東京バンドワゴン⑲ キャント・バイ・ミー・ラブ 小路幸也
花陽は大学四年、実習に行くようになる。
藤島は〈藤島ハウス〉を本宅にした。
秋 とっちらかってアイドル
十年前に銭湯がアートギャラリーになった〈アートゥ〉を買うことにした青。音楽、美術等芸術を中心にしたクリエイター・ビレッジを創るつもりだ。名前は「ステージバス」再来年の四月開始。
芽莉依に、東大クイズマニアックの品川が接近。話しをしている二人を隠し撮りする者を、木島が発見。品川が所属する事務所の社長に頼まれていた。
研人がアイドルグループ〈カラーナンバー7〉の三人と一緒に仕事をすることになった。本間ハルカが元の詩を書き、研人が曲を創る。所々詩を書き換え曲が出来る間に、二つの事務所が元は同じだったことが分る。何かを仕掛けられていると感じた研人と我南人と木島はアイドルグループが所属する事務所に、〈カラーナンバー7バージョン〉と、元の歌詞を使った
〈TOKYO BANDWAGON〉バージョンで同時に出すことを承諾させた。
冬 愛とは航海する旅
クリスマスが終わり、年末。かずみと池沢が三浦から来る。
鈴花とカンナが寝る部屋を決めた。亜美とすずみと芽莉依と池沢。四人ともお嫁さんです。すずみが池沢に我南人との出会いを聞く。池沢の主演映画の主題歌を我南人が創り、池沢が歌う予定だった。卑劣な実力者をぶっ飛ばして池沢を救った。我南人の歌はお蔵入になったと話した。
花陽が友人の結婚式に出席。
岡山の茅野の奥さんが亡くなった連絡が入る。一ヶ月前の話し、脳卒中で突然だった。
ステージバスの建築の話し合いが始まる。
花陽を心配して大勢が集まる。和、須藤先生、麟太郎、行沢、行沢の妹・杉原奈津香。みんなが集まった原因は、玉地川総合病院の、臨床検査技師が浮気して相手を妊娠させた、という噂だった。和と須藤先生は、麟太郎を疑った。須藤先生は、相手の女性の同級生で妊娠検査をした。妊娠はしていなかった。男性は、麟太郎の同僚で、奈津香の夫だった。奈津香は、相手の女性が実習生と聞いた。兄に相談し、我南人に相談した。そしてみんなが集まる事になった。みんなの誤解は解けた。
花陽は、結婚することを決めた。医者になるまでは結婚しないと言っていたが、何が起こるかわからないとつくづく思ったから、できる時にする。
春 未来をあなたへ花束にして
かんなと鈴花は小学四年生。芽莉依は大学三年生。花陽は、医大の五年生で二十三才。
花陽は、8月15日に結婚式をする事にした。祐円の神社で結婚式をしてHホテルで披露宴をする。
ステージバスは、ライブ、演劇を行なえる施設、音楽スタジオ。アーティストオフィスの機能を兼ね備える。
Hホテルのパティシエの一人が、水上兵衛のお姉さんだった。水上は〈TOKYO BANDWAGON〉の専属のカメラマンだ。お世話になっているからとケーキを持って来る。その時、のぞみの父親・春野さんがコックを辞めさせられたことを聞く。陰険な派閥争いだと言う。
のぞみの母親が、のぞみから渡された通帳を持ってくる。のぞみは研人たちの歌詞を書いたり、歌ったりしているので印税が入っていた。研人は説明する。のぞみは手っ取り早くお金を稼ぐために本間ハルカに相談に行った。研人はのぞみと父母とに話す。ステージバスのアーティストとして登録し、仕事をする。文才が一番、作詞家として活動、ステージバスのポスターのモデル。モデル料が発生する。両親とも話し合い契約したいことを話す。
我南人は、父親に〈はる〉を勧める。ランチを始めたが人手が足りない。和食を踏まえてランチやモーニングに対応できる人を探している。夜以外は全部任せてもいいと言っている。のぞみの母・絢子も一緒に働くようだ。
夏 キャント・バイ・ミー・ラブ
ステージバスの銭湯建築修復作業を4Kカメラで撮影、新築多目的ホールのビル屋上の緑化。改築工事が始まる。
研人たちは夏のツアー、華と大河も参加。我南人たちも何ヶ所がジョイント。
女優・折原美世こと佳奈と亜美の弟・修平夫婦に赤ちゃん誕生。名前は幸と付けられた。
ステージバスにスタジオが出来るので、芽莉依が研人の隣の部屋を使い、芽莉依の部屋に麟太郎が住むことになった。
浦安に本やレコードを買い取りに行く。その中に、この子の父親は我南人よと録音されたカセットテープがあった。買い取りを頼んだのはそう言っている人の孫だった。祖母も母も亡くなっていた。持ち帰った荷物を置いている時いたのは、元図書館館長・浜崎だった。彼は、その祖母の兄だった。祖母・木下琴。我南人の知らない名前だった。
録音された声を聞き、我南人は、別の日に、買い取りを頼んだ智香と浜崎と、カラーナンバー7の事務所の創業者・宇条滋平を連れてきた。
我南人は、智香に古いアルバムを見せ、谷口ミカという凄いボーカリストだったことを伝えた。宇条を祖父だと紹介した。浜崎は智香の大伯父。浜崎はジョージが父親、我南人だったら良かったのにと聞いていた。宇条は、ずっと見守ってきた。言葉を信じ切れなくてそれで、我南人にいろいろちょっかい出していたと言った。
谷日神社で挙式、ホテルで披露宴。研人たちと我南人たちのジョイントライブ。花陽が手紙を読んだ。写真会場になる。雛壇で家族写真。と言いながら須藤先生もカメラマンの水上も一緒に撮る。最後にかんなが写真を撮る。勘一の隣に他の人には見えないさちが座った。かんなが撮った写真にはさちも映る。紺のアイホンで撮った。
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