2024年7月14日日曜日

鎌倉署・小笠原亜澄の事件簿④ 竹寺の雪

鎌倉署・小笠原亜澄の事件簿④ 竹寺の雪 鳴神響一 

 ノンフィクション作家の赤尾冬彦が、昭和の銀幕スター・関川洋介記念館で絞殺された。一月経っても進展しない事件を、幼なじみコンビ・吉川元哉と小笠原亜澄も調べることになった。関川家族や共演者等の聞き込みを始める。赤尾は、関川洋介の生誕百年の伝記本を出す予定で調べていた。映画・竹寺の雪を観ている時に殺された。

 関川洋介は、五十年前に病死。娘・女優・関川由布子は入院中。由布子の妹・恵衣子の娘・森岡恵智花21才が、洋介の孫。関川邸の留守番をしている。由布子は家を相続し、恵智花の母は、貧乏画家で、金や有価証券等、動産を相続した。由布子と恵衣子の母親は違う。
 伝記本を出す予定の出版社・鳥井忠志。本郷監督。由布子の病院で、恵智花と俳優・蜂屋貞一に会う。竹寺の雪の映画の後、引退した七条昌子に会う。七条の後輩・宇都宮茉莉子に会う。脚本家・山科勝雄に会う。彼は付き合っていた女優・屋代佐織が関川の後妻になった。山科は宮崎と一緒に、七条の引っ越しを手伝っていた。宮崎は、今も七条の家で働いている。
 
 宮崎は、赤尾の投資詐欺被害に遭い五百万を取られたので憎くて殺したと言った。
 七条は、由布子の母親が自分であることを告白し、赤尾が知ったことで脅迫し宮崎が殺したのだろうと話した。亜澄は、合い鍵のことが納得できなかった。誰か共犯者がいるはず。
 七条は、由布子も晩年を一緒に過ごす人が出来て喜んでいたのに・・・と言った。相手は蜂屋貞一。
 関川家で、犯人が宮崎・七条昌子の運転手だったと伝えた。蜂屋に言う。誰か合い鍵を渡した協力者がいるはず。蜂屋に見せた。由布子が、蜂屋由布子になっている事実を。由布子の八億円の遺産を手に入れるために。由布子の母親が昌子ということになると、遺産が昌子にも行く。それを阻止するために、昌子が母親であることが表に出てはいけないと思った。蜂屋を殺人教唆及び幇助の嫌疑で逮捕された。
 蜂屋は罪を軽くするために相続放棄した。恵智花は、相続財産を関川洋介記念財団の信託財産にして記念館とお屋敷の維持費にするつもりだ。

 元哉は、寿福寺の総門前の石段でくだを巻いた亜澄を介抱するはめになった。タクシーを探す。
 


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