噂を売る男 藤岡屋由藏 梶よう子
由藏は足袋屋中川屋の軒先を借り古本屋 を始めた。毎日の噂話、高札場の記事何でも書留め、情報を必要な人に売る商売もしている。だるま屋と呼ばれていた。
由藏は藤岡の養蚕問屋の息子だったが、父親が蚕売りに騙され病気の蚕を養蚕農家に広めてしまい自殺した。祖母の兄の道具小屋で育った由藏はまわりの子供たちにうそっこき由藏と言われた。藤岡の生糸問屋で働いた由藏は、各地の生糸相場を調べ、藤岡の売値を決めることまで任されるようになるが、「うそっこき由藏」がついて回るため二十才の時、江戸へ出る。
口入れ屋「埼玉屋」で働く。埼玉屋の主人は伊賀者だった。大奥の下働きとして働いた。五年後、世話になった仲間・留吉が罪を押し付けられ殺された。
由藏は藤岡時代から日記をつけていたが、詳しくなり噂を拾い集めるようになった。何年かたち留吉を罠に嵌めた上臈を失脚させた。
噂売りの仕事で、シーボルト事件に関わってしまう。自分の噂を探りに来た高橋作左衛門は斬首になった。
藤原緋紗子の秋月伊織のシリーズが藤岡屋吉蔵・だるま屋・情報を売る店・御成街道だった。
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