2020年6月26日金曜日

新・秋山久蔵御用控〈七〉 小糠雨

新・秋山久蔵御用控〈七〉 小糠雨 藤井邦夫
 賞金首 雲海坊は、博打打ちと浪人におわれている、傷を負い逃げている中年浪人を助けた。八王子の千人同心・高杉弥十郎だった。色男にだまされ連れ去られた娘を探していた。色男・長次郎は、御上から手配され逃げる者を匿うことを仕事にしている者たちに匿われていた。長次郎と一緒に逃げ江戸で売られ死んだ娘の父親が長次郎に賞金を付けていた。秋山久蔵は匿う者を捕まえ、匿われている者を捕まえ、高杉の売られた娘も見付けだした。
 追う娘 久蔵の息子・大助は幼馴染みの娘・佳奈が背の高い浪人を追っていいるのを見た。後を付け、人足に絡まれたところを助けた。次の日、佳奈の家を見張っている浪人の後を佳奈がまたつけた。佳奈は北町奉行所例繰り方同心・岡島左内の娘だ。久蔵は浪人・氷川を調べる。氷川が岡島左内を殺そうと屋敷に踏み込んだ時、勇次、由松、清吉に邪魔をされ秋山に取り押さえられた。岡島は例繰り方与力・松永と、湊屋文五郎との御禁制品のやり取りを見てしまった。岡島を殺そうとしたのだった。松永は切腹した。松永家は家禄を減知され、湊屋は取り潰し、文五郎と氷川は死罪になった。
 小糠雨 旗本・土屋監物は茶道具屋等から道具類を騙し取っていた。文句をいう商人に毒を盛る。毒を調合した医者を家来に命じて殺した。医者殺しを和馬たちは探索していた。土屋の家来の一人・小西は医者殺しがいやで逃げた。逃げた先は監物の兄・刑部が命じて秋山を殺そうとして殺された家来の妻・静乃の所だった。静乃の勧めで秋山の所へ行く。秋山は二人の家来を捕まえ、土屋の悪行を目付け・榊原蔵人に届けた。監物は切腹、土屋家は取り潰し、二人の家来は死罪、自訴した小西は江戸払いになった。
 駆落ち 元親分・弥平次と孫の平次は、行き倒れのような侍を助けた。元気になって出ていったが殺されて見付かった。侍は坂本秀平と名乗った。が、侍は妻と駆落ちした坂本秀平を探していたのだった。見付けた坂本秀平に斬られていた。調べた結果、関川と結婚して二ヶ月、妻・志保は、納戸方組頭の村上いる江戸に行くためにに家来の息子を誘い、江戸に来た。志保は村上の用意した仕舞屋に住んでいた。久蔵は牛久藩の留守居役に知らせた。村上は役目を利用して茶道具屋に便利を計る約束をし公金を使い込んでいることが発覚した。切腹した。坂本は死罪。牛久藩は志保を国許の関川に戻した。
 

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