隠密船頭(7) 追慕 稲葉稔
沢村伝次郎は座頭殺しの下手人とされる浪人二人を探索することになった。伝次郎の小者・粂吉は無理心中で姉を失ったゆうに、置いて出た妹を思い気にかける。
ゆうは姉の残した五十両を近くに引っ越してきた男・金吾に盗まれる。粂吉は金吾を探す。
伝次郎は浪人の居場所を探しながら、何故座頭・小市を殺したかを探る。小市は男が女を殺し川に落とし、自殺をしり込みしている男の懐から財布を取り、男を突き殺し川にはめた二人の侍の声を聞いていた。小市が聞いた殺しは、ゆうの姉の無理心中だと思われた事件の現場だった。
浪人二人を捕まえ、小市が自首を迫ったため殺されたことが分かった。
粂吉は伝次郎にゆうのことを話し、金吾を探す。金吾を見つけたとき、残り三十五両になっていた。ゆうが結婚するはずだった男が、ゆうが絵を描くことを知り、呉服屋を紹介する。着物の柄を書く仕事だった。
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