うぽっぽ同心十手綴り⑦ かじけ鳥 坂岡真
穴まどい 長尾勘兵衛たちは、浅草の正燈寺へ紅葉狩りに出かけた。末吉鯉四郎が刺された。五寸釘に毒が付けられ刺された鯉四郎は、ただただ眠っていた。
鯉四郎が調べていた事を調べる。七日前、 仏壇屋「曼珠屋」の番頭殺し、先棒の駕籠かきが一緒に殺された。殺したのは浪人だった。
浪人が殺された。殺された駕籠かき所有の煙管を持っていた。五寸釘で殺された。
十日前、警動があり、鯉四郎は、船宿の亭主・達磨屋籐兵衛を捕まえていた。一人だけ別行動で四谷の大番屋にいた。南町筆頭与力・伴野左近により無罪放免になった。
勘兵衛は黒覆面に襲われた。残った鶴首男は逃げた。銀次が追い、行き先を突き止めた。大名の下屋敷の賭場。隠居に化け入った勘兵衛が出合ったのは壺振りおはん。おはんが行き着いた先は、口入屋「傘屋」、そこの主は鶴首の重三郎だった。
勘兵衛は帰り道、おはんが五寸釘で襲って来たため捕まえた。
鯉四郎の目が開いた。
十七年前に捕まえ、十六年八丈島にいた丁次郎が、一年四国巡礼をしていたと顔を見せた。丁次郎のために捕まえようとしていたくちなわ一味の頭目重蔵を捕まえられなかった。このところくちなわ一味の犯行が起こっていた。
丁次郎がくちなわ一味の犯行を予告してきた。蔓珠屋の番頭は錠前破りだった。殺されたため丁次郎が誘われた。重三郎、駕籠屋伝助、籐兵衛、蔓珠屋惣八、あと二人がくちなわ一味。どこを襲うか判れば連絡する。その代わり、娘・おはんを助けてほしいと言った。
丁次郎から愛宕下天徳寺、明日子の刻。の知らせがあった。伴野左内の呼び出しで手下になれと言われ、本当の押し込み場所を聞いた。龍河山金剛寺。五百両を希望した。奉行所は、知らせを受けた天徳寺へ行く。勘兵衛は一人で金剛寺へ行く。
押込んできた者から金剛寺の金子を護る。盗賊が金を運び出し始めた。重蔵に狙いをつけ、臑に斬りつける。丁次郎を助けながら追いかける。鯉四郎や銀次が駆け付ける。得物を手にした僧が集まっている。見張り役や重蔵を捕まえていた。伴野が勘兵衛に討ってを送った。その討ってを追ってきた。丁次郎とおはんが合った。
根岸直々の白州が始まった。伴野は捕まったのは偽者の頭目で、本物は壺振りの娘と共にどこかへ逃げたと言った。根岸は丁次郎が奉行所に来て、くちなわを売った礼が欲しいと言ったと伴野に言った。十手持ちの面汚しと言われた。丁次郎は来ていない。丁次郎とおはんはかまいなしになった。
おはんが四国巡礼に行くと寄ってきた。丁次郎が島で拵えた珊瑚玉の簪を渡した。二人は旅立った。
きりぎりす 霜月 綾乃は鯉四郎に嫁いだ。夜、夜鷹姿の女が、先に血痕が付いた銀の簪を持って来た。勘兵衛が静に贈ったものだった。
夜鷹探しを始めた。静のことを知っているという比丘尼がいるらしい。比丘尼は殺されていた。夜鷹のおけいが、高利貸・地蔵屋から貸付証文を盗み比丘尼の所に逃げ込んだため比丘尼は殺された。おけいは逃げている。遁科屋・逃がし屋・十吉から、おけいとおたね姉妹は、地蔵屋からの借金の請人になったことで切腹した勘定方の旗本の娘だった。十吉が、おけいが借用証文を天神屋に持ち込んだ後地蔵屋に捕まったと、知らせてきた。
勘兵衛は、天神屋に十手を預け、貸付証文を渡して貰い、地蔵屋を潰すことを約束する。
地蔵屋に行き、おけいと証文を取り換える。おけいと百両が外に出たころ、細かく千切られた証文が紙吹雪となった。鯉四郎が助けに来た。
おけいをおたねの所に逃がした。
かじけ鳥 竜閑橋のたもとの迷子石に、静、帰ってこい。と書いた。
勘兵衛は、静のことで訪ねてきたくみに合うために訪ねて行くと、くみは殺されていた。くみを殺した絵師を殺したということで甚八が追われていた。
勘兵衛は絵師殺しを調べることになった。甚平はおゆきと出会い、一緒に越後に行く約束をしていた。
絵師が出入りしていた艶狂堂へ行き、仕掛けに掛かり捕まった。甚平が盗んだ下絵を返せと迫られる。話の内容から、殿が悪徳商人と手を組みあぶな絵を描かせている。この連中がくみを殺し、絵師を殺したのが分った。水牢に入れられた。甚八が死んだ。甚八を上げる時勘兵衛が上がって行き外に出た。
絵師に成りすました勘兵衛は、呼び出された現場に行き、殿様に合い艶狂堂も商人も捕まえた。甚八の盗んだ下絵も見付けその場に打ち付け目付に連絡する。
ゆきが、静のことを知っていた。甚平から聞いたと言う。記憶を無くしたご新造。記憶は無くても待っている人が有ることは承知していた。自分の意思ひとつで逢いたいと思う相手に邂逅できる。肝心の決断がつかず迷っている。と
ゆきは甚八を待って寒さで亡くなった。
静が立っていた。泣きたいのを堪え、迷子石の伝言を目にしてたまらなくて。
長い間迷子になっていたな。
夢なのか?
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