2019年5月24日金曜日

藍染袴お匙帖⑫ 藁一本

藍染袴お匙帖⑫ 藁一本 藤原緋沙子
 藁一本 唯一の身内の弟・梅之助を医者にするため、阿漕な金貸しをし仕送りをする姉・咲。咲の急病を治療し知り合った。梅之助は修業先の京から逃げ帰っていた。梅之助に手を差し伸べた桂千鶴だったが、梅之助は千鶴の名前を使い附子を手に入れ、殺人に手を貸していた。千鶴は衰弱した梅之助を助け、自首する梅之助に衿に一分金を十枚程縫い込んだ肌着を着せる。梅之助と咲は思いを話す。梅之助が手に入れた附子で殺されたのは姉弟の父を陥れ自殺に追い込み成り上がった商家の主だった。
 桜狩 母親の病の治療し知り合った初を通して知った田楽の屋台を出している巳之助。千鶴は彼が元は訳ありの侍だと思った。
 菊池求馬が昇進して大坂在番になるらしい。千鶴も御目見得医師に推挙されているらしいことが伝わる。
 医者が二人殺された。辻斬りのように見える。二人とも御目見得に推挙されている医師らしい。火盗改の手先になっている清治や五郎政の手を借りて他の推挙されている医師を調べる。千鶴も狙われる。助けてくれたのは巳之助だった。腕のたつ浪人は巳之助の兄の敵だった。巳之助は仇討が出来、初を連れて国許に帰った。浪人を雇っていたのは名前だけの医者、大店の娘と結婚しようとしていた若い医者だった。
 求馬は千鶴に妻にしたいから大坂から帰って来るまで誰とも結婚しないでもらいたいと言う。

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