おもみいたします② 凍空 と日だまりと あさのあつこ
武士・稲村に駕籠に乗せられ連れて行かれたのは旗本・久能家だった。当主・和左之介が、三日後切腹する。手足を動かすと痛く、このままでは作法にのっとった切腹が出来ない。切腹が出来るように動くことが可能にしてほしいという要望だった。梅は死ぬためにもみ治療はしないと言いながら、治療をする。動くようになる。和左之介は、途中で治療を拒む。
梅は切腹の理由を聞く。女郎宿「かずら屋」の朱波と心中しようとして途中で見付かり目付の耳に入り切腹が決まったという。
梅は、かずら屋の女将のもみ治療をしながら話を聞く。女将は、女郎から心中話を持ちかけさせ途中で止め、対面をきにする武家から金子を受け取っていた。今までにも何組も、事件を起こしていたが秘密裏に処理されていた。今回は客の中にたまたま徒目付がいた。初めて表にでた。旗本の次男、三男の風紀が乱れていることを気にしていた御上は、見せしめのために和左之介を切腹に決めた。
和左之介と朱波は、朱波の父親が久能家で働いている時期があったため、幼なじみであった。
梅は、本人たち、和左之介の姉を説得し、二人を大阪へ逃がす算段をし、逃がした。
姉・橙子は、梅に過去を話した。使用人として屋敷にきた男が、鼓が巧みで、恋に落ち、密通し二人で逃げることを考えた。男は逃げた。橙子は父親に男を殺すことを頼んだ。橙子は子を産んだ。和左之介だった。橙子は姉として育てた。
切腹部屋で、稲村が切腹した。
和左之介を見張り役の二人に、切腹したのは和左之介だと認めさせた。
橙子が、梅を訪ねてきた。二人が大阪に着いたことを伝えた。稲村の遺書の内容を伝えた。橙子の男・和左之介の父親を殺したのは自分だと。男は逃げた訳ではなかった。橙子が父親に頼む前に、殺されていたのだった。自分の罪を贖える機会を得ることが出来た。梅どのには真底礼を言いたい。
橙子は後始末を終えた。髪を降ろし仏門に入り、稲村の菩提を弔って生涯を過ごすことにした。梅は橙子の身体を揉んだ。
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