 望月麻衣
 〜見習いキュレーターの健闘と迷いの森/前編〜

 大学二年の冬、葵は円生の作品展を仕切ることになっているが、なかなかアイディアが浮かばなかった。
 船岡山エリアの活性化の手伝いをすることになった。町ブラ散策コースと歴史探索コースを作る。
 葵はガラスの展示会で神戸切子と出会い、円生の展示会のアイディアが浮かんだ。
 梶原家の三男・春彦の出生の秘密が春彦の知るところとなる。葵の友人・香織は春彦に対する自分の気持ちに気が付く。

 探偵・小松のところに依頼がくる。恋人の浮気調査だったが、邪魔をしているのは一緒に来た田所敦子だった。華道教室の師匠が生徒・浅井智花の結婚を阻止しようとしていた。何故?

 

2021年8月17日火曜日

照降町四季(三) 梅花下駄

照降町四季(三) 梅花下駄  佐伯泰英

 火事で全てを焼かれた照降町だったが、みんなで護った梅木を支えに復興していく。
宮田屋は、佳乃が仮家で挿げる下駄を船店で売った。自前の屋根船を店仕立てに造った。若狭屋も遅れて船で店を出す。
 宮田屋が土蔵を護るために建てた見張り小屋を大塚南峰の仮診療所にした。八頭司周五郎は蔵の中で見張りをした。
 宮田屋の再建が始まった。宮田屋は佳乃の家を再建した。佳乃は、吉原の梅花花魁に道行きの時に履く三枚下駄を頼まれた。下駄作りの職人と軽く履き心地のいい梅の絵付きの下駄を作った。佳乃の発案で照降町で花魁最後の道中が行われた。梅花花魁は身請けされる。
 水面下で佳乃と周五郎が梅木を守ったことが芝居になる話が進む。
 若狭屋の長屋跡地に南峰の診療所が出来ることになった。
 伝馬町の牢の敷地内に剣術道場が建つことになった。

 周五郎の兄・裕太郎が訪れる。帰る意思の無いことを言う。裕太郎が殺されたと連絡が来る。父親からの呼び出しが来た。

2021年8月15日日曜日

中南米野球はなぜ強いのか

 中南米野球はなぜ強いのか 中島大輔

 ドミニカ、キュラソー、キュウーバ、ベネズエラ

2021年8月7日土曜日

手/ ヴァランダーの世界

手/ ヴァランダーの世界 ヘニング・マンケル 

 田舎暮らしが夢のヴァランダーは、マーティンソンに紹介された物件の裏庭で地面から突き出している人間の手の骨を見つけてしまう。地面のしたには女性の骸骨があった。すぐみの配置に違和を感じたヴァランダーは掘り返したところでもう一体の男性の骸骨を見つける。ヴァランダーは過去に遡って家の持ち主を調べる。

 1944年エストニア人家族がその家に住んでいた。夫婦はデンマークに移住していた。息子はその後もスウェーデンに残り老人ホームに入っていた。彼は事件のあった家ですべてを話し、ヴァランダーに拳銃を突きつける。拳銃は暴発し彼・イーヴァル・ピーラクは即死した。

 彼の父親は暴力的だった。我慢ができなかった母親は首を吊った。死を知った彼は寝ている父親を殺し、二人を埋めた。

 ヴァランダーは埋められた人の身元が分かれば良かったのだ。

2021年8月5日木曜日

アトピーは治せる!

 「保湿」を変えればアトピーは治せる! 続木康伸

 「脱ステロイド」でもなく「食事」でもなく、本当のアトピー治療はもっとシンプル!

2021年8月3日火曜日

照降町の四季 己丑の大火 

 照降町の四季 己丑の大火 佐伯泰英

 文化十二年 1829年3月 神田佐久間町から火が出、神田から南を焼き尽くした。照降町も焼けた。佳乃は御神木の梅の木を護ろうとした。御神木が残っていたら照降町は甦るとみんなで護り通した。
 八頭司周五郎は解き放たれた囚人から三度宮田屋の財産を守った。
 佳乃の父・弥兵衛は火事の早い段階で深川に移動したが火事が修まるころ息を引き取った。
 宮田屋の見張り小屋で、大塚南峰は開業した。

2021年8月1日日曜日

コンビニたそがれ堂異聞

コンビニたそがれ堂異聞 村山早紀

 私は風早神社の娘・沙也加。母が亡くなる前、願い事を叶えてくれるというコンビニたそがれ堂を探したが見つからなかった。私はそんなコンビニがあるということを信じなくなっていた。

 海の記憶 弟・透矢の様子がおかしい。ある夜、透矢は自分の生まれ変わりだという透矢の顔をした者は、昔乙姫さまから貰った玉手箱を探しにコンビニたそがれ堂に行くと言う。沙也加もついて行くとたそがれ堂は見つかった。彼は流行病に効く薬が入った玉手箱を見つける。
 
 星へ飛ぶ翼 恐竜のことを考えていた沙也加はたそがれ堂に着いた。恐竜に会いたいというと帰り道、恐竜が地下に潜り生き続いているという恐竜の子孫に会った。地下に潜り目が不必要になり見えなくなっている。地下社会を飛び回ることができた。

 猫たちは光を灯す 沙也加は母の亡くなる前、橋の上でサンタさんのプレゼントはいらないと言った。母は欲しいものは欲しいと言って欲しいと目に涙を浮かべた。沙也加は万華鏡がほしかった。たそがれ堂で万華鏡を見つけた。 万華鏡を持って思い出の橋の上で、小学二年生の沙也加を見る。母がいる。時のかけらを見せてくれる橋。母は高校生の沙也加を見たのだ。
 母と父の出会い結婚はたそがれ堂のおかげだったことが分かった。