浪人奉行六の巻 稲葉稔
中野で米商人一家惨殺刹される事件が起った。同じ浪人九人が、江戸内で博徒連中を襲う。浪人奉行を名乗る八雲兼四郎たちは中野の襲われた商人を調べる。
浪人九人は元々青梅の宿に居たことが判る。江戸を追われ青梅へ帰る途中の浪人を待つ。兼四郎は九人が使い手と知り、定次を江戸府内の聞き込みに回す。
浪人の首魁・山颪の甚右衛門は、神尾響一郎を探していた。中野の元犬屋敷の後地桃園に名前を変えて住んでいた。神尾は甚右衛門に見つかり殺される。追ってきた兼四郎は、九人と戦う前に、仲間の橘勘兵衛を気絶させ一人で対し、九人を成敗する。
神尾は一緒に住む女に甚右衛門に狙われる理由を話していた。五年前に神尾は甚右衛門と一緒に五千両の御用金を奪おうとした。神尾を怪我をした甚右衛門を土手から蹴飛ばし独り占めしていた。御用金は崖から落ち神尾が手にしたのは七百両だった。甚右衛門は神尾が大金を持っていると思っていた。
兼四郎は女から話を聞くが、自分は中野の商家に押し入った者を探しているだけだと言い去る。女は響一郎の上で自害した。
兼四郎はいつものように「いろは屋」を開く。
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