2023年12月24日日曜日

東京バンドワゴン⑱ ペニー・レイン

 東京バンドワゴン⑱ ペニー・レイン 小路幸也

 冬 カフェの向こうで紅茶も出番
 亜美の弟・修平の妻・佳奈と我南人が、近所のロケをする。芸名・折原美世の新しく始まるドラマのモデルになった花屋が近所にある。近所の紹介がある。(隣が元風呂屋・松の湯になっている。)
 二十年前、サザンクロスという喫茶店がなくなった。青の一才年下の浦田麻理・昔は南麻理が、〈日英テレビ〉を辞め、祖母と母と共に元のサザンクロスの場所に、紅茶とスコーンの店を開く計画があることを話す。
 同じ時期、離婚した父親も近くの居酒屋で働いていることが判る。父親は連絡を取らない。

 春 恋の空き騒ぎ
 三月、恒例のひな祭り
 四月 かんなと鈴花は小学三年生、芽莉依ちゃん大学二年、花陽大学四年。
 三月半ばの金曜日 青の実母・池沢百合枝が、三浦のかずみが住む老人ホームに引っ越す。
勘一と我南人と青が行く。
 同じ日の夕方、マードックと藍子がイギリスから帰国する。
 土曜日、二階の増谷家と三階の会沢家の引っ越し。〈藤島ハウス〉から
 日曜日、藤島ハウス内の引っ越し。
 小料理屋〈はる〉が、隣の空家を買い取り、店を広げることにした。夜だけではなくランチもすることにした。隣の古い二階の部屋に、バンドワゴンでバイトしている花陽の友達・君野和が、坂上元春と住むことになった。家賃なし、光熱費だけ。〈はる〉でバイトする。真幸のベビーシッター。好条件だった。
 研人のバンドのサポートメンバーを紹介される。鈴花のピアノの先生・三輪さんの娘・華さん。大学生。近所の佐藤大河とディオを組んで活動中。大河は芽莉依と高校が同じで知り合いだった。
 
 夏 答えは風と本の中にある
 三浦に海水浴。
 研人はイギリスでキースに貰ったワンボックスカーを日本に持ち帰った。
 和ちゃんは〈はる〉の二階に住むようになった。
 寺や神社の賽銭泥棒だと思った若者が、茅野さんと一緒に賽銭泥棒を捕まえた。茅野さんは、若者を尾行していた。彼・岡部隼人は、古文書や古本が大好きで、神社で話を聞いたりし廻っていた。賽銭泥棒を許せないため見回りをしていた。尾行していた茅野さんと一緒に捕まえ警察へ。
 茅野さんは、岡山の妻の実家に移り住むことにした。何かの縁だと、自分の蔵書、二千冊ほどを隼人に譲る気になった。バンドワゴンに持ち込もうと思っていたが、倉敷に実家がある隼人に譲るから古本屋をやればいいと言った。

 秋 ペニー・レイン
 佳奈のお腹に赤ちゃんができたようだ。人気女優なので発表はもう少ししてから。
 浦田麻理のお店が9月にオープンした。〈紅茶とスコーン〉という名前。
 十月、猫のベンジャミン逝く。
 茅野さんは岡山に転居した。
 隼人は、倉敷の山の中の廃寺を譲られ手に入れた。古本屋をしながら文化的事業をするらしい。
 近所で不審火による火事が三軒あった。木島は三軒の火事場で、隣の元風呂屋でアートギャラリーをしている高見を見たと言う。消防士の行沢は高見とは同級生だった。高見に聞く。放火はしていないと言いながら、ビルが火事になり保険金で助かった知り合いの話を聞いたと話す。元風呂屋の建物を残したいから手に入れたが、どうにもならないところに来ている。売れば建物が壊される。バンドワゴンに買ってくれないかと頼む。
 青が買うことにした。青は家族で自分だけが何もできていないことに不甲斐なさを感じていた。元風呂屋で、クリエータービレッジを作る。資金は、池沢さんと一緒に出た映画のギャラ。映画の全ての収入のパーセンテージで貰っていた。池沢さんは全てを青に渡していた。青にやることが見えてきた。
 犬を散歩させていると、小猫が付いてきた。るうと名付けた。
 
 
 

 

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